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北の魔女  作者: 覧都
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第百三十二話 魔人との対決

森から飛び出した上位魔人達は、まなの武器を構える人間を殺そうと全力で近づく。

森と、まなの武器組の中間に上位魔人が近づいたとき、まなの武器組が動いた。


「いけーーー!!」


ある者は武器を振り攻撃を、ある者は杖から魔法を繰り出した。


カッ!!


「なーーーっ」

「何て人達なのー」

「控えめにしていたくせに、先生もサエちゃんまで」


まなの武器を持つ者達の目標は、一人で敵全部を倒す事だった。

巨大な光が敵魔人を包み込んだ。


……。


その光がようやく消えた。

光が消えるとその後には巨大な穴がぽっかり口を開いていた。


おむすびを食べていた大勢の作業員達の手が止まり、大きく目を見開き驚いている。


「人間にしてはすごいですね」


まなの後ろでおむすびを食べながら、少女姿のクロがちょっぴり驚いていた。


「クロちゃん、帰ったんじゃ……」


「ミドムラサキ様が、いちのみやに行く必要がなくなったので」

「シロ様の城の留守番を変わってもらいました」


全員が安心してまなのそばに集まった。


「皆には呆れました」

「普通は一対一で戦うものでしょ」


まなが苦笑いをしてつぶやいていた。


「いやー、女性陣が心配だったから」

「ついね」


ロボダーさんがすっきりした顔をしています。




「すごいねー」


「舐めていたら怪我をするとこだったわ」


森からこんどは三人の魔人が出て来た。

だが、明らかにさっきの魔人達より纏っている雰囲気が違う。


一人は美しい女性で、残り二人は、整った顔立ちの優しげな男だった。


「まな様、危険な感じがします」


クロが少し緊張している。


「あれは、幹部魔人です」

「幹部魔人の強さは、アオ様位の強さなので」

「魔法の威力は、今の皆さんが使った魔法のおよそ三倍です」

「勝てる見込みがあるのは、武器を持っている方だけです」

「ただそれも当てられればという条件付きです」


クロの言葉に皆が無言になった。


「……」


「ハイ様をお呼びしましょうか?」


クロは心配して、自分の知る限り最強魔人を呼ぶことを提案した。


「クロ殿、わしが行こう」

「もし死んでも、年寄りじゃからな」


ギホウイが戦うと言い出した。


「俺も戦うぜ」

「勇者はいずれ魔王と戦うんだ」

「ここでやられるようなら、そんな勇者は要らねえだろ」


ロイも戦うと言い出した。


「最期の枠かー、女には女ね」

「私が戦います」


レイが名乗り出た。


「わかりました」

「キキちゃんに戦ってもらいます」




「えーーーーっ!!」


全員が驚いた。


「あー違います」

「ロイさんのかわりにです」

「流石にロイさんは、駄目です」

「あの魔人達に不公平が出ますからね」

「じゃあキキちゃんお願いね」


「ガウッ」


「ちょっと待って下さい、私も戦いたいです」


パイさんが、少し震えながら立候補する。


「ぱいさん、無理をしなくてもいいのですけど」


「いいえ、ここなら、負けても助けてもらえそうなので」

「それに、今後このような場面も増えそうですし」

「何事も経験です」


パイがにっこりした、まなから声をかけられ震えも止まっていた。


「では、パイさんにお願いします」

「では、皆さん、一対一で戦って下さいね」


時々見せる北の魔女の表情で戦う三人を見た。

三人は、少し気圧された。


三人の幹部魔人と戦うのは、ギホウイとレイそしてパイに決まった。




ゆっくり三人は近づくと、お互い睨み合い。

戦いが始まった。


ギホウイは棍を構え魔人にじりじり近づいた。


「ぐはーーーっ」


隣ではレイの戦いが終っていた。

レイは、魔法を使わず、握った拳を相手にたたき込み勝利していた。

魔人は、ひざまずき、レイに右手の平を向けまったの姿勢をしている。

負けを認めている証拠だ。


「ま、まいった」

「俺の負けだ」


その横では、パイの戦いも終っていた。

パイは、杖を構えると、得意の不動の魔法で、相手の体を動かせなくする魔法をかけた。

魔法は杖の増幅と、ヤパの加護により、舐めていた魔人の動きを止めた。

幹部魔人はパタリと倒れ身動き一つ出来なかった。

そしてかろうじて動く口で負けを認めたのだ。


そして、ギホウイは、苦戦していた。

距離をとり攻めてこない魔人に、攻撃をあまり当てられないでいた。

距離が開いている為ギホウイの攻撃が当たっても威力は落ち、幹部魔人にダメージを大して与えられていなかった。

魔人は時折隙の少ない魔法を出したが、その魔法は棍に付与された防御魔法で打ち消されていた。

しばらく、様子を見ながら戦っていた魔人だが、ギホウイに声をかけた。


「ふふふ、あんた強いねー」

「俺ではあんたに勝てねーようだ」


そう言うと、森の中へ引き返していった。


それを見るとひざまずいていた魔人も森に帰っていった。


パイの魔法で動けない魔人は魔法でまだ地べたに這いつくばっていた。


「ぱいさん!!」


隣のレイから声をかけられると、パイはピクンと体が動きレイの方を見た。


「解除、解除してあげてー」


レイから言われて、慌てて魔法を使うのを止めた。

魔人はパイの魔法から解放されると、急いで森へ帰って行った。


「あらら、すごいですね」


クロが感心している。

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