第19話
そこには右手をかざしたセレナ教授が冷たい表情をして立っていた。いつの間にか学校に来ていたらしい。旧知の方々に挨拶をすると言っていたし、先に来ていたのかもしれない。ともあれ、大事にならなくて良かった。
「貴様!この私がマルス・ヴァレンティノと知っての行いか!」
「あぁ、知っている。サクリの息子だろう?あいつは真面目で才のある人間だったが、あいつからこんなどうしようもない子どもが生まれるものなのかと驚いていたところだよ」
「何!?」
マルスは無数の"ロックアロー"に囲まれながら文句を垂れているが、いい度胸をしているな。俺なんて小便を漏らすところだったというのに。
「これは何事だ!」
騒ぎを聞き付けた教師がやってきたらしい。今さら感がすごい。セレナ教授がいなかったらヤバかったぞ・・・。
「セ、セ、セレナ教授!?これはどういう・・・?」
「いやなに、この子がそこの女の子に魔術を打ち込もうとしていたのでね。少々痛い目を見せてやろうかと思ってな」
「なんとそれは、お手を煩わせて申し訳ありません!こちらでしっかりと指導しておきますので!おい!マルス・ヴァレンティノ!こっちにこい!!」
「何をする!まだ話は終わっていない!おいセレナとやら・・・!」
そう言ったマルスは次の瞬間壁に叩きつけられていた。セレナ教授がやったのかと思ったが、どうやら教師がやったらしい。
「セレナ教授を呼び捨てとは何様のつもりだ!!貴様は俺が厳しく指導してやる!」
そのまま教師はマルスの腕を掴んで学校の門をくぐって行ってしまった。
「セレナ教授、助かりました。助けようとはしたんですが間に合うかギリギリで・・・」
「やあ、レント君。次からはああいうバカを見つけたらすぐに対処できるよう常に準備しておくことだな」
いきなり学校の前で魔術をぶっぱなそうとするとは思わなかった。確かに冒険者は血の気が多い奴が多いし、次からは気を付けるようにしておこう。
「それで、受付は終わったのかね?」
「はい、終わっています」
「じゃあ一緒に入ろうか。入学式まで少し時間もあるし、軽く案内してあげよう」
その後、セレナ教授にさらっと冒険者学校内の施設を案内してもらったが、10分の1も見回ってないような気がする。本当に広いなここ。
なんだかんだとうろうろしている間に時間は過ぎ、入学式が始まり、特に何事もなく終了する。入学式が終わったのでセレナ教授と別れ、早速クラス毎に別れて集まり始めていた。
AからEまでのクラスがあり、俺はBクラスらしい。一年では特に階級分けということもなく単に人数ごとに分けられているみたいだが、セレナ教授から聞いた話だと二年からは実力に応じてクラス分けされるのだとか。
Bクラスの俺達は、とりあえず先導している教師に連れられてドでかい校舎に入って教室へ向かった。




