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北の魔女  作者: 覧都
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第百四十二話 お外で食事

本日はお休みなので、バーベキューをしようと、とある湖に来ています。

湖の名前はイネス湖。

少し前までは切り立った崖に囲まれた湖で、普段は人が全く来ない場所でした。

ですが、今は崖の上側がまるで切り取られた様に平らに低くなり、湖の形状もまるで変わってしまっているということです。

その御陰でバーベキューをするにはもってこいの場所になっています。

アド商会の移動符で飛べるポイントの近くは人が多いので、そこから少し離れた場所を確保しました。


今日は、まりあさんが相談したいことがあるということで、ここで食事をしながらお話しようと計画しています。


「おい!!」


はー、なんだか、いきなり失礼な奴が来ました。


「ここは、俺が今日使う予定だ」

「じゃまだから、どこか行け」


「あのー、先に私が来ていましたよね」


「うるせー女だなー」

「おい、説明してやれ」


男のお付きの人でしょうか一歩前に進み出ました。


「この方はヅギ領の領主様の息子様でヅツ様と申します」

「いつもこの場所で魚釣りをしていますので」

「出来れば譲っていただきたいのですが」


「ここ全体を使うのですか」


この場所は、湖面から三メートル位の高さで、少しだけ湖に突き出している。

釣りには丁度良さそうなポイントです。

でも、その後ろは広く平らになっています。

ただ、湖は全く見えなくなってしまうので景色は良くありません。


「じゃあこっからこっちに入って来んな」

「この線より向こうなら」

「特別に使わしてやる」


ヅツの野郎が偉そうです。

でも、私は麻痺していますが、領主の息子というのは偉いのです。

平民なら会うことすら許されないのです。


「わかりました」

「出ないようにします」


ここは国王直轄の場所なので、ご領主様は関係ないはずですが、使用許可もいただいたので準備を始めましょう。

今私は、キキちゃんと二人でこの場所にいます。

ここで最初にやることは、お手伝いさんを呼ぶことです。


「クロちゃん、コウさんの所の小っちゃいメイドさん六人を呼んでください」


「はい」


「それから、護衛の女性陣」

「ひとまずはこんな所でしょうか」


「さて、机を用意しましょう」

「何人集まるかわからないので、準備出来るだけ準備しましょう」

「後は湖に落ちたり迷子になるといけないので結界を張りましょうか」

「結界は、クーちゃんお願いね」


「はい」


「次はテーブルにコンロ」

「そして食材、飲み物」


「さあ、メイドさんやり方を説明するわね」


「はい」


こうして準備をしていると、ヅツさんの護衛の方と使用人さんが、こちらをずーっと見ています。

すこし見過ぎなんですけど。


「やあ」

「もう食べられるかい」


早くもノルちゃんが来ました。

護衛の髭さんとメイドさんも来ました。

ノルちゃんはヤパの国の国王様です。

でも、親友なので私はちゃん付けで呼んでいます。


「出来ますよ」

「コウさんのメイドさんにやり方を聞いて食べていてください」

「飲み物も机に用意してありますので好きに飲んでください」


「なあ、まなちゃん、折角コンロがあるならすき焼きも食いたいな」


「出来ますよ、準備しますね」


「うん、ありがとう」

「ついでに白いご飯も」


「はい、わかりました」


一カ所だけだと不公平になるので、全ての机に用意しました。


「まなちゃーーん」

「遅くなりましたーー」


次に来たのは、サキちゃんです。


「遅くないです二番目です」


サキちゃんとはイナ国の国王様です。

私は、親友なのでちゃん付けで呼んでいます。


「サエちゃん、案内お願いします」


サエちゃんは、サキちゃんの従姉妹で私の護衛を務めて貰っています。


「今日はサキちゃんと一緒にいて上げてください」


「はい、まなちゃん行ってきます」


ノルちゃんを見ていると、すき焼き用の霜降り肉を生卵に付けてバクバク食べています。

バーベキューよりそっちがお気に入りのようです。


次に来たのは、マイちゃんとハイさんです。

