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Unexpected

「こ、ここは……あなたは誰?」


 「何を言ってるの?私を殺しに来たのはALICE、あなたの方でしょう」


 「ぇ……それってどういう…」


 私は目の前の男……の子?が急に口調も変わって私の事を全く知らないかのような反応をしたことに苛立ちを覚えた。


 「あなたなら私のことを殺してくれると思ったからここで待っていたのにそんなことを言うの?」


 「え……ボクなら殺せるってどういうこと…?」


 「あなたに言ったところで意味がわからないとは思うけど、私悪意のある相手からの物理的な攻撃が無効化されるんだ。おかしな話でしょう?」


 他のみんなと同じように何を言ってるんだろうという反応をされると思っていたのに、彼は私の想定外の反応を見せてきた。


 「…………もしかして、あなたも強い願い事をしたんですか?」


 「どういうこと?あなたはこの現象を知ってるの?」


 「知っているっていうか…朧気な記憶しか残ってはいないけれど」


 「教えてよ!」


 「かなり、自己解釈が含まれる仮説になりますよ…?」


 「それでもいいから!」


 彼の口から発せられた仮説は荒唐無稽なものだったけれど、今のこの状況を鑑みれば彼の言うとおりだと思えるものだった。


 名称 『世界の悪戯』


 この名称だけは確実なのだとか……


 原因 何かを心の奥底から願う事


 症状 自分が願った事を叶えることを限り無く難しくする能力が付与される。


 「じゃああなたは何を願ってどうなったっていうの?」


 「ボク?ボクは能力の影響で朧気な記憶しか残されてないんだけど、何かで苦しんでいる人達を助けたい!、守りたいって願ったことは覚えてるんだ。その結果がこれなんだと思う。願い以外の記憶と心を奪われた上でココとは違う世界に閉じ込められたんだ。出られるのは満月の日だけ、しかもボクの意識で体を動かすこともできない。あなたもさっき見たと思うんだけどね?そして、ボクはこの世界に出ると苦しんでいる人達を助けるんじゃなくて殺さないといけないっていう呪いがかけられたんだ。中には救われたような顔で逝く人もいるけれど、そんなことがしたかったわけじゃないはずなのに、止めることすらできない自分に対して何も思わなくなってるんだ……」


 「そう…なんだ」


 「あなたは?」


 「私が強く願った事……私は、多分単純な願い。『この世から消えたい』っていうことだと思う」


 「なるほど…願いがシンプルだったから効果も強力なものになったんだね」


 「そういう…ことなのかな?」


 「うん、そうだと思う。それでね」


 「なに?」


 「先に結論をいうと、ボクなら多分あなたの事を殺めることができると思うんだ」


 「そうだよね!…なら!」


 「でもごめん。ボクには殺れない」


 「どうして!?」


 「さっきの人格ならそもそも殺れないし、ボクにはそんなことをするつもりはないんだ」


 「そんな……私はなんのために」


 「代わりといってはなんだけどボクの世界に来ない?」


 「え?」


 「そもそもの話、ここって本来ボクの世界とこの世界を繋ぐゲートみたいなものだから、あなたがここにいることがまずおかしかったんだけどね?」


 「そう…なの?」


 「ここ、月虹山は普通の人は視認できないからね。ここはボクが手にかけた人間の魂しか視られないんだよ」


 「なのに、私は見えるんだ」


 「そう、なんで見えるのかはわからないけど、あなたとボクが力を合わせたらこの現象も解決できるかもしれないし」


 「…………そう、だね。確かにこの現象の正体も気になる所だし。協力してあげる」



 こうして、私はALICEに連れられて彼の住む世界、『Wonder dystopia』へと足を運んだ……


             to be continued

次回 Welcome to Wonder dystopia

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