笑えない理由と少女
初めての作品で右も左もわからないのでどしどし感想を送ってくださると助かります。
「笑わない方がいいよ」
俺 朱雀 春人は昔から口々に男子や女子たちに言われてきた。
理由は聞いたことが無いがどうせ笑った顔が気持ち悪いとか不気味だとかそんな所だろう。
家族は笑ってる顔がすっごくカッコいい!と口々に言うが身内から見た評価なんて全然あてにならない。
だってうちの家族は凄い優しいから。
更に、俺は昔っから笑い上戸ですぐ笑ってしまう。
だから、なるべく他の人たちと話さないよう話さないよう過ごしてきたし髪を伸ばし顔を隠すようにした。
そんなこんなで学校では空気の様な扱いをされている。
高校ではしつこく俺を笑わせようとしてくる奴らも全員離れたし静かな高校生活が送れて正直気分は超ハッピーだった。
そうあの女子と出会うまでは。
その女子と出会ったのは、高校に入って1カ月近くたった5月の事だった。
高校の中ではもう既にグループが出来上がっており、いわゆる陽キャと呼ばれる様な奴らが集まってワイワイ騒いでるグループやらオタクの集まりみたいなグループなどが存在していたが、その中でも一際目立っていたのは学年の中でもトップ3に入る可愛さを持つと言われているギャルの如月 いつかである。
存在感のある金髪に目は大きくどちらかといえば可愛い系であるにもかかわらず綺麗なスタイルとスカートから伸びたスラリと伸びた脚が幼さを感じさせないそして短いスカートと緩めてあるシャツの胸元がなんとも目に毒である。
また、ムードメーカーであり常にクラスの中心にいる。
そして何より笑顔が素敵なのである。
彼女の笑顔に心を射抜かれた男性は数知れず、実際に高校に入ってからもう何10人もの男性達から告白をされていると言う噂である。
しかし、もう一方で悪い噂もあると言われているが関わることもなさそうだし興味はなかった。
そして、そんなクラスの中何処のグループにも属さず1人で悠々時的にぼっちライフを満喫しているのが俺ってわけだ。
その事件当日俺は外に行き数少ない中学の友達の皐月 弘人と一緒に放課後にカラオケに連れていかれていた。何やらよく行っているカラオケらしいがこんなところ始めてきたし、地図を見なきゃこんなところに来れる自信がない。
弘人は幼馴染というやつで、めっちゃカッコいいし運動も出来て面倒見も良くてよくモテる。
小さい頃からの親友で唯一気兼ねなく話せる奴だ。
「おい春人高校では友達出来たかよ。」
弘人が高校での事を聞いてくる。
「できねー理由知ってる癖に」
俺悪態をつく。
「俺みたいな例外が出来てないか聴いただけじゃんか」
少しからかう様に弘人が笑った。
「誰かこいつのコンプレックスを解決してくれる様なやつ現れねーかな」
「それは俺が願うやつだろ」
そう言って笑った。
「笑ってる顔めっちゃカッコいいのに勿体ねーよな」
そう言って弘人が笑うがこいつは昔っから俺のコンプレックを治そうとお世辞を言ってくるのだ。
「本当にそうだったら困ってねーよ」
と軽口を叩きあった。
カラオケの時間が終わりさあ帰ろう思った瞬間に弘人の電話が鳴る。
「ちょっと電話出るはごめん」
そういうと少し場を離れて行ってしまう。
「この辺り全然場所分かんないし弘人の電話が終わるの待つか」
と呟いた。
その時だった、視界の端に如月 いつかが何人もの男達に絡まれているのを捉えたのは。
正直な所状況も分からないし迷惑なお節介になってしまう可能性もあるし、今後の高校生生活に支障をきたしてしまう可能性も考えられたが、彼女の今にも泣き出しそうな顔だけで俺を突き動かすには充分だった。
走り出し男達の中を無理矢理割って入り彼女の手を掴む。
そして、そのまま全速前進で走る。
逃げるぞとかカッコいい事が言えればよかったが1人相手ならまだしも5人相手に捕まったら即ゲームオーバーだ。
5人相手に勝てる奴なんて小説の主人公か何かしらの武術を極めた奴ぐらいにしか許されない芸当なのだから。
彼女の「きゃっ」という悲鳴が聞こえたが、気に留めている余裕もない。
突然の出来事に反応が遅れた男達もワンテンポ遅れてこちらを追い始めた。
近くにあった薄汚れた路地裏に入り複雑な迷路の様な道をぐにゃぐにゃ曲がりまくった。
すると気付けば後ろから男達の声は消えていた。
すると突然後ろから
「あ、ありがとう助けてくれて」
と声が聞こえた。
走るのに必死になり過ぎて彼女を助ける為に走っていた事を軽く忘れていた。
「お、同じクラスの子だよね」
如月が恐る恐るといった様子で尋ねてきた。
「よく憶えてたね自分で言うのもなんだけど相当影薄い自信あるんだけど」
と自虐する様に言った。
「確かにでも今日ではっきりと顔覚えたわ」
と咄嗟にフォローを入れてくれたが、それは、フォローとして成り立っているのか疑問である。
「まあ、それはどうでもいいんだけどさ聞きたいことがあるんだよね」
と真剣な顔で言った。如月も真剣な顔になり唾を飲み込む音さえ聞こえそうだった。
「あのさ、」
「帰り道分かる?」
そういうと、彼女は笑い出した。
そして徐々にその笑い声は大きくなっていった。
「もっと色々聞かれると思った。何で絡まれてたのかとか何で1人であんな所に居たのかとか」
と大笑いしながら言った。
「理由知りたいけど、何より走り疲れたから早く帰って風呂に入りたいから」と釣られて笑いながら言った。
その瞬間如月が目を見開いて息を飲んだのが見えた。
そこで慌てて失敗を悔やむ。
「ごめん。気持ち悪かったでしょ。この笑顔コンプレックスなんだよね。」
とすかさず謝る。
すると、如月がえ、何行ってんのみたいな顔をしていた。
そして、一拍置いてから言った。
「何でそんなに自分を卑下してる変わらないけど、
私は笑ってる君の方が好きだよ。」
その時の顔は一生忘れられない程のとびっきりの笑顔だった。
物語を書くことがこんなに大変だとは思わず1話が長い人って凄いなと思いました。これからは少しずつ分量も増やしていきつついきたいなーと思う今日この頃。ちょこちょこ修正していきます。
ps.句読点とか何処につけたらいいか全然分からん