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銀雷の魔術師  作者: 天城 誠
第七章:文化祭編
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第十四話:ミスターコン、シャルウィダンス?

8章がなんか色々大変そうなので、もう少しだけほんわかしたい…。

もう少しだけお付き合いください…。




『さーて、続きましてミスターコンです! 特別審査員として、ミスコンに出ていた方々にこちらの実況席にお越しいただいてます!』



エリシア『よ、よろしくお願いします…!』

フィリア『よろしくお願いいたしますね』

レイラ 『跪け、愚民ども!』

ローラ 『よろしくね~?』

アイナ 『わくわく』




『さーて、それではミスターコンの採点方式を説明します。こちらは単純にミスコンに出ていた方々に、それぞれのお題に関して10点満点で採点していただきます!

え、一部のヤツが有利? 本当にカッコよければそんなことは関係ありません!

 というか、学園長曰く『日頃からミスコンに出るような人と仲良くしてるという時点でそれはミスターラルハイトとしてプラス採点でもいいだろう?』とのことです!』



『というわけで、まず一人目! 燃える熱血大将! リック!』


『よろしくなッ!』


「「「3年の意地をみせろ~~!」」」

「「頑張って~~!!」」




『二人目! 1年の天才魔術師! アルネア!』


『よろしくお願いします』


「「アル、頑張って―――!」」

「「こうなったら優勝しちまえーー!」




『3人目、2年のモテ男! ルイス・フォングラッド!』


「「「きゃぁぁぁ! ルイス様―――――!」」」

「「負けちまえーーー!!」」

「ルイス様になんてこと言うのよ!?」

「お前らこそ、うるさすぎるんだよ!」




『というわけで、各学年から一人ずつでてもらっております。時間がないので早速第1問!

 ミスコン参加女性たちをナンパしてください。手段は問いません。

 なお、この問題は学園長からいただきました~!』



アル 『ふざけんな学園長!』

リック『俺にアイナ以外をナンパしろというのか…!? というかエリシアをナンパは無理だからな! 絶対0点じゃねぇか!』

ルイス『ふっ、僕にはその程度造作も無いね』




『えーと、シュチュエーションはダンスに誘えだそうです。思考時間は10秒!』


『なお、解答はあらかじめフリップに書いておいてもらい、他の人のを見て変更するのは不可です。ご承知ください』


………




『はい、解答をどうぞ!』



 俺は丁寧に一礼し、『シャルウィダンス?』なポーズをとってから、そっと微笑んで真面目な声で言った。



アル『……俺と一緒に踊ってくれませんか? あと、珍妙な魔法生物とリック兄さんについて熱く語りませんか?』



『おーーっと、まさかの個人攻撃っぽいものが入ってるぞ!? 得点どうぞ!』



エリシア『10点です…! えっと、丁寧な態度と話し方が完璧です…!』

フィリア『10点です。ふふっ、アルと話しながら踊ったら楽しそうですね』

レイラ 『8点! 余計なのがついてるけど及第点はあげるわ…!』

ローラ 『……9点』

アイナ 『これは10点ですよ! リックについて熱く語りましょう!』



『な、なんといきなり47点!? それでいいのかミスラルハイト達!?

 いやでも、これは皆優しい採点なのかもしれないですね。乱打戦かもしれません』





『さーて、次は学園一の色男と名高いルイスの登場だ! それではどうぞ!』



 確かにケイネスよりちょっと下くらいの物凄いイケメンであるルイスは、批判的に見ても優雅な足取りでステージに立ち、悩殺スマイルを浮かべて言った。



ルイス『お嬢さん、この私と一曲、ご一緒していただけませんか?』


「「「きゃぁぁぁーーーーッ!!」」」



 うわぁ、なんか2年生の一部からすごい歓声が…。

 やはりイケメンというのは何を言っても様になるんだな羨ましい。

 とか俺が考えてると、ジョージの声が響く。




『さぁ、ものすごい歓声です。これはいい得点が出るのではないでしょうか!?

