BIRTHDAY SURPRISE!!
「美和子お姉ちゃん、お兄ちゃんを引き離してくれてありがとうね。」
学校から出てすぐの信号で聖優が声を出した。
「いえいえ。聖優ちゃんの頼みとあらばお安い御用よ。」
「頼みってなんすか?」
「あ〜そっか。由岐村君は去年いなかったんだね。」
「まあ、去年はまだ入学したばっかりっだったっすから。これから何かあるんすか?」
興味津々に尋ねる幸雄。
「今日って実は聖夜の誕生日なのよ。で、毎年この日は聖夜にサプライズをしてるの。」
「だから今日は先輩を置いてきたんっすね。でも毎年やってたら気づくんじゃないっすか?」
「さぁ?どうでしょうね。あいつは自分の誕生日すら覚えてるか怪しいわ。ま、見たらわかるでしょうけど毎年リアクションが初々しいのよ。」
「へぇー。でも僕なんかが参加していいんすか?聖優ちゃんは妹ですし、宮古野先輩は彼女で幼馴染でしょ?僕完全に部外者っすよ?」
「由岐村君、誰が誰の彼女ですて?」
「ええっ!宮古野お姉ちゃんお兄ちゃんと付き合ってないの!?」
「なんで、聖優ちゃんまで驚いてるのよ。」
「「だって、どう見てもバカップルにしか見えないもん(っす)。」」
どうやら、2人ともが勘違いするほどのバカップルらしい。
「バカップルっていつも喧嘩しかしてないじゃない。」
「喧嘩っていっても、宮古野先輩が聖夜先輩に一方的にからかわれてるだけっすけどね。」
「由岐村君、それは言わない約束でしょう?」
「ふふっ。でも美和子お姉ちゃんって小さい頃からお兄ちゃんのこと好きでしょ?どうせ両想いなんだから告っちゃえばいいじゃん。」
「そうっすよ先輩。聖夜先輩はモテるんっすからとられちゃいますよ。」
「いいの。私は待つ女なの。聖夜のやつが告ってくるまでは私から行動を起こすことはないから。」
「でもお兄ちゃんは意気地無しだよ?」
「知ってる。いつも肝心なところで臆病風に吹かれるのは小さい頃から何も変わってないわよ。」
「でも今日は新1年生の前でtheシスコン発言したっすよね?」
「あぁ、聖優ちゃんのことになると人格変わるから、あいつ。」
「本当にあの性格はなんとかならないかなぁ?大事にされてるのは痛いほど分かるんだけど、さすがにこの年になると恥ずかしいよ…。」
「ま、それこそ天地がひっくり返っても無理な話ね。聖優ちゃん、頑張りなさい。」
「は〜い。」
「っと、聖夜先輩&聖優ちゃんの家に到着っす!」
そこには1軒の3階建ての家。屋根にはソーラーパネルが張られていて、
「いやぁ〜、いつ見ても大きいっすねぇ〜。」
アパート1つ程の大きさがある。
「由岐村先輩、私とお兄ちゃんだけじゃなくて、美和子お姉ちゃんもここに住んでるんですよ。」
「ええっ!宮古野先輩って聖夜先輩と同棲してたんすか?初耳っす。」
「あら、言ってなかったっけ?」
「だっていつもここで先輩達別れてるじゃないすか。」
「まぁ、いつもは塾があるし。そんなに驚くことでもないでしょ?」
「驚くことっすよ。どうゆう経緯で?」
「えっと、前に話したけど私は小さい頃に両親が他界してね、それで引き取ってくれたのが聖夜のお母さんなのよ。それ以来ずっと同じ屋根の下で寝食を共にしてるわ。」
何事もないといわんばかりに話を流す美和子。
「そうだったんすか。いやぁ〜、聖夜先輩はよく我慢出来るっすね。僕だったら即発情しちゃいますよ。」
「はいはい、そうゆう話は純粋な聖優ちゃんの前では禁止よ。」
「おぉっと、そうっすね。聖夜先輩に殺されるとこだったっす。」
「もう、またお姉ちゃんは私を子供扱いして!」
「聖優ちゃんは私から見たらまだまだ子供よ。」
「ぶぅー。」
と、頬を膨らませる聖優。
「ごめんごめん。さ、立ち話もなんだし中に入りましょ。」
玄関のドアを開け中に入っていく2人に、幸雄も続く。
「お邪魔するっす。って、広っ!」
「驚くのは程々に、聖夜が帰ってくるまでに準備してしまうわよ。」
「「はーい!」」
こうして聖夜のサプライズ誕生会の準備が進められていくのであった。
最初の方は凄く眠たい時に書いたんで、間違えが多いかも…。見つけたら教えて下さい。




