生徒会役員の紹介(前編)
聖夜の誕生会から一夜が明け、生徒会役員である聖夜と美和子は昨日の入学式の片付けのため、朝早くから学校に駆り出されていた。
「ったく何で俺がこんなに早く起きなければいけないんだ。」
聖夜はいつも通り、気だるそうに働いている。この学校はこんなのが会長で大丈夫だろうか?
「この学校はこんなのが会長で大丈夫なのかしら。」
どうやら美和子も同じ意見のようだ。
「まぁまぁ、聖夜君も美和ちゃんも相変わらず仲がいいの〜」
のほほーんっと喋るのは、この学園の学習委員長である水鳥明奈である。大人のお姉さんを連想させる立ち居振る舞いだ。
「ったくだぜ。嫉妬しちまうくらいイチャイチャしやがってよ。」
あからさまに嫌な顔をして呟いたのは体育委員長の佐藤勇気だ。いかついその顔はとても高校生とは思えない。
「そうゆうことを言うからあなたはモテないの。モテる人は決まって、金と地位と権力を持ってるものなの。例えば鞘嶺とか鞘嶺とか鞘嶺みたいな人なの。」
白羽の矢がたっていた聖夜を庇い、勇気をディスったのは風紀委員長の空乃葵。身長は聖優と同じくらいか、もしかしたらそれより低いかだ。
「出た、空乃先輩の毒舌ディスり!同じ低身長でも聖優ちゃんとは優しさが違うっすね。でもそこもまた萌えるっす。僕も罵ってくださいっす!」
と言ったのはご存知幸雄である。本人の名誉のため言っておくが、彼はロリコンでもなければマゾヒスティックでもない。…はずだ。
「皆さん、バカなこと言ってないで、作業を再開して下さい。もう予鈴がなりますよ。」
注意を施し、皆を急かしたのはマリア=シャル・ミーナである。彼女の金髪が象徴しているように、両親にアメリカ人を持つ。別にハーフというわけではないのだが、とても流暢な日本語を喋る。得意な教科は国語と英語だ。役職は書記で、幸雄と同じ2年生である。
「マリーちゃんは真面目ねぇ〜。そのまま真っ直ぐ育ってね〜。」
明奈はマリアにそう言うとそそくさと作業を再開した。それにならい全員がなぜかマリアに一言褒め言葉をかけて、片付けを始める。
「なぁ、マリーちゃん、今日の放課後2人でデート行かないっすか?」
と言う幸雄に向かって無表情を貫いていたマリアは怒りに顔を染め、無言で
「かはぁっ!」
幸雄に溝落ちを食らわした。
それからしばらくしてから予鈴がなり、その頃には片付けは終わっていた。それから役員で1、2言連絡を取り合い、解散となった。
今回は役員の紹介でした。まだあと半分ほどいるので、それは後輩に紹介したいと思います。




