表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
銀雷の魔術師  作者: 天城 誠
第二章:三国魔法学校交流戦編・校内戦
26/155

第三話:疾風と爆炎の宴

「―――始め!」

学園長の合図で俺たちの戦いは始まった。


俺は風を巻き起こし、ガルシアは炎を巻き起こす。


―――先手必勝!

俺は<シルフィード>に魔力を集めた。

「いくぞシルフ!この勝負、俺たちがもらう!」


『ご主人様、サクっとやっちゃいましょう♪』


「風よ逆巻け!巻き起これ烈風!<テンペスト!>」

俺の前に竜巻が出現し、突き進む!




「燃えろ<レグルス!>風など焼き尽くしてしまえ!」

そういいつつ、ガルシアも魔法を発動。


「いでよ爆炎!全てを焼き尽くせ!<ヴォルカディア!>」

ガルシアの手から爆炎が生まれ、竜巻と衝突。






―――ズガァァン!





砂煙が舞い上がり、収まると、俺の姿は校庭には無かった。


「んな!?」


『ガルシア、上だ!』



そう、俺は上空で魔力を集めていた。

「天をも切り裂く白き雷よ!我が手に集え!<サンダーボルト!>」


「くっ、盟約によりて結ばれし―――」

ガルシアも咄嗟に何かを発動する―――!






――――ドガァァァァン!




校庭に激しい落雷。またしても砂煙が舞い・・・



「うはぁ~、そんなのアリかよ?」

俺は思わず呟いた。



「いきなり奥の手を使うハメになるとは・・・」

ガルシアが呟く。

その隣には・・・


『ふむ、噂どおりだな。申し訳ないが全力で行かせて頂く』

実体化したレグルスがいた。

巨大な獅子の形をした炎のようだ。

大きい。普通乗用車サイズはある。



・・・どうしたもんかな?

レグルスは炎の壁を展開してるので、突破は難しい。


『ご主人様、私も出ましょうか?』


「シルフ、どうやって出るんだ?仕組みが分からん」


『そうですね・・・ご主人様ならいけます、勘でどうぞ♪』


おい、なんて適当な・・・

が、戦闘中であり、議論してる暇はない。


こっちになんかレーザーみたいなのがバシバシ飛んで来るのだ。

まぁ、魔力を風変換しつつ、召還魔法でも使えばいけるだろう。


「我と契約せし風の精霊よ!我が魔力を糧に顕現せよ!」



一瞬白い閃光が視界を塞ぎ―――



―――シルフィードが実体化した。

もはや半透明ではなく、髪は明るい緑。

肌は白く、薄緑のワンピースを着ている。

なんか、俺と同い年か少し幼いくらいに見える。



「まぁ、さすがご主人様、完全に実体化させるなんて人間とは思えないですね♪」

褒めてるんだか貶めてるんだか分からないが、シルフはご機嫌のようだ。

というか、魔声じゃなく、地声だな。

風がしゃべったら・・・こんな感じなのかな・・・


・・・はっ!?戦闘中だった!

シルフは魔力を大爆発させてノリノリである。

「ふふっ、この風・・・この肌触りこそ戦場ですね♪」


「シルフ、戦闘中なんだが・・・」


「はっ!?すみません、実体化なんてもう久しくしてなかったですから・・・」

若干申し訳なさそうなシルフ。

むぅ、そんなこと言われると怒りにくい。


「<サンダーボルト!>」

とりあえず、レーザーを迎撃しつつ・・・


「シルフ、レグルスと戦って勝てるか?」


「ふっ、私を誰だと思っているのだ?」

声だけはカッコよくいったシルフだが・・・顔が笑っている!


「・・・はぁ、んじゃ頼んだぞ、シルフ!<サンダーブラスト!>」

とりあえずお手並み拝見。向こうはデカイのを一発溜めてるようだ。



「はい、ご主人様♪ シルフィード、いっきま~す♪」

気の抜けたセリフとは裏腹に、その体に莫大な魔力が集まる。


で、向こうの術が完成。


『万物を燃やし尽くす我が爆炎よ!ここに顕現せよ!<ブレイズ・ブラスター!>』

直径20メートルはありそうな極太ビームが発射される!


え~、嘘だろ~とか思いつつ現実逃避したくなった。

シルフに任せてるので迎撃の準備とかしてない。

と、シルフも魔法を発動

『其は風の旋律――ここに顕現し全てをなぎ払え!<テンペスティア!>』


正直信じられなかった。

こんな短い詠唱で?

