表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
銀雷の魔術師  作者: 天城 誠
第四章:三国魔法学校交流戦編・チーム戦
53/155

第六話:運命の貴公子



さて、遂にチーム戦が始まった。


俺のチームは、リーダーが俺。

メンバーはエリシア、ローラ、フィリアだ。


チーム名は「ラルハイト一年選抜」だ。

フィリアの面子のためにも、あまり変なのはまずいだろうと。


いま、会場の草原で円陣を組み、試合開始を待っているところだ。

会場の範囲は、野球ドーム2個ぶんくらい。広い。



対戦相手は、「共和国の貴公子と守護者」

・・・おい。

この名前のせいで、チームが死んでいる。



相手チームは、ケイネスと、いつぞやの金髪美女と、

金髪マッチョ二人だ。



「よし、速攻でケイネスを落とすぞ」


「はい、アル。<月詠>はどうしますか?」


「温存で」

<天照>と<月詠>は、秘密兵器だ。

というか、あの剣は勝手に魔力をマナに変換する機能を持ち、

あの紋様は異常に目立つので、温存すべきだ。


「・・・アル、私はどうすればいいの?」


「ローラは、雑魚の撹乱を頼む。凍り付かせといてくれ」


「・・・わかった」


ローラは神妙に頷いた。

味方だと頼りになるな。



「私はどうすればいいでしょうか?」


「フィリアはケイネスの隙をついてくれ」


「はい、わかりました!」


フィリアの<光>属性は速度が速い。

ケイネスの隙を突くのには最適だろう。


「アル、私はどうすればいいです?」


「エリシアは上空から爆撃で」


「・・・わかりました」


「あ、スカート大丈夫?」


「はい、下にズボンをはいてます」




「両チーム、構え!」

審判の合図で、一斉に剣を抜く両チーム。


俺は、<アウロラ>と<シルフィード>を抜いた。




「試合、開始!」




俺は、魔力装甲を展開しつつ、一気にケイネスを葬るべく、駆け出した。

エリシアが飛び上がり、フィリアは俺の右斜め後ろにつき、ローラは左後ろ。



そして、相手は4人同時に同じ術を発動した。


「「「「紅蓮よ、大地を赤く染めよ!<ヴォルケイティア!>」」」」


合唱だ。

ある程度のチームワークが必要だが、4人でやれば、6人分くらいの出力になる。



溶岩がすさまじい勢いでこちらに迫ってきた。


だが、こちらの個人能力の高さをなめてもらっては困る。



「<サンダーボルト!>」

「<ブリザード>」

「<レイ!>」



俺から白い雷、ローラから白い氷、フィリアから白い閃光が放たれた。


・・・え、なにこれ?みんな白魔力なのか?





―――――ドガァァァン!



「大地を穿て!<メテオ!>」




俺たちが何とか溶岩の流れを凌いだところで、

上空のエリシアが術を発動。

怒涛の勢いで隕石が20個ほど降ってきた。





「いでよ、盟約の精霊!<アトロポス!>」


『また戦うことになるとは。これも運命でしょうか?』

 

『汝ら滅びる運命なり。<ディスティニー・アロー!>』



アトロポスが召還され、すさまじい数の赤い矢が現れ、

次々上空に放たれる。

隕石はどんどん消滅していく。


「召還!<シルフィード!>」


『<ルインズ・ハリケーン!>』


シルフは空気を読んで、即、術を発動。

破滅の風が矢を次々消滅させる。



そして俺は、ケイネスを射程に捉えた。

俺は、<アウロラ>を<アルザス>に持ち替え、魔力を流す。


――――魔力開放!



「<サーマルブラスト!>」



―――――バギャァァァァン!




すさまじい勢いで<アルザス>と、<シルフィード>が射出された。


予期していたのか、

デカい金髪二人がタワーシールドに魔力装甲を張って間に入った。




――――ガイィィィン!




「ぐぁぁあぁっ!?」

「がはっ!?」



想定外の威力だったのか、二人とも5メートルほど吹き飛んだ。


俺は、<アウロラ>と<アイテール>を引き抜き、

走りつつ、腕を後ろに引き絞り、魔力を溜める。

二刀が銀の閃光を放った。



『<白夜!>』



「<ディバイン・スラッシュ!>」


ケイネスがその大剣で、迎え撃つ。




―――――ドギャァァァン!



