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銀雷の魔術師  作者: 天城 誠
第四章:三国魔法学校交流戦編・チーム戦
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第一話:休息日


朝って、どうして来るんだろうな?

今日は交流戦の休息日だ。

・・・え、休みなら起きればいいじゃないか?

休みなんだから寝ててもいいじゃないか・・・




・・・何故かエリシアを抱き枕にして寝てたが、もう慣れたぞ。驚かない。

というか、付き合ってもないのにコレはどうなんだ?



やっぱり、もっとちゃんとした方がいいな。

・・・ん!?

俺は何をどうやって、ちゃんとするつもりなんだ!?



落ち着け、羊を数えるんだ!


羊が一匹、羊が2匹・・・執事が3匹・・・やべ、変換間違えた。

まぁいいや。


執事が4匹、執事が5匹・・・



どんな感じだ?



「「「「「お坊ちゃま、朝ごはんは何にいたしますか?」」」」」



・・・ないな。

コレはない。


よし、メイドにしてみよう。

メイドといえば・・・


『おかえりなさいませ、ご主人様♪』


シルフじゃん!?



・・・よし、落ち着いた。

俺は、とにもかくにもエリシアを起こさずに離脱しようとしたが、離れない。

仕方ないので起こそう。


「おーい、エリシア~、朝だぞ~!」


エリシアがぼんやり目を開け・・・

「・・・んぅ・・・おはようございま・・・アル!?」

一気に真っ赤になった。


「馬車の時も俺のところで寝てただろうが・・・」


「あのときは同じ馬車にリリーもいました!」



あ~、そういえば二人きりで寝たのは初めてか・・・

エリシアは離脱しようとして、服装が乱れてる事に気づき、慌てて布団を被った。


「・・・アル、昨日の夜って何かしましたっけ・・・?」


「ん?一緒に風呂に入ったくらいだな」


「い、一緒にです!?」

エリシアの顔から湯気が見えそうな気がする。

俺も相当恥ずかしいんだが、なんか覚えてないみたいだし、

エリシアが慌てふためくのを見てたら微笑ましくなってきた。



「というか、覚えてないのか?」


「・・・マナが欠乏すると酔っ払いと同じです・・・」

とのこと。正常な判断ができなくなるらしい。

なるほど、納得。


「そっか、まあ何もなかったから安心していいぞ」


「・・・それはそれで悲しいです」

ものすごく複雑そうな顔のエリシア。


「いや、大丈夫だぞー、エリシアは十分魅力的だぞ~!」

俺はとりあえず励ますことに決定。


「・・・どのあたりがです?」


「ん~、可愛い?」




「ぎ、疑問系です・・・それに、私だって15歳です!」


「いや、その丁寧語が可愛いかもしれないぞ?」




「私はもう15ですよ?子ども扱いは止めていただきましょうか」


「お、新しい」

いつかのような、高貴な感じ?



「どっちがいいです?」


「他には?」

俺はちょっと悪乗りしてみることにした。

エリシアは、少し考え―――――




「それでは、このような感じでいかがでしょうか。ご主人様?」


「いや、顔は可愛いが、俺にそういう趣味はない!シルフの趣味だっ!」


にっこり笑って小首をかしげるのは可愛い。

だが、ほんとにそんな趣味はないんだぞ!?




「そうですか?いいと思ったんですけど・・・」


「なら俺がお題を出す!本日のお題は『凛々しい』だ!」



そんな訳で、しばらくエリシア的な凛々しい口調で話してもらう。



「あ、そうだエリシア。このコートありがとな。すごくよかったよ!」


「ありがとうございます。貴方にそう言って頂けるのが私の喜びです」



・・・・これは、凛々しいのか?謎だ。

まぁいいや。このままいこう。


「よし、ご飯食べに行こう!」


「はい、そういたしましょう」



部屋を出て食堂に行くと、既にたくさん人がいた。

とりあえず、知り合いがいるテーブルか、誰もいないところがいいな。


「アル、あそこにリリーとローラとフィリアがいましたよ」


「あ、ほんとだ。んじゃ、あそこに行くか」


で、俺とエリシアはご飯配ってるとこで受け取って、そこへ向かった。

チーム戦の打ち合わせについても話したほうがいいかもな。





チーム戦は、コロシアムだと狭いということで、

近年から街のすぐ外の草原で結界を張ってやるようになった。


ルールは簡単。チームリーダーを倒すか、降参させるかで勝ち。

殺すのはダメ。以上。


チーム戦に参加するチーム数と、個人戦に参加した人数は同じであり、

よって、試合数とかも同じである。

8人の魔法が一度に交錯する場合もあり、洒落にならないらしい。


まあ、とりあえず飯だ、飯~!




