18歳の誕生日(鞘嶺聖夜)
前回の更新からかなり開きましたが、是非見ていってください-w
「はぁ〜。反省文2万字って何の拷問だよ。」
反省文を書き終えた聖夜はトボトボと帰りながら呟いた。原稿用紙50枚を3時間程度で書き上げる聖夜は大概だと思うが…。
「あの人でなし達(聖優を除く)も、少しは手伝ってくれればいいのになぁ。」
どうやら自分の誕生日のことは考えていないようだ。それよりも、
「今日も今日とて聖優は可愛かったなぁ〜。」
と、こんなことを言っている始末である。
「ヨッシャー、今日は聖優の入学祝いでしっかり愛でてやるぞ!」
家に着いた聖夜は決意を新たに入っていくのであった。
☆
「そろそろ帰ってくるわね。3時間もあれば余裕で終わらしてくるでしょうから電気を消してちょうだい。」
家の中ではサプライズの準備が終わったところだった。
「りっ!美和子お姉ちゃん。電気を消します!」
と言いながら電気を消す聖優。その一言に
「「りっ!」ってんだい?」
と、幸雄が尋ねる。
「了解の略だよ。中学校で皆が使ってたから私も使ってみました。」
「す、進んでるんっすね…。了解を略す意味だと思うけどなぁ。」
幸雄的には、年の差を感じさせる発言だったようだ。
「しっ!帰ってきた!」
美和子の言葉を聞き、場は静寂に包まれる。それと同時に玄関のドアが開く音が聞こえたのだった。
☆
ドアを開いた聖夜は唖然とした。
「な、なんで鍵が開いてるんだ…。」
と。
「いつもは締まってるのに。それが分かっているのにあえて扉をガチャガチャして聖優に開けてもらう流れが…。って、そうじゃない。なんでこんなに真っ暗なんだ!?あいつら家に帰ったんじゃなかったのか?美和子は塾だとしても、聖優は家にいるはずだ。ま、まさか泥棒に攫われたのか!?」
泥棒が盗む(う)のは、金目のものだけである。叫びながら聖夜は勢いよくリビングの扉を開いた。
☆
「パァーン( ^-^)ノ∠※。.:*:・’°☆」
突然明かりが付き、クラッカーの音が盛大に響く。扉の前では口をポカーンと開けて放心状態の聖夜がいた。
「聖夜、」
「お兄ちゃん、」
「聖夜先輩、」
「「「お誕生日おめでとう(っす)。」」」
聖夜はこの言葉に状況を理解し、安堵の表情を浮かべてその場に崩れ落ちた。
「よかったー。聖優が無事でぇぇぇえ。」
と叫びながら…。
「宮古野先輩、これホントに毎年やってるんすか?」
「反応が面白いでしょ?毎年これが楽しみなのよね♪」
嬉しそうに言う美和子に、
「お前タチ悪いよ…。ホントに心臓に悪いんだからな。」
聖夜が心底参ったように言い放った。
「日頃のお礼よ。いつも私達に尻拭いをさせてくれてありがとう!」
美和子は何でもないかのように嫌味を言ったのだった。
「じゃ、お兄ちゃんをしっかり騙せたところで、パーティーを始めよう!」
聖優の鶴の一声でみんながリビングの机に集まっていった。
その後、四人で駄弁りながらパーティーは進んでいった。途中で幸雄が聖優にちょっかいをかけて、聖夜がキレ、それをなだめる美和子はやはり苦労をかけられている。これはもう彼女の宿命だろう。
そんなこんなで、聖夜の18歳の誕生日は終わっていくのであった。
シスコンもここまでくれば尊敬ですな-wさて、次回は一体何が起こるのでしょう?




