ここどこ?
続きはナオキです……
俺を先頭に三人はラーメン屋に向かった。
「カンナマホ……」
しかし一時間も探しているが、俺が腹、俺らがいちょ…わたくし…俺が…
俺の胃袋は空っぽだった。頭の中は更に空っぽになった気がする。
「キタシモザワ区甲徒11-14-514・・・・・・ここであってるはずなんだけどな」
「コッチャマ・・・・・・」
疲れからか三浦先輩は、口癖であるペンギンキャラクターの名前を口にしている。
「・・・・・・」
木村に至っては口を開くのさえ辛そうに見える。
「クゥーーーン・・・・・・」
俺も同じで今度は犬みたいな声が漏れる。部活で疲れてるから、まぁ多少はね?
「すいません。二人とも疲れて、空腹なのに見つけられず」
「いえ気にしてませんよ。野獣先輩。夜も遅いし、引き返してコンビニで適当に済せましょうよ」
「そうだよ(便乗)野獣気にすることないぞ。また今度三人でいこうゾ」
「あ、ありがとナス!本当申し訳ナイス!」
やはり二人は人間の鑑。人間のクズである俺の蛮行を、快く許してくれる姿は聖人かなにか?
そんな二人の優しさを噛みしめながら、俺らは自転車を止めてある母校である甲徒大学まで引き返そうとしたその時――
「ファ!?」
突然俺の胸当たりに、白いものが纏わりついていた。
「落ち着け野獣。多分これは霧だゾ」
「なんでこんなとこに霧がでるんですか?」
俺も木村と同じ疑問が頭をよぎっていた。夜中とは言え真夏の夜に霧?
「それには俺にもわからんゾ・・・・・・」
胸だけでなく当たり全体が白い霧に包まれる。まるで雲の中。いやまるで夢の中に迷い込んだみたいだ。
「先輩方大丈夫ですか?」
「俺は平気ゾ」
「みんながどこにいるか、これもうわかんねえな」
ホワイトアウト現象とはこういうことをいうのか。俺は体験したことがないのでわからないが、今がそうなのだろうか。
「おい! 見ろよ! 見ろよ!」
そんな時だった。上下左右どこからか分からないが、三浦先輩が声を荒げどこかを見るように指示する。そのどこかを探すため俺はキョロキョロ辺りを見渡した。
「あれは!」
どうやら木村も見たらしい。
「なんだよ。俺にもちゃんとみせてくれよな~頼むよ~」
俺は仲間はずれがいやなので懸命に目を凝らす。目を凝らすと、よく見える見える。
どうやら白い霧が晴れてきたらしい。写真の解像度がよくなるように景色は鮮明になっていく。
「・・・・・・なんだこれは・・・・・・たまげたなぁ・・・・・・」
無意識に俺はじいちゃんの口癖を言ってしまった。だがこの景色をみた人は十人中十人がたまげるだろう。
「木村もこっちきて見ようゾ。スゲェゾ」
「や、やめてくれよ・・・・・・」
前言撤回。現実逃避一名と高揚感を覚えるものが一名だった。
俺達三人の周りは木々に囲まれ、遥か遠くには見たこともない大きな塔がそびえ立っていた。
ここはただの森?なのか?
俺以外の二人の気持ちは分からないが、ともかくここは日本ではないらしいことは、多分三人とも同じ意見なのは間違いないだろう。