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銀雷の魔術師  作者: 天城 誠
第三章:三国魔法学校交流戦編・個人戦
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第四話:看病は戦いだ!



俺は、精霊憑依による急激な魔力増加によって、ダメージを負った。

正直起き上がるのも辛い。

まぁ、痛いとかはないんだが・・・・

シルフによると、それだけでもありえないレベルらしいが。

もっとしっかり忠告してくれ。


俺は、エリシアに運ばれて馬車で寝てる。

で、もう街は出発した。


爺さん達には、エリシアに見せに行ってもらった。

すごい喜んでたそうだ。

別に返していいと言って持って行かせたのだが、受け取らなかったらしい。

若いもんが使え。とのこと。


ありがたく貰っておこうと思う。



と、誰か来た。


「―――アル、大丈夫?」


ローラが来た。

いつもどおりのポーカーフェイス・・・だと思う。


「あー、大丈夫だが、起き上がるのもままならない」


「――じゃあ、だいじょうぶね」




「マジか!?」


「・・・だいじょうぶなんでしょ?」




「むぅ、確かに言ったが」


「・・・どっち?」




「正直きつい」


「そう・・・はやく良くなってね」




「ああ、わざわざありがとな」


「・・・うん」



ローラはほんの少し微笑んで帰っていった。

と、入れ替わりに誰か来た。



「アル、大丈夫ですか?」

フィリアだった。


「・・・大丈夫だが、起き上がるのもままならない」



「それは大変です!アル、私に看病させてください!」

フィリアがなんか燃えてしまった。

失敗した。



「いや、大丈夫・・・リリーにエリシアもいるし・・・」


「私もアルを看病いたします!」



やばい・・・どうしたものか・・・



「というか、病気じゃないから休めば治るんだって!」


「そう・・・ですか?」




「そうそう!」


「・・・わかりました。でも、私も料理を作ります!」



・・・嫌な予感しかしない!?

皇女様が料理できのかよ!?

というか、リリーとかエリシアに火がつくからやめて!



「いや、それは間に合ってるぞ!?」


「そ、そんな・・・」

ものすご~~く悲しそうなフィリア。

ぐあぁぁぁぁ!?

なんだ、この罪悪感は!?



「・・・わかったよ・・・だが、もう既に用意されてる可能性が高い。量を少なくな・・・」


「はい!」



ダメだ、勝てる気がしない・・・


と、入れ替わりでリリーが来た。

・・・もう疲れたんだが。



「おに~いちゃん!大丈夫?」


「ダメだ。お見舞いの対応に疲れた。」




「・・・大変だね。で、ご飯食べる?」

リリーがおにぎりを出してきた。



「・・・ああ、一個もらう」


おにぎりをもらって、食べた。

鮭だった。何故か甘かった。突っ込んだら負けな気がした。



と、ローラが再びやってきた。


「アル、野菜スープを作ったんだけど・・・食べる?」


おお、スープは暖まるしありがたい。


「ああ、ありがと。もらうよ」


「うん」



・・・美味かった。コンソメ味?


「おお、美味い。ありがとな。」

つい近くにあったローラの頭を撫でた。

ローラはなんだか嬉しそうだった。



で、ローラは皿を持って帰っていった。

・・・いつの間にかリリーがいない。

まさか・・・




「・・・アル、大丈夫です?」

今度はエリシアが来た。


「・・・大丈夫だ。」


なんかもう、ふざけて返答してたのが悪かった気がしてきた。




「そうです?・・・アル、ご飯を作ってみました。」


「えっと・・・なんか既にリリーからおにぎり、ローラからスープ、

 更にフィリアが何か作ってるみたい――――」




「・・・ぐすっ」


なんか本気で泣きそう!?


「だから、量を少なめにしてくれると嬉しいな!」


「・・・・無理しなくて、いいです」




「エリシアこそ無理するな!食べる食べる!」


きっと、せっかく作ったから食べてもらいたかったのだろう。

・・・怖くて寝れないとかも含めて、けっこう子どもだよな。



「・・・アルがものすごく失礼なことを考えてる気がします!」


「ないない。」




「むぅ~・・・」



と、フィリアが乱入してきた。


「あ、エリシアさん。エリシアさんもアルさんにご飯を作ってさしあげていたのですね」

フィリアはにっこり微笑んだ。

まぁ、一応エリシアは俺の妹ということになってるし。


「アルにご飯を食べさせるのは私です!」


「おいこら、ケンカするな。どっちも食べる」


で、先に来てたエリシアのから食べることに。

何を持ってきたかというと・・・


「おおっ!?焼肉だ!」

たびたび言ってるが、エリシアが焼いた肉は通常の三倍美味い。

正直、毎日作ってほしい。今度頼んでみるか。



『俺に毎日肉を焼いてくれ!』

新しいな。

・・・ん?これ、元ネタなんだっけ?