俺とシルフの周りだけ無風地帯だが、すさまじい魔力の竜巻が発生し、

生徒が慌てて避難していく。


そして、魔力の炎を消し飛ばし、レグルスをも吹き飛ばし、ガルシアを弾き出した。




「――――勝者、アルネア・フォーラスブルグ!」

で、こんなときでも動じない学園長の号令で試合終了。



「なぁ、シルフ、強過ぎじゃないか?」

地上に戻りつつ、いまだ実体化中のシルフに話しかける。


「ふふっ、ご主人様との相性がいいのかもしれませんね♪」

シルフによると、相性で強さが全然違うとのこと。


「アルは渡しません!」

地上に戻ると、エリシアが駆け寄ってきて開口一番。


「大丈夫ですよ、私がご主人様のものってだけですから♪」

楽しそうなシルフ。


「ううっ・・・」

何かを苦慮するエリシア。


「・・・なんか知らんが、仲良くな?」


と、追加が来た。


「アル、さすがですね」

フィリアがにっこり笑いながら立っていた。



「ああ、フィリアの試合はいつごろ?」



「もうちょっと先ですね。うまく勝ち進めたらエリシアさんとあたって、

 もし勝てたら準決勝でアルと戦えます」


う~ん、エリシア対フィリア・・・どうなるのやら。


そのあと、ガルシアと軽く話した。

「俺は精進が足りない・・・だがいつか必ず勝つ!」


「おう、受けて立つぜ!」


で、その後は悠々試合観戦。


で、ジョン、リリー共に難なく勝利し、

エリシアも一瞬で勝った。

フィリアも一瞬で勝った。


一番気になったのはローラである。


ローラの相手は大柄な男子生徒だった。

試合が始まると、ローラは凄まじい勢いで走りこんだのだ。


相手の男子生徒は慌てて火の弾で弾幕を張ったのだが・・・


「―――遅いわ。<ミラージュ>」


ローラはなにも持っていないように見える手を素早く動かし、すべて消滅させ、

相手の鳩尾に蹴りを入れて勝った。

なんとなく魔力が手に集まってるのは見えるのだが、よく分からない。




で、俺はエリシア、リリー、ジョン、フィリアと一緒だったので見解をうかがう。

「なぁ、ローラがなにしてるか分かるか?」


「わからないです。でも魔力は手に集中してますよね?」


「お兄ちゃんでもわからないの?」


「アル、僕はパスで」


「アル、私はアルの意見をうかがいたいです」

む、フィリアに聞き返されてしまった。



「俺かぁ?んじゃ、魔力で剣を作ってる?」


「―――正解。」

うしろからローラの声がした。


「うおっ!?ビックリするだろ!?」

心拍数急上昇だよ!



「ごめんなさい。でも、どうしてわかったの?」

相変わらずポーカーフェイス・・・いや、少し驚いてる気がする。


「ん~?接近戦といえば剣だろ?」

わざわざ近づいてから迎撃するのだから、射程は短いのだろう。


「・・・そうね」

若干苦笑いされてる気がする。



その後、みんな順調に勝ちあがった。

ジョン以外。

ドンマイ、ジョン!相手が悪かった。

ジョンはエリシアに焼かれたのだ。



で、色々あって準々決勝だ。



俺の相手は、ゲイル・アイゼンシュタットとかいう十二家。

エリシアVSフィリア。

リリーVSエリス。

ローラVSカイゼル・イースティアとかいう十二家だ。


ローラ以外、全員十二家or皇族だ。



―――次回予告―――


♪~チャラッ、チャ~ラララ~ラ~!


ついに、エリシアとフィリアの譲れない戦いが始まる・・・


「エリシアさん、負けません!」

「・・・すみませんが、本気でいきます」

「全てを無に帰す白き焔よ!」

「切り裂け閃光の刃!」

「いやー、エリシアもフィリアもすごいやる気だな~」

「お兄ちゃん・・・誰のせいだと思ってるの・・・」

「鈍いよね」

「鈍いですね」

「我が盟約の精霊よこの地に顕現せよ!」

「我が鏡面の魂よ!此処に具現し従え!」

「天をも切り裂く白き雷よ、我が手に集え!」


フィリアの実力とは!?エリシアに秘策はあるのか!?


The majician of silver thunder.

Next Episode:「A bolt from the blue.」


ちなみに次回のタイトルは『晴天の霹靂』です。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