マイちゃんとは、この世界の最大国、オリ国の王様の妹です。

ハイさんとは、私が思う世界最高の美女でありながら、めちゃくちゃ強い魔人です。

マイちゃんの護衛をしています。


「まなちゃん、チョコレートを沢山下さい」


「はい、はい」


マイちゃんは私と同い年で、少し心を病んでいたとき、チョコレートをあげて仲良くなりました。

だから、マイちゃんは今でもチョコレート好きです。


「ハルちゃん案内お願いできるかな」


「はい、大丈夫です」


ハルちゃんは、コウさんのお屋敷で働くメイドさんで人買いに売られているところを助けられた女の子です。

先日、家に帰っていましたが、訳あって私の所にいましたが、本人の希望で今はコウさんのところに戻っています。


「まなちゃん、遅くなりました」


「マリアちゃん、まだ皆さんそろっていません」

「マイちゃんの席で食事をして、待っていてください」


マリアちゃんこそが今回の相談の相手です。

この世界最大の面積の国、オリ国の国王様です。

ですがわたしは親友なのでちゃん付けで呼んでいます。

マイさんの姉なので同じ席を案内しました。

マイちゃんの食べているチョコレートを見つけ、目が輝いています。


「やあ、まなちゃん、お酒が飲み放題と聞いてやってきたよ」


「ああ、メイさんいらっしゃい」


メイさんは、この世界で最も有名な集団、伍イ団の団長で見た目は、とっても可愛い少女なのですが、実はすごい長く生きている魔女です。

すごいお酒好きで、ベロンベロンになるまで飲みます。

一緒に、伍イ団のガイさん、レイさんが来ています。

ガイさんは体ががっしりとした大男です。

顔が優しい感じで、性格も優しいです。


レイさんは、伍イ団の人ですが、パレイ商会でもメインで働いています。

とてもきれいな女の人です。

伍イ団にはサイさんがいるのですが、今日は欠席です。

サイさんはイナ国の元国王でサキちゃんのお父さんですが、北の魔女の三大眷属の一人アドちゃんを怒らせて、国外追放の身で、今日は参加出来ないとのことです。


「やあ、まなちゃん」


「ああ、コウさんいらっしゃい」

「メイドさんをお借りしています」


「みんな、楽しみにしていたよ」

「がんばって働いているかな」


この人がコウさん、ミッド商会の会長です。

大きな体に、めちゃめちゃ恐い顔、その顔がキズだらけで、さらに恐い顔になっています。

ですが、優しいので、一人吊り橋効果でもてもてです。

一緒に、ミッド商会の人も一杯来ました。


「席は十分ありますので」

「ラギちゃん案内お願いします」


うーーん、日の光が眩しいので屋根を付けましょうか、ついでに二階を作って、眠れるようにしましょう、どうせなら、お手洗いも水洗で付けちゃいましょう。

こうして、この場所に二階建ての総石造りの観光設備が出来ました。


隣で、ヅツさん達がたき火で釣った魚を焼いていますが、こっちを見て目が点になっています。


そして最後に、ロイさん、ロボダーさん、オデさん、ギホウイさんの、ヤパ国の魔王の森伐採組がやってきました。

ロイさんは、ヤパ国最大の戦力で、魔法使いで勇者の超イケメンです。

ロボダーさんも見た目は良いのですが、中身が最低の私の護衛の男性です。

オデさんは、この中で一番大きな体で、ハイさんに恋する私の護衛です。

ギホウイさんは、世界最強の武将、イホウギさんのお忍び中の仮の姿です。


席が少し空いていますが、開いているところは、ミッド商会の人と、後イ団の人が調整しながら埋めています。

後イ団は、伍イ団の下部組織で、世界一の便利屋集団です。


主要の人が大体そろったので、会議用に一つだけ用意した、大きな机に私は座りました。

まだ、皆が食事中なので、私も何かを食べたくなって、あんかけきしめんを用意した。

あんかけきしめんといっても、私の好きなあんかけきしめんは、父の味。

片栗粉を大量投入して、おつゆがカッチカッチになったきしめんです。

お箸で丼が持ち上がる位カッチカッチのきしめんです。


ノルちゃんがめざとく見つけて寄ってきましたが、お腹が妊婦さんみたいになっていて、私のを一口だけ食べて、席に着きました。

わたしがきしめんを食べ終わると、いよいよ会議の始まりです。

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