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銀雷の魔術師  作者: 天城 誠
Episode:Zero
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第二話:Library


さて、無事になんとか入学式をこなした。

席は名前順。

天川 灯は同じクラスだった。

今は俺の前に座っている。

で、後ろは理香だ。

・・・同じクラスだと紛らわしいんだが。




で、係決めとか自己紹介とかが終わり、休み時間である。


「んあ~・・・俺の平穏な春休みが終わった・・・」


「お兄ちゃん、別に学校も平穏・・・・じゃないか・・・」

理香はがっくり肩を落とす。

そう、俺はおせっかいなので、何かしら引き起こすのだ。

だから、なるべく布団でぬくぬくしてたい。


と、前の席の女の子―――灯がこっちを向いていた。


「あの、天城さん、先ほどはありがとうございました」


「ああ、どういたしまして」


「お兄ちゃん、その人は・・・ああ、さっきの!

 私、この人の妹で理香っていいます。よろしく!」



「あ、よろしくお願いします。天川 灯です。」


「あ~、そうだ。さっきの自己紹介でも言ったけど、苗字が紛らわしいから

 名前で呼んでくれると嬉しいな」


「えっと、はい。誠司さん。よろしくお願いします」



「にしても・・・昼休みかぁ。することないな」


「じゃあ、その・・・学校を見て周りませんか?」

若干恥ずかしそうに提案する灯。


「あ~、そうだな。そうするかぁ・・・理香はどうする?」

俺は振り向きつつ、理香に聞いた。


「ううん、私はいいや。お兄ちゃん、いってらっしゃい」


「お~、いってくる」

俺は、灯と二人で歩き出した。






「はぁ、私も妹じゃなかったらな~・・・」

理香は、兄の後姿を見送りつつ、言った。









俺と灯は、中庭や、校庭や、校庭などを見て周り―――


「あ、図書室か。入ってみる?」


「はい!」



俺と灯は図書室に入った。

お、マンガとかラノベが置いてある。やるな。


で、灯は神話の本に目が釘付けになってる。


「灯、神話好きなの?」


「―――え、えっとその・・・はい」

すごく恥ずかしそうだ。


「ふむ、まぁ俺もゲームで多少詳しいかもな?」

ゲームに出てくる単語って、意外と神話から取ってるしな。


「そ、そうなんですか!?」

・・・なんか顔が輝いてる気がする。

見た目と、物静かな感じから大人っぽいと思ってたが、意外と子どもっぽいのか?


「あ~、少しな?灯は特に好きな話とかあるのか?」


「特に・・・ですか? 星の話でしょうか・・・」




「へぇ~、星かぁ・・・綺麗だよな」


「はい、すごく綺麗です。あと・・・オーロラが好きです」




「オーロラかぁ・・・一度は見てみたいな」


「あ、本がありました!」





灯が本を抱えて持ってきた。


「・・・不思議な光だよなぁ・・・」


「・・・綺麗です」



「そういえば、オーロラソースってどこがオーロラ?」


「えっと・・・確か、マヨネーズとケチャップで作るんですけど、

 そのピンク色がオーロラみたいだからだから・・・だったような?」




「へぇ~・・・そういえばオーロラって色んな色があるんだったっけ・・・」


「はい。オーロラの名前の由来は、アウロラっていう女神様です」




「へ、そうなの?」


「はい、曙の女神様で、ギリシャ神話のエオースと同一視されます。」




「えおーす?」


「兄弟が太陽と月の神様の、すごい神様なんですよ?」




「ごふっ」


「せ、誠司さん!?」




「おれの脳の容量をオーバーした・・・」


「少な過ぎですよっ!?」




さて、そんなこんなで学校を巡った。


で、知り合いに出会った。


「お、誠司じゃないか。・・・どうしたの、その綺麗な子。彼女?」


訂正、出会ってしまった。

なんてことを言うんだ、コイツは。


みろ、灯が真っ赤だ。

たぶん怒ってる。

・・・話を逸らすか


「灯、コイツは俺の中学時代からの知り合いで、黒木くろき 亮平りょうへい

 スポーツ万能、文武両道の凄いヤツだ。しかも見ての通りイケメン。」


「・・・天川です。」

かなり素っ気無い灯。


「誠司、君こそボクより足が速いし体力あるし頭がいいじゃないか・・・」


「む、そういうこともあるが、バスケもサッカーも野球もお前の方が強いだろ?

 それにテストの点はお前の方が上だっただろ?」


「反射神経もキミのほうがいい。大体、いつも勉強してるのかい?」


「というか、お前の方が体力あるだろ?」


「はぁ、誠司は常にモテモテじゃないかい?」


「はぁ!?バレンタインにチョコもらいすぎで大変だったお前と一緒にするな!」


「・・・・ああ、君は鈍感という欠点があったか・・・天川さん、頑張ってね」



「―――え!?」


真っ赤になる灯を残して、亮平は去っていった。








さて、授業が終わった。

まぁ、残ってた各種決め事を決めただけだが。


で、理香はなにやら用があるとのことで、俺は一人で―――


「その、誠司さん・・・一緒に帰って頂けませんかっ!」


「ん、ああ。わかった」



二人で帰ることになった。


話を聞くと、灯は引っ越してきたばかりらしい。

実は、俺の隣の隣の隣の家だった。


「んじゃ、街を案内しようか?」


「え!?でも、そんな・・・ご迷惑じゃないですか?」


「いいのいいの。グルちゃんにあげるご飯を補充しないといけないし」

別にグルちゃんは無償でも来てくれるが、すごく申し訳ない。


「それじゃあ・・・よろしくお願いしますっ!」





で、俺はいつも使ってる商店街へ。

店の人とも、みんな知り合いだ。

が、それが問題だ。


「おうおう、誠司!可愛い女の子連れてるじゃねぇか!」

「あらまぁ、誠司ちゃんにも遂に春が来たのね!」



「ええぃ!違う!ただのクラスメイトだっ!」


俺は慌てて否定しつつ、灯の顔色を伺うが――――


あれ?なんか悲しそう?



「おい誠司!女の子を泣かせるんじゃねぇ!」

「誠司ちゃん、鈍過ぎよ!」



「お、俺か!?俺が悪いのか!?」


「いえ、そんなっ、誠司さんは何も悪くないですっ!」



悲しそうな顔でそんなことを言われると、俺が悪いようにしか見えない・・・



とにかく、ビーフジャーキーを買って帰った。


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