結婚の申し込みじゃないか!?

あぶな!?


まぁ、とりあえず食べ――――



エリシアが箸で肉を持って、俺の口の前に差し出している。


・・・はい?



「エリシア?」


「アル、あ~んです」




「ええぃ!自分で食える!」



「アル、口を開けないとあげません」



なん・・・だと!?

くっ、別にそこまでして食う気は・・・



めちゃくちゃ美味そうだった。


・・・俺は負けた。


「あ、あ~ん」


「はい、どうぞ♪」


エリシアはめちゃくちゃ嬉しそうだった。

俺はすさまじく恥ずかしかったぞ・・・フィリアいるし。


が・・・



「う、美味い!?」

なんだかいつもより更に美味いような!?



「アルのために色々頑張ったんです♪」

エリシアはとてもご機嫌だ。

シルフ並みだ。

・・・シルフはいつでもご機嫌だな。



「・・・いいなぁ」

フィリアがぽつりと呟いた気がした。



で、なんだかんだいいつつ、エリシアの焼肉は完食した。

エリシアはお皿を持って、ご機嫌で去っていった。




「アル、今度は私が作ったのを食べてください!」

フィリアが燃えていた。


「・・・お手柔らかにな?」



で、フィリアが作ったのは・・・


「・・・サンドイッチ?」


「はい、軽めにサンドイッチです!」


意外と普通だった。助かった。

で、受け取って食べた。

フィリアも、あ~んってしたそうだったが、断固却下だ。

サンドイッチで助かった。



が、



「・・・これ、フルーツ?」

具がフルーツだった!?



「はい、意外とおいしいですよ?」

にっこり笑うフィリア。

・・・フィリアもやっぱり料理はダメっぽい。

確かに意外とおいしいけどさ・・・



まぁ、フィリアも帰っていった。

ふぅ、終わったか。







が、最後に刺客が待っていた。


「お兄ちゃん、たべてっ!」


リリーが7色のスープを持ってきた。

さて、その後食うや食わんやの押し問答があったが、俺は負けた。



「ごはっ!?」


「お、お兄ちゃん!?」


舌が焼ける・・・!

辛い!激辛!甘い!苦い!しょっぱい!クドい!


・・・刻が見える・・・!



「あ、アル!?<ヒール!>」

駆けつけたエリシアのヒールでなんとか助かった。




「ごめんなさい・・・」


「リリー、頼むから味見してくれ・・・」


「うん・・・」


リリーは調味料が大好き・・・味見しない・・・

恐怖だ。

この娘にして、あの父あり。








で、夜。



「アル、一緒に寝ましょう♪」


「うるさい帰れ。安眠させろ。一人で寝れないのか」




「・・・アル、私も女の子なんですよ?」


「ん?ああ、悪い。女の子は夜は一人じゃ怖いものなんだな。知らなかった」




「・・・私は、アルがこんなに鈍いのは知らなかったです」


エリシアは小声で何か言ったが、聞こえなかった。


「え、悪い、聞こえなかった。」




「うぅ~~・・・!いつか気づかせてみせます・・・!」


「え、何を?普通に口で言ってくれたほうが・・・」




「いやです!」


エリシアはそのまま布団に入って来た。

帰ってはくれないらしい。


勘弁してくれないか・・・

俺の自制心がそろそろ限界なんだ。

エリシアはもうちょい自分の魅力を自覚したほうがいいよ。


「エリシア~、あんまりくっつかないで・・・」


「・・・・いやです」


もっと引っ付かれた。

胸が・・・胸が当たるんだ!

が、最早何を言っても無駄だと悟った。


目指せ、明鏡止水!





―――次回予告―――


♪~チャラッ、チャ~ラララ~!


「ついに来たか交流戦!」

「まずは個人戦からです」

「お兄ちゃん、エリー、頑張って!」

『ふふっ、やっと戦いですね♪』



やっとついた・・・

真面目に戦いまくろうと思います。

まぁ、個人、チーム、軍団の3つもあるので、

雑魚との戦いは巻きでいきますけど・・・

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