3話
今回も短いです、、
相手を見る。
美しく、隙がない。
流石は趙子龍。
だが、
「はあっ!」
「ふっ!」
切っ先を喉ものに当てて言う。
「経験が足りないみたいだね。」
「なっ!」
趙子龍は、自分は確かに強い。そのように自負しており、実際今まで負けたことなどない。
確かに大陸で自分が一番であるなどとは思ってはいない、まだまだ武の道は険しく、果ては遠い。
そのように考えてはいた。
いたが、、
ここまで圧倒的な差があるものなのか!?
なにをされたかもよく分からぬ内に敗れ、いつでも殺せる状態にある。
そんな自分を、多少腕に自信があると感じていた自分を、命乞いをする者を切り捨てた輩が、、
こちらに向き、頸を撮ることなく、笑顔で向かっている。
微かな、しかし、たしかに笑顔で。
その言を述べる顔に、自身の強さを誇り、相手を惨殺するような非情さは欠片もみえず、ただ、ただ、暖かい笑顔のみがあった。
「私の負けだ。この身、あなた様の好きになさるがよろしかろう。ただ、一つだけ、私が共に旅しているものの身だけは許してはいただけないだろうか。」
趙雲は槍を置き、真剣な顔でこちらに嘆願する。
柔らかな、今までにない以上に柔らかな一刀が、暖かい雰囲気に安堵しかけていた心を突き刺す。
「うん、その趙雲の心意気にはすごく胸をうたれるし、うなづきたくもなるけど、それはちょっとむりかな。」
幾らか考えを巡らせた一刀だが、返答は変わらず。
「な!?」
「趙雲殿。確かに貴方はすぐれた武人であらせられるでしょう。今後、大陸屈指の武将になられる、いや、間違いなくなるでしょう。そしてその心根は美しく、気高い。何人にも穢されぬお心をお持ちであろう。」
「ならば!」
「だが、貴方程の武人を表にだしながら、自身らが隠れているとは、、ふむ、確かに武がないものにしては当然やもしれませんが、趙雲殿とともにおり、その実力を知っている者としては、いかに武力がないとはいえ、余程の臆病者か、強者に媚びへつらい、弱者を喰らい尽くす賊と変わりはしないといったところか。」
星ちゃんやられちゃいます。