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俺が最強に決まってるだろ  作者: 覇王之樹
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鳳凰の宿

 「王都抜け出して来たはいいけどこれからどうするよ」

 と、リュエラ。

 「さぁーな。特に宛もないし、王様の言ってた戦争について調査しようぜ」

 と、シロウが返す。

 「でもさァア⤴︎俺たち4人じゃちょっと不安じゃないか?…」

 「ん?ちょっと待て。せんちゃんはどうした?」

 「そういえば塚本がいないな」

 「オレはまだ生きてるぞ」

 「うわっ!亡霊!」

 と、こんな風に話していたわけだが…。

 「とりあえず、今日は宿を探そう」

 「シロウに賛成だ」

 リュエラがそう言った。

 「なぁ、あれなんだ?不自然に立ってるやつ」

 ぶくが指を指すとそこには【宿屋 鳳凰】と書かれた建物があった。

 「とりあえず行ってみるか」

 重い戸を開けると、耳を塞ぐような嫌な音がした。が、その先にはとても綺麗な光景が彼らの目に焼き付けた。

 「ようこそ、鳳凰の宿へ。宿泊希望ですか?ひーふーみー…5名さまですね!」

 サボテンが喋っていた。

 「お前ら!」

 「戦闘準備ィイ⤴︎!!!」

 「どうしたどうした。お客様、ここは宿の中ですよ。うちの喋るサボテンと手合わせしたいなら店の外でやってくださいな」

 「すみません」

 おそらく、この宿の主であろう人が乱入し、彼らの動きを阻止する。

 「謝れれば良し!さぁ、部屋に案内するね」

 「あの、この国で起きている戦争って知ってますか?」

 「ええ、知っているとも!僕の【智恵】さえあれば遠い先にあることだってわかってしまうからね!君たち、長旅で疲れただろう?これからする話は嫌な話だから先に休んでくるといい」

 「心遣い感謝します」

 宿主がそう言うと、シロウが頭を下げてサボテンが部屋に案内した。

 「ここが皆さんの部屋になります!質問等あればなんなりとお申し付けください!」

 「では、質問いいかな?」

 と、流暢に話すリュウブン。

 「なんでしょう?」

 「ここさアァ⤴︎見た目古く見えるけど中は新しいよね。この部屋とか、棚や机、障子に汚れひとつない。それにここは日本に近い気候で夜は亜熱帯になると予想する。それなのにサボテンがこんなにあるのは不自然だよ。そこにいるんだよね?覇王くん」

 リュウブンの流暢な話に驚く4人。

 「いやぁ、すごい名推理だ。申し遅れたね。僕はこの鳳凰の宿を経営しているスザクというものだ。ここはね、昔宿をやっていた人が亡くなっちゃったから僕が修理して引き取ったのさ。だから、君たちの思ってるような人じゃないんだよね、ごめんよ」

 「あれッエェ⤴︎違ったアァア⤴︎」

 「もう何やってんだよ!リュウブン!今日は遅いしもう寝るぞ」

 



 「サボテンくん、彼らは寝ているかい?」

 屋根の上で一人寂しく何かに語りかける。宿といえど、縦に伸びるマンションのようなタイプではなく、横に広がる迷宮のような場所であるため、屋根といってもそこまで高さは無い。

 『ああ、よく寝ているようだ。私の特製睡眠薬が火を吹いたようだな』

 「助かるよ。僕は彼らを保護してこの世界の命運を握る大事な存在だからね。あんなやつらに彼らを殺させはしない」

 スザクは、屋根の下を見下ろすとそこには1匹の黒い羽を生やした人型の何かがいた。

 「これが悪魔族ってやつかー。いやぁ、お目にかかれて嬉しいね!君、名前は?」

 『我が名はラー。太陽である』

 ラーは、名乗ると同時に太陽の光で形成した槍を投げつける。

 スザクはそれを躱すと、ラーの後ろに移動し首を締める。

 「瞬間移動か!」

 「残念!ただ早いだけでした!」

 スザクはラーを空へ投げ飛ばすと、自分も上に飛び肘で顔面部に強打する。そして遥か彼方へ飛んでいくラーを追い、かかと落としをする。ゴキっ!と骨が折れた音が鳴り、ラーは下へと落ちていく。

 「頼んだぞ」

 『刺地獄』

 地面に黒く鋭い刺が出現し、勢いよく下に落ちるラーに深々と突き刺さる。

 「ぐぼえっ!」

 「さて、吐いてもらおうか。君は何しにここへ来た?」

 「我が鍵を取り返しに来た」

 「いやいや、太陽の鍵持ってるやつなんていないって」

 「そうである。我が鍵の名はアスモデウス。色欲たる罪の化身となりて」

 ラー(?)から大量の闇の気が溢れ出す。

 「脱落かな…」

 ☆


 「ユーノ!大丈夫か!」

 「あぐっ…うぐぐぐ…我の名は罪を…」

 「これはアァ⤴︎ヤバイぞォオ⤴︎」

 ユーノは今、生死を彷徨った危険な状態であった。国王の奥義により、腹を貫かれ(その状態で生きているのは流石にしぶとすぎると思うが)何も治療しないままここに来たのである。

 生きているが動けない、この状況が悪魔であるアスモデウスとしては好機だった。仮初の肉体をラー【太陽の化身】と名乗り、時が来るまで時間を過ごせば後は体を乗っ取るだけ……そういう状態だったのである。


 「クソっ!おい、お客さんら!早く逃げろ!じゃないとあの悪魔が甦るぞ!」

 「で、でも!このままじゃユーノが死んでしまう!」

 塚本が言った。しかし、

 「じゃあお前はこうしてやる!」

 覇王が指をパチン、と鳴らした。すると、彼はみるみるうちに小さくなり、羽が生えた。

 「お前は今から妖精族だ。人間族ではない、そんなやつはほっとけ」

 「塚本?!」

 リュウブンが発狂する。(驚いているだけだが)

 「さて、逃げる気がないってことは戦う準備は出来てるんだよな、シロウ」

 「ああ、覇王!」

 

☆今あいつを倒したら、、、もう彼女は帰ってこないんだから!負けないでシロウくん達!次回、ユーノ死す


 

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