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銀雷の魔術師  作者: 天城 誠
第二章:三国魔法学校交流戦編・校内戦
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第四話:晴天の霹靂

100万PV、12万ユニーク到達!

読んで下さってる方・・・本当にありがとうございます!


さて、俺は校庭にて、ゲイル・アイゼンシュタットと向かい合っていた。

これから試合だ。

と、ゲイルが口を開いた。


「貴様のようなヤツは十二家には相応しくない!」

ふむ、まあ俺もそう思うが。


「ふ~ん」

信頼と安心のスルー!


「―――構え!」

学園長の号令がかかる。


ゲイルは怒ってるようだが、他にどう反応しろと?

真っ赤な顔で睨みつけてくる。仕方ない。

「・・・はぁ、なにが気に食わないんだ?」


「先ほどから貴様の試合を見ていたが、貴様は精霊任せで戦っていない!」


「はぁ、んじゃ、シルフ、今回お休みね」


『はい、承知いたしました♪』



ゲイルはなんとも言えないといった風情である。

が、それでも俺に何か言いたいらしい。

はぁ、なんで因縁つけたがるかな・・・


「貴様は皇女様に対して無礼すぎる!」


「ん、フィリアが良いって言ってるんだからいいだろ?

それともフィリアがダメって言ったらダメでも、

良いって言ったこともダメなのか?どっちが無礼だよ?」


しつこいから俺もいらいらしてきた。


「うるさい!だいたい貴様たちは――――!」


「・・・貴様たち(・・)だと?俺以外に誰が入ってるんだ?」


「お前の妹二人も!お前の兄貴もだ!」


「・・・そうかよ」


「――試合開始!」

おそらくこの会話は聞こえていないのだろう学園長の号令で試合は始まった。



「貴様に十二家のなんたるかを身を持って教えてやる!」


『・・・具現するは天の怒り』

『其れは鋼鉄を引き寄せる不可視の力!』


俺は、問答無用で魔力を解放。

ゲイルも慌てて魔力を練るが、遅い。



『雷神の鉄槌よ、此処に!』

『<マグネティション!>』



「くっ、疾風の刃!<ハーケン・ソニック!>」

ゲイルが慌てて風の刃を放つが、無駄だ。

俺の磁力で集められた砂鉄が大量に集まり、防ぐ。



『我が魔力によりて具現し、彼の者に裁きを!<トールハンマー!>』

『無数のくろがねよ!銀雷によりその身を弾丸と化せ!<微細なる四源の雷砲!マニュートネス・サーマルブラスト>』





――――ドガァァァァァァァン!

――――ズガガガガガァァァン!





雷神の一撃により、ゲイルの手前に直径20メートルほどのクレーターが完成。

更に砂鉄が銀の流星群と化し、ゲイルの手前に着弾。

二つの洒落にならない衝撃波でゲイルは10メートル以上吹っ飛んだ。



「あ、やばい、やりすぎた」

ついカッとなって・・・

エリシアとかリリーならこれくらい平気だから、ついやりすぎた。

あ、いや、直撃させたらやばいけどね?

衝撃波くらいなら防いでくれるかな~と。



「勝者、アルネア・フォーラスブルグ!」



やばいなーやりすぎたなー。と思いつつみんなのところに戻った。

不思議そうなリリー、フィリア、ジョン、エリス。 

俺がどうして大爆発したのか分からないらしい。

 だが、説明もしにくい。なんか恥ずかしいし・・・

 



「ふふっ、アル、ありがとうございます」

エリシアがみんなを見ながら楽しそうに言った。


「・・・ひょっとして聞こえてた?」


「バッチリです」


「ええっ、エリー!お兄ちゃんに何があったの!?」

「エリシアさん、なにがあったんですか?」

聞き出そうとするリリーとフィリア。


「・・・エリシア、黙っといてくれ・・・」


「次、エリシアとフィリア!校庭に出ろ!」

いいとこで学園長からお呼び出し!



