地味男と私
今回は如月 いつか視点で書いてみました。
私の名前は如月 いつか
中学でもみんなと仲良く話したりしていたが、折角高校生になるのだからと気持ちを新たにし髪を染めスカートを短くしメイクを軽くするようにした。
言ってしまえばギャル風の格好にしたのだ。
いわゆる高校デビューと言うやつである。
それのおかげか中学時代には1度足りともされ無かったら告白を高校に入ってから1ヶ月足らずでもう既に10数回された。
告白は当然のように全て断った。
結局は見た目で中身何て関係なく他の女子が商品の良し悪しよりもブランドであるかどうかであるかを判断するように男子も見た目さえ良ければオールオッケーという事だと気付いてしまったからだ。
まあ、容姿が良いと言われて悪い気がするかと言われたら別にしないが、だから、といって付き合おうと思える程私は、軽い女では無いつもりだ。
しかし、モテる事だって良いことばかりでは無い。
私が言うと、嫌味ったらしく聞こえるかもしれないが本当だ。
一部の女子のやっかみが、物凄く激しく気付けば全然見に覚えのない噂や陰口などを言われるようになっていた。
勿論全員ではなく普通にクラス内に仲良くしている女子達も大勢いる。
むしろ、こちらに攻撃的な女子の方が少ないのだ。
だが、目をつけられた女子達が、私のようなギャル風ではなく、他のクラスの本物にギャルで、学年で幅を利かしていたのだ。
本格的にヤバイと思ったのは、放課後帰ろうと廊下に出たら知らない女子に小声で調子乗んなと呟かれた辺りだろう。
この自体を受け軽く女性不信になった私は、なるべく男子と話すようにしたが、それが火に油。
遂に他の女子から呼び出しを食らったのだ。
実際行かないという選択肢もあったが、行かないという選択肢が取れるくらい勇気があるならば、もっと早い段階で誰かに相談でも出来ただろう。
そんなこんなで指定された場所に行こうとしたのだが道が複雑な場所で人通りもあまり多く無くなってきた時点できな臭さを感じ流石に引き返そうとした時だった。
「そこのお嬢さん何引き返そうとしてんの?」
とニタニタとした気持ち悪い笑みを浮かべる男とその取り巻きであると思われる男4人である。
全員チンピラのモブの様な奴らであるが女子高生にとっては絶望のような戦力差である。
「それにしても怖いね女の嫉妬って、まあそれのおかげでこんな可愛い子と遊べるんだから願ったり叶ったりだけどね」
と下衆な笑顔を浮かべてくる。
この時必死に周りの人達に助けを求めようと思ったが、怖さのあまり声が出ていない事に気付く。
声にならない声を必死に絞り出そうと腹に力を込めようとした瞬間。
手が伸びてきて私の腕を掴んだと思ったのも束の間凄い力で引っ張られる。
思わず「きゃっ」と言う悲鳴が出てしまうが、これくらいは許してほしい。
そしてふと手の先を見ると、私が通っている学校のクラスメートの男子だった。
名前は覚えてないしそもそも居たなーくらいの薄い印象しかなく覚えとけばよかったと、場違いな事を考えていた。
男達も呆気にとられていて私達を、追いかけ始める時にはかなりの差が、もう既に出来ていた。
その男子はここら辺の立地を多分よく知っているのだろう。だってさっきスマホの地図を見た時にはここら辺の道には凄く行き止まりが多く実際に行き止まりを引かない事自体がここら辺を知っている事にままならないのだ。
さっき追いかけてきた男達もきっと通路で迷っているのだろう後ろを追いかけてくる影は消えていた。
すると、次に来るのは安堵感と助けてくれた男子に対する興味だ。
「あ、ありがとう」
と緊張しながらも声をかけると、ああそういえばといった感じでこちらを見てくる。
「お、同じクラスの子だよね?」
とちょっと不安になりながら尋ねると
「よく覚えてたね。自分で言うのも何だけど相当影薄い自信あるんだけど」
と言ってきたが実際に名前どころか苗字も少しも出てこないので何か気まずく感じてしまう。そのため
「確かにでも今日ではっきりと顔覚えたわ」
と謎のフォローになってしまった。
そして、改めて助けてくれた男子の顔を見る。前髪が長く顔が隠れているがとても整った顔をしており前髪さえ切れば普通にアイドルですと言われたらでしょうね。と返してしましそうになるくらいカッコよく。
何で今まで気付かなかったんだと少し思うが、その理由は明白だ。
彼が多分普段は必死に隠しているのだろうとわかる。
理由は多分私みたいな面倒ごとを避けるためだろうと勝手に推測する。
すると急に、
「まあ、それはどうでもいいんだけどさ聞きたいことがあるんだよね」
と尋ねてきた。
ここに何故いるのかとか聞かれそうな事を考え出したらきりが無い。
まあ実際に聞かれたら答えるが、聞いてくる顔が真剣すぎて少しどきりとしてしまう。
「あのさ、」
何故だか妙に緊張してきた。
「帰り道わかる?」
数秒のフリーズの後にじわじわと笑みがこぼれてき。
更にその数秒後には腹を抱えて笑っていた。
まず自分のこの男子が立地に詳しいみたいな推理が有り得ないくらい的外れすぎて。
更に真っ先に気になったのが私が何で襲われてたとかの前に帰り道だったことに笑ってしまった。
「もっと色々聞かれると思った。何で絡まれてたのかとか何で1人であんな所に居たのかとか」
と笑いながら言った。すると
「理由知りたいけど何より走り疲れたから早く帰って風呂に入りたいから」
と少しふざけた調子で言ってきたが、そんなことよりその男子の笑顔にまるで磁石のように視線を吸い寄せられた。
それは今まで見てきた中で最もステキな男子の笑顔だった。
身体中が熱くなり、ああこれが一目惚れかと思った。
これが私と朱雀 春人の最初の出会いであった。
描いてみてセリフなどを合わせたりしなくちゃいけなくて一から書くのとは全く別の難しさでした。作者は両視点からの作品などが好きなので何でみんな書かないんだろうと思っていましたが、なんか謎が解けた気がします。これからも気が向いたら主人公以外の視点を書きます。親友の皐月 弘人の視点も書こうと思っていたのですが当分先になりそうです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございます。ポイントつけてくだささると今後のモチベーションにも関わってきますのでどうかお願いします。また改善点などございましたら感想の方お願いします。