「<ガトリング・レイ!>」

「<アブソリュート・ゼロ>」

「<エンシェント・フレア!>」



俺の白夜を受けきれずに後方に弾き飛ばされ、

さらに電撃の追加ダメージを受けたケイネスを、

その瞬間を狙っていたフィリア、ローラ、エリシアの一斉射撃が狙う。



「「イラプション!」」

「オルト・マグナブラスト!」


大男二人が合唱で溶岩を手から放ち、

先ほどから詠唱していた金髪美女が巨大な溶岩ビームを放つ。




「――――<精霊憑依ユニゾン!>」



―――――ドギャァァァン!





爆発を切り裂き、焔の障壁を纏ったケイネスが俺に突っ込んできた。


「悪いが、勝たせてもらう!」

ケイネスはニヤリと笑った。


俺は、不吉な予感を感じ、一気に魔力を剣に込めた。



「<ディスティニー・ブレイカー!>」


『<白夜月雷!>』



ケイネスの剣が眩い金の光を放ち、すさまじい勢いで振り下ろされた。

俺は、<白夜>の強化版、<白夜月雷>で迎え撃つ。




――――――バギャァァァァン!




「――――――くっ!?」


「―――――まだまだ!」


俺は、大きく後ろに弾かれ、体勢が崩れる。

そこにケイネスが一気に突っ込んで――――



「「<疾風迅雷!>」」




―――――バギャァァン!



上空からケイネスの後ろに回りこんだエリシアと、

俺が同時に<疾風迅雷>を放ち、ケイネスは横に跳びつつ、剣の腹で受けた。


形勢を逆転し、俺とエリシアは一気に攻勢にでる。


「「<白夜!>」」



再び同時に剣技を発動。

ケイネスも剣を構え、対抗する。


「<ディバイドスラッシュ!>」




―――――ガキィィィン!




再び、ケイネスが後方に弾き飛ばされた。


「<ミラージュ>」


「――――くっ!?」


突如ケイネスの後方にローラが現れ、一閃。

ケイネスの左腕に一撃を加え、鮮血が舞った。


「<サンダーボルト!>」


俺の手から銀の雷撃が放たれ、ケイネスは防ぎきれずに、一瞬動きが鈍る。



「<白夜!>」

さらに再びエリシアが<白夜>で追い討ちをかける。



―――――ガキィィン!


「――――ぐぅぅ!」


ケイネスが再び弾かれ、しかし距離をとって体勢を整えようと――――


「<アブソリュート・ゼロ>」


「――――<フェイト・ブレイカー!>」



ローラの絶対零度の光線を、ケイネスの剣がすさまじい輝きを放ち、吹き飛ばす。


「・・・奥の手だったんだが、仕方ないな」

ケイネスはどこか楽しそうに言った。


ケイネスの仲間の大男二人は氷付き、救助され、退場。

金髪美女はフィリアがどんどん追い込んでいる。


3対1だが、精霊憑依は馬鹿にできない。

こっちもすればいいのだが、4連戦なので、避けたい。





と、ローラの瞳が金に輝いた。

一気にその魔力が増える。


『――星空を司る黄金の剣よ―――』



ローラの<アストライオス>が眩い光を放つ。

ケイネスも危険を察知し、ローラに向き直る。


俺は、一瞬エリシアと目を合わせ、一気に突っ込んだ。


「「<白夜月雷!>」」


「――――くっ!?」


三つの剣が白銀の閃光となり、ケイネスを狙う。



――――ガキィィィン!


『――星海の無慈悲な氷結を此処に―――』


ケイネスが10メートルほども吹き飛び、俺とエリシアはさらに追撃。


「「<サーマルブラスト!>」」


三本の剣がケイネスに向かって飛び、

ケイネスは、吹き飛ばされつつ、迎え撃った。


「<フェイト・ブレイカァァァッ!>」




『絶対零度において―――唯一輝くは星の光!その力を示せ――――!』





―――――ガキィィィン!



ケイネスが更に吹き飛び、正直オーバーキルな感じがしたのだが・・・



『<絶対零度の星光(スターライト・ゼロ)!>』



ローラがすさまじい冷気を纏った<アストライオス>を一振りし、

草原が一瞬で凍り付いた。

ケイネスごと。



もうケイネスのライフは0だよ・・・



「試合終了!勝者、ラルハイト一年選抜チーム!」



『危なくなったら介入するつもりでしたが、不要でしたね♪』


「いや、手伝ってくれよ・・・」




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