楽しそうなエリシアと不満そうなフィリアが校庭にでる。

ついにこの二人の戦いが始まる。


この国で最も強力な魔力を持つ皇族であるフィリア。

人間よりも上位の存在、ドラゴンであるエリシア。



「―――構え!」




エリシアは<エルディル>を抜き、

フィリアは白い剣を――――


魔力の閃光が吹き荒れた。






――――――――――――――――――――――――――





私は<エルディル>を抜き、構えた。

そして、フィリアが剣を抜いた瞬間、驚愕した。


フィリアの剣が凄まじい魔力の閃光を放っているのだ!

これでは直視するのは厳しい。


「――――精霊剣!」

思わず言った私にフィリアが返す。


「エリシアさん、私は負けません!アルとは私が戦います!」



・・・なんとなく分かっていた。

たぶん、フィリアもアルに惹かれてる。

私は戦いは好きじゃないけど・・・今回は。



「・・・すみませんが、譲るわけにはいかないです。本気でいきます!」



「――――試合、開始!」




「全てを無に帰す白き焔よ!」

「切り裂け閃光の刃!」




「<インフェルノ!>」

「<ライトニング・ソニック!>」





―――ドガァァァン!




術の激突で砂が舞い上がった隙に、お互いに最強の召還をする。


召還術とは、

契約した相手の魂の一部を、魔力によって具現化する術だ。

契約を解除しなければ、契約相手に何か不足の事態があっても召還できる。

魔力を大きく消耗するが、

こうした一対一の対戦時は、数に入らない召還は大きなアドバンテージとなる。



「我が盟約の精霊よこの地に顕現せよ!<シリウス!>」

「我が鏡面の魂よ!此処に具現し従え!<サモン・ドッペル!>」



フィリアの精霊剣から、超巨大・・・トラック並みの犬・・・というか狼が顕現。

私は魔方陣から白いドラゴンを召還。

全長5メートル。私の本当の姿を具現化したものだ。

受けたダメージを私も負うし、魔力も全て私の体から出るが、

これで本来の力を多分バレずに使える。

まあ、それでもドラゴン使いなどというとんでもない噂が出回りそうなのだが、

今の私はそこまで頭が回っていなかった。


絶対に負けない。





―――――――――――――――――――――――――



俺は、エリシアとフィリアの壮絶な戦いを見ていた。

なんか召還されたもののレベルがおかしい。

ほぼ実体化している精霊に、ドラゴン。


(・・・あれって両方エリシアじゃんか)

ドラゴンとエリシアを見つつ思う。

仕組みが分からん。

でもまあ、

「いやー、エリシアもフィリアもすごいやる気だな~」


「お兄ちゃん・・・誰のせいだと思ってるの・・・」

呆れたようなリリー。


「鈍いよね」

「鈍いですね」

ジョンとエリスは意見が一致した模様。



と、エリシアとドラゴンが翼を広げると、凄まじい勢いで舞い上がった。

シリウスもなんと空へ駆け上がり、フィリアも魔法で飛ぶ。




「いけ!白焔の竜撃!<ドラゴン・ブラスト!>」

「輝け!星の煌きよ!<ハウリング・スター!>」



―――ドガァァン!



竜と狼が交錯する。



―――ガキィィィン!


シリウスがドラゴンに噛み付くが、鱗で弾き、貫通はしない。

が、何故かエリシアが苦しそうだ。

ドラゴンが火を噴き、シリウスの顔を焼く。


エリシアとフィリアはその隙に上位の術を発動する。




『白き竜と聖なる焔の古の盟約――!』


『我は汝を守り、汝は我が敵を滅ぼす――――!』

『其は開闢の焔!万物を作り変える始祖の焔―!』


『今こそ盟約を果たす時!汝が誓いを此処に示せ――!』

『我と汝が敵を滅ぼす焔を此処に顕現せよ―――――!』


『始祖の業焔!<アンセスティア・プロメティス!>』





『聖なる光の力を此処に!』


『星の精霊シリウスの名においてこの地に具現せよ!』


『其は開闢の光!万物を生み出す始祖の光―――!』


『始祖の光!<アンセスティア・レディアンス!>』







同時に放たれた二つの術。

エリシアは複合魔術で威力をあげ、

フィリアは精霊の圧倒的な力をうまく制御する。




―――――ズガァァァァン!



