上にあるもの
「お前なんかに負けてたまるか」
『ほう、この我の【言霊】を防ぐと来たか。良いぞ。下がれ』
「うわぁ!」
ルシファーが言ったことは全て叶う。
「おい雑魚!俺を倒すだって?もう一度言ってみろよ?殺すぞ?」
ロンが鍵をしまうと、ルシファーの威圧がとける。
「ふっ、今のはわざとだよ。バーカ!」
リュエラがそう言うと、ロンが剣を投げる。それをギリギリ首を横にずらして避けるとロンの拳が腹を射抜く。が、それを右手で受け止め足をかけて転ばす。ロンが立ち上がるよりも先に右手を折り、持っていた剣で右腕の肩の付け根に刺した。
「ぐっ…いてぇ!いてぇよ!おい雑魚ども!どうにかしやがれ!じゃないと殺すぞ!」
「ちょっと攻撃受けただけでこれかよ。雑魚はお前だろ」
リュエラは刺した剣を遠くに投げ飛ばすと、今度は折った右腕を掴み持ち上げる。だらんと垂れ下がり気力をなくしたロンにリュエラの連続する拳が火を吹いた。
「【体術の極意】によって洗練された俺の拳はそんなもんじゃないよ。まだまだ行くから!」
片手だけのパンチがこうも連続すると火花が出るのだろうか?まさしくそれはほのおのパンチそのものだ。
「かはっ…ごめん、俺が悪かったから」
「これで終わりだ!【火炎拳】」
赤く燃える腕は、ロンの顔面をロックオンすると、目にも止まらぬ速さで撃ち抜いた。
鼻骨の砕ける音と共に、ロンは気を失った。
「さて、そこの兵士達!こいつみたいになりたくなければ道を開けろ」
そう言うと、薄桃色の光が兵士達を魅了する。
「リュエラァア⤴︎こいつらは俺ッガァ⤴︎魅了したからアァ⤴︎もう大丈夫だ!」
「シロウ!リュウブン…!それと、誰だその死んでるやつは」
「うるせぇ!オレは…がはっ、死んで…ねぇ!」
風穴を開けられたにも関わらず、生きているとは大した生命力である。これもまた異世界へ来た恩恵なのだろうか?
「とにかく、行くぞ!ここは危険だ」
「行くってェエ⤴︎どこに行くんだァア⤴︎」
「知らねぇけど、この国を出てから考えるぞ!」
「おいお前さんたちや。俺も連れて行ってくれよ」
ここの騒動を起こした張本人のお出ましだ。怠惰の罪、ヴェルフェゴールに意識を操られ転移者のレベル上限を封印した挙げ句、王国転覆の罪まで着せられようとしているぶくが来たのである。
「お前はどっちなんだ?」
と、リュエラ。
「俺はぶくだ。片坂優輝とはこの俺のことよ!索敵ヒーラーとしていざここに参上!ま、ステータスはオール5だけどな。成績だったらトップクラスなのにここじゃ一般人にも劣る雑魚になっちまったけどな」
「このおかしさは本物だ。連れて行こう」
「シロウがそう言うならわかった」
☆シロウ、ぶく、ユーノ(瀕死)、リュウブン、リュエラは王都を後にした☆
「覚えとけよ、雑魚ども。俺は最強だ。最強になって最強になってやる!」
覇王side
「そろそろ上で起きたみたいだな」
『そのようだ。この状況、かなりの好機だと見えるが逃亡するなら…』
「その心配はいらないようだ」
覇王は黒く蠢く影のような存在と何かを話していた。すると、見回りに来た兵士にバレてしまった。
「おい!そこで何をしている!」
「いやいや、すみませんねぇ。上で何か起きているようですし行ってあげてはどうですか?」
「あ、ああ。お前は逃げるなよ」
覇王が機転を利かし兵士を上へ送る。
「さてと、長居は無用だな。ここを出るぞ。サボテンくんよ」
『なんだその可愛らしい名は。我にはキャクタスという立派な名があるんじゃ』
「それをうちの故郷ではサボテンって言うんだよ」
覇王・キャクタス 19歳 レベル∞
攻 ∞
守 ∞
俊 ∞
魔力 ∞
筋力 ∞
幸運 ∞
〜称号〜
【覇王之樹】【無限の極生】『七美徳【智恵】【忍耐】【節制】【正義】【信仰】【希望】【博愛】』
【人間族の証】【繋ぎとめる糸】
※覇王之樹…サボテンと意思疎通が出来る
無限の極生…ステータス、レベルが全て∞になる
七美徳…大罪とは反対の領域に関連する
智恵…全ての事象を知ることが出来る
忍耐…どのような攻撃にも一度だけ耐え切る(1日一回。リセットは8時間以上の睡眠)
節制…欲望に溺れることがなくなる
正義…称号を持つ者の発言は絶対に正義へと繋がる
信仰…称号を持つ者は神と同等の権利を得る
希望…称号が存在する限り、そこに僅かな希望が存在する
博愛…全てのものを愛し平等をもたらす
人間族の証…選ばれし人間にのみ送られる称号
繋ぎとめる糸…関連する領域に手を伸ばすことが出来る
ちょいと短め