「おはよ~、リリー、ローラ、フィリア」

俺は適当に挨拶しつつ、席に座った。


「おはよう、お兄ちゃん、よく起きれたね」

「・・・おはよう」

「おはようございます」


それぞれ挨拶する三人にエリシアは・・・


「おはようございます。こちらの席、失礼してもよろしいでしょうか?」


いつもより凛々しくははあるんだが、

背が小さいから、子どもが遊んでるみたいにみえるんだよ・・・


「すまん、エリシア。いつも通りで頼む」


「・・・全然ダメでしたか?」



「いや、やっぱりいつもの方が落ち着く」


「・・・そうです?」



そんなこんなで朝ごはんを食べてから話し合いのため、俺の部屋に集合した。

とりあえず、俺が口を開く。


「リリー、何故ここにいる」

チームメンバーじゃないリリーがいた。


「お兄ちゃん、私は暇なんだよ!?いいでしょ、ちょっとくらい!」




「くっ、子どもかよ!」


「まだ子どもだもん!」




「・・・エリシアと真逆だな」


「ア、アル!?」

俺がうっかり口を滑らせ、エリシアが慌てる。




「ま、まさか、『私はもう子どもじゃないです』とか!?」

リリーもパニックになっている。


「全然違います!」

エリシアが慌てて否定するが―――――


「え、そんな感じじゃなかったか?」

俺が空気を読まずに爆弾投下。



「な、何をしてたんですか・・・」

フィリアも何故かパニック。


「・・・?」

ローラは俺と同じく分からない模様。



そんなこんなで、鎮火に手間取った。

とりあえず、俺とエリシアの間には(今のところ)何もないのを理解してもらった。



で、ようやく作戦会議。

例によって、ブロックとチームメンバーのみ公開されている。


俺たちはAブロック。

メンバーは一応確認すると、

俺、エリシア、ローラ、フィリアだ。

一応、連携技なんかも特訓してある。

あと合同詠唱・・・略して合唱の練習もしてある。



合唱は、協力して詠唱することで威力が上がる。

あと、属性が簡単に混ぜられる。


前に俺が使った、雷の竜巻なんかは<雷>+<風>の術だったりするが、

出すのが面倒で、精神力が削られる。

同時に二つの魔力を練るのは難しいのだ。




まぁ、とりあえず一番の強敵は王国のチームだろうか?


メンバーが、ギニアス、ノエル、あと知らないヤツ二人だ。

こっちも他人のことは言えないが、酷い面子だ。


あと、またやっかいな事に、ケイネスがAブロックだ。狙ってるのか!?

俺は、戦うことになったら、即、ケイネスを袋叩きにする作戦を提案。


「アル・・・!」

なんだか若干うれしそうなエリシア。


「・・・お兄ちゃん、エリーの事なんだかんだ大好きだよね」


「・・・そうですね、私、諦めたほうがいいでしょうか?」


「・・・?」


なんかコソコソ話してる三人は気になるが・・・

まぁいい―――――


「大丈夫だよフィリア!お兄ちゃんは最強の鈍感だから!」


「・・・そうですね!」


「・・・アルは鈍感?」


「おいこら、本人の前で貶めるような発言をするなよ!?」



まったく、なんて酷いやつらだ・・・


「なら、お兄ちゃんのことを異性として好きな女の子が何人いるか当ててみて!」


「おいリリー、それは俺に鈍い男とナルシストのどちらがいいか聞いているのか?」




「・・・えー、分からないの?」


リリーに半目で睨まれた。

・・・なんか悔しい。


「・・・一人?」


「やっぱり鈍いわお兄ちゃん!?というかその一人って誰!?」

お兄ちゃんに気づかせるなんてどんな手を使ったんだという心の声もダダ漏れである。




「そんなの分かる方がおかしいだろ!?」

俺は、必死に反論するが・・・


「お兄ちゃん、それより誰がお兄ちゃんを好きだと思うかの方が大事!」




「そんなことより、何故俺の発言が鈍いことになるのか謎だっ!」


「お兄ちゃん、昔から人助けの旅をよくしてるでしょ?

 私は、あれで100人は惚れさせてると思う!」




「そんな簡単に惚れるか!?」


「女心が分かってないわ、お兄ちゃん!

大体、お兄ちゃんの助け方がいちいちカッコイイのっ!」




「えー、普通だろ?」


ガラの悪い傭兵に絡まれて怯えていた女の子に優しく声をかけつつ、

傭兵を風魔法で吹き飛ばしたりしただけだ。



「そもそも人助けが普通じゃない・・・ってそれより、

お兄ちゃんを好きな人って誰のこと?」




「言えるわけないだろ!?外れてたら最悪だぞ!?」



何故かやたらと食いつくリリーが落ち着くまで、けっこう時間がかかった。

ほんとになんでそんなに気にするんだか・・・



何はともあれ、作戦会議は終了し、各自自由行動となった。







戦闘の執筆に疲れたので、ちょっと気の向くままに書きます。


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