二つの術は空中で激突し、圧倒的な衝撃を撒き散らす。




お互いに全力だと思われた。





だが、フィリアが更に魔力を上げる。

シリウスがドラゴンに組み付く、

エリシアは苦しそうな顔だが・・・



エリシアの魔力の質が変化した。

半分は今まで通りだが、もう半分は、まるで俺のような―――



『白き竜と聖なる焔の古の盟約――!』

『我が魔法銀の剣よ!白雷によりその身を弾丸と化せ―――!』




「その術は!?」

 フィリアが思わず焦った声をだす。

が、同時に魔声で詠唱を開始。


『聖なる光の力を此処に!』



『始祖の光!<レディアンス・ブラスト!>』





フィリアがエリシアに光のレーザーを放つが、同時にエリシアの術が完成。


『始祖の焔!<プロメテウス!>』

『<白焔纏いし四源の雷砲エルディル・サーマルブラスト!>』





エリシアの手から白い灼熱のエネルギー球が飛び出し、レーザーと相殺。



そして、エリシアがシリウスに向けて剣を構える。



<エルディル>が白い流星の如き輝きを放つ―――!



シリウスは必死にドラゴンから離れようとするが、ドラゴンは断固として離さない。




「いけっ!」

エリシアが投げたエルディルはプラズマ加速され、

超高速でドラゴンごとシリウスを貫いた。

ドラゴンは腹を貫かれ、

その腹に噛み付いて、なんとか逃れようとしていたシリウスの頭部に直撃した。



「うぐっ!?」

「シ、シリウスッ!?」


エリシアは腹を貫かれた痛みに苦しみ、

シリウスは頭を粉砕され、消滅。精霊剣の輝きが消える。



『天を・・も切り裂く白き雷よ・・・!我が・・手に集え!<サンダー・・・ボルト!>』




エリシアが放った雷が青空を白く染め、

呆然としていたフィリアを叩き落した。

そして、エリシアもそのまま落下。



「おい、すぐ救助だ!」

学園長が校庭に走る。




「シルフ!」


『はい、了解です!』


俺がシルフに声をかけ、意図を汲んだシルフは即座に風を操り、

二人を軟着陸させる。



「我は稲妻!<サンダー・ミグラトリィ!>」


俺も稲妻と化して治療へ向かう。

普通に考えれば、サンダーボルトが直撃したフィリアのほうがダメージは大きいのだが・・・


「おい、エリシア!大丈夫か!?」


「・・・アル?私は・・・一度も攻撃を・・・受けてないですよ?」



「馬鹿か、俺が気づかないとでも!?」

『――傷つきし者を癒す聖なる力――』



「ふふっ・・・そうですね。アル・・・ごめんなさい、術・・・を借りました」



「うるさい、黙って治療されとけ!」

『――汝、未だ輪廻転生の刻にあらず――』




「アル・・・リヴァイブ・・・はやり過ぎです・・・よ?」

『――汝、未だ冥府の門を叩く刻にあらず――』



「そんなのは俺が決める!」

『――蘇りて、その天寿を全うせよ――!』




『―――<リヴァイブ!>』









―――次回予告――――




♪~チャラッ、チャ~ラララ~ラ~!


「アイム・ジェントルマーン!」

「オーライ!」

「アル、状況を説明して下さい」

「何ゆえ?」

「アル、もういいです。絶対、勝ってくださいね」


次回、銀雷の魔術師、第五話:想い



「なぁ、エリシア・・・対人戦って書くの難しいな・・・」

「アル、ファイトです!」


「お兄ちゃん、私の試合は・・・?」

「悪い、色々あってな。多分カットか、簡略版だな」



「アル、次回予告が・・・・何があったんです?」

「・・・エリシア、知らないほうがいいこともある」

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