通学路と秘密
如月に声をかけられて冷や汗が止まらない。
「ごめん、本当にごめん」
と必死に謝る。
「もう、初日から約束破るなんてね〜」
と少しおどけた調子で俺に怒る。
「約束破るつもりは無かったんだけど寝坊しちゃって」
と言い訳を言う。
「晴人君の事待ってたらもう遅刻確定の時間になっちゃったんだけど」
と言われ
「俺に出来ることならなんでもする。本当にごめん」
と言うと、うーんと何かを考え始めた。
そのすぐ後何かとっておきを閃いたと言わんばかりに手をポンと叩き俺に向かって提案してくる。
「じゃあさどうせ今から学校行ったところで遅刻には変わりないしどっか寄り道しない?」
と言ってくる。
「俺は勿論いいけどこんな事でいいのか?してやれる事ならなんでもしてやるぞ。」
と確認するが、如月は言う。
「こんな事がいいの!」
そう言って笑う如月に目を奪われていると、
「早く行こう!時間は有限だよ。」
と急かされた。
「そうだな、何処に寄り道するんだ?」
と聞くと、如月は、
「寄り道っていったらゲームセンターでしょ。」
と常識の様にいってくるが、そんな相場があるなんて初めて聞いたんだが。
そして何より、
「この時間に制服でゲームセンターにいったらワンチャン学校に連絡行く可能性あるぞ。只でさえ学校が徒歩圏内なんだから。」
と至極真っ当な意見を言う。
「うっ、そこまで考えてなかった…」
とショックを受けた顔をしていた。
なので、今度はこっちから提案する。
「」
「公園何かはどうだ?遊具とかで遊べるし…」
と提案すると、如月は、え…天才⁉︎と言わんばかりの顔をしていた。
そして俺たちは公園に向かうのだった。
「そういえば、如月って、何か話してるとギャルって感じしないよな」
と喋る様になってから思っていた事を言うと、如月は、
「やっぱりか〜」
と困った顔で言う。
「私が今から言うことは秘密にしてくれる?」
と不安げに聞いてくるので、
「勿論。俺も如月さんのこともっと知りたいし。」
と返事をすると、如月さんが話し始める。
「私実は、昔は優等生だったんだけど皆んなのあの子は真面目ってレッテルが嫌になっちゃって、一度きりの高校生活だし、その殻を脱いで自由な高校生活を送ってみたかったんだよね。」
「まあ結局、変わったのは形だけで喋り方とかは中学のままだから、話し方とかも変えたいんだけどね。」
と秘密を語ってくれる。
「見た目とか喋り方とか変えなくても、とっても魅力的だし、そんな無理して帰る必要も無いと俺は思うけどな〜」
と如月さんに向かってそう笑いかける。
すると
「え、」
と言ったきりそっぽを向く。
「ちょっとの間こっち見ないで!」
そう言った如月の顔は見る事が出来なかった。
そんな秘密を教えてもらっているうちに、気付けば学校付近にある余り知られてない凄く小さな公園に着く。
噂ではカップル達の間では割と人気スポットらしい。
理由はベンチがあり人通りも少ない為落ち着いて話したい時とかに使われるらしいが、真偽の程は分からない。
公園のベンチに腰をかけると
「授業サボって寄り道か〜中学生の頃の夢1つかなったな〜」
と如月が笑いかけてくる。
「他にも中学生の頃の夢あるんだったらまた今度叶えんの手伝おうか?」
と尋ねると
「え⁉︎いいの?」
と言ってくるので
「勿論。俺も如月さんの事好きだから。」
と言うと、如月さんがフリーズしたかのように動きを止める。
「折角出来た最高の友達に協力は惜しまないよ!」
と笑顔で語りかけると、如月は何処かがっかりした様な嬉しい様な複雑な顔をしていた。
「春人君って、想像以上に天然なんだね…」
と疲れた様な顔をしながら言った。
公園の遊具のブランコやシーソーで遊び1時間近く遊んだ後公園を出る。
「そういえば春人って、私の事如月さんって呼んでるけど、私は春人って呼んでるんだから春人も私の事いつかって呼んでよ。」
と学校に向かう途中に唐突にそんな事を呼ばれる。
「え、でも名前呼びは流石に抵抗が…」
と一応抵抗を試みるが、
「借り、あるよね?」
とニッコリと言われてしまったらもう何の抵抗も出来ない。
「学校では苗字呼びとかは無しだからね。」
と先手で釘を刺してきた。
そうして俺たちは学校に着く
「時間ズラしてバラバラに教室に入ろう」
と提案するが、
「これから1週間は一緒に登校するんだから、一緒に学校来てる事が少し早まるだけなんだけだよ。だから諦めて一緒に入ろうよ。」
と言われ諦めるしかなかった。
同時に教室に入ると教室がざわつく。
俺はこれからの高校生活考えて少し億劫になった。
そういえば喋る時は如月さんそれ以外は如月にしているのですが、統一した方がいいでしょうか?
今のところは毎日投稿出来ていますが、そろそろ忙しい時期になってくるので、毎日投稿が少し難しくなるかもしれません。
でもやれるだけ頑張ろうと思いますので、応援おねがいします。
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