 それでは、得点をどうぞ!』



エリシア『……嫌です…。3点』

フィリア『え、えっと…お上手でしたよ? 8点です』

レイラ 『なんというか、『この私と』とかナルシスト臭いわね。2点』

ローラ 『…悪くない。でも審査員が私たちなのが運のつき。尻軽そう。6点』

アイナ 『あまり誠実さが感じられないんですよね。熱さが足りません。7点』



ルイス『ば……馬鹿なっ!?』



 ルイスも思わず驚愕している。

 恐らくこんなこと言われたことなかったのだろう。


 エリシアはもうなんか無表情だし、フィリアも笑みが引きつってるし、レイラさんとか『はっ、これだから愚民なのよ貴様は!』という感じの表情だし、ローラはまだ酔ってるんだかいないんだか分からないが辛辣だし、アイナさんも得点の割りに評価が酷い!?


 とりあえず審査員のうち4人は誠実なほうがお好みのようです。

 …俺も気をつけよう。




『…な、なんと26点…。どうやら審査員の方々の好みとはズレてしまったようですね。

 ですが、ルイスさんなら次は合わせてくれるでしょう!

 それでは次! リックさんどうぞ!』




 リック兄さんは、普段からは考えられない優雅な足取りでステージに立つと、これまた普段からかけ離れたイケメンボイス(でもやっぱり熱い)で話し始めた。



リック『もしよろしければ私と一緒に踊り……そして貴女の好きなものについてのお話をお聞かせいただけないでしょうか?』



『うぉぉぉっと!? 言ってる内容はリックらしいといえばそうだが、な、なんで普段からこの声で話さないんだリック!? それでは得点をどうぞ!』




エリシア『さすがリックお兄さんです。8点です』

フィリア『ここまで丁寧にできる方はなかなかいらっしゃいません。10点です』

レイラ 『ならば魔法生物について暗闇が怖くなるほど語ってあげるわ。10点』

ローラ 『ダンスの誘い文句とは違う気がするけど、好きなものの話は悪くない。9点』

アイナ 『やっぱりリックは素敵ですね…! 10点です!』




『おおーーーっと!? なんと47点! これは審査員の好みの見極めが最重要か!?

 最初はちょっと『これ、アルネア君が何言っても高得点じゃね?』とか思いましたが、そういうわけではないようです!』




 うん、俺も正直何言ってもエリシアが高得点を出しそうで余計に気が抜けない。

 俺があまりに変な解答をして、それでも高得点だとエリシアが変な子みたいだ。

 それだけは断固として阻止する必要がある。






『時間がないのでバンバンいきましょう! つぎの問題です!

 ロマンチックなデートにしたい。最後はどこに行きますか?

 この問題は夢瑠さんから頂きました! ありがとうございます!』




『それでは、アルネア君どうぞっ!』



アル 『……星が見える丘』



『おっと、意外と普通でしょうか? 得点をどうぞ!』




エリシア『一緒に行きたいです…! 10点です…!』

フィリア『そうですね。……私も行きたいなぁ。10点です』

レイラ 『まぁ、魔法生物が観測できそうな場所ではあるわ。8点』

ローラ 『…星は好き。10点』

アイナ 『……いいかもしれないですね。10点ですっ』




『なんとここでかなりの得点! 48点だ! 合計なんと95点!』



『それではルイス君どうぞ!』



ルイス『君のために結婚指輪を…!』



エリシア『要らないです』

フィリア『……あの、ロマンチックなデートですよ?』

レイラ 『自意識過剰ね』

ローラ 『フィリアに言われるのはかなりの重症』

アイナ 『要するに、物で釣るってことですか?』



 …得点が発表されないんだが。

 慌ててジョージが声を出す。


『…え、えーと、得点はどうなってるんでしょうか?』



エリシア『……0点です』

フィリア『6点くらいでしょうか…』

レイラ 『なんかねぇ…。発想が嫌だわ。1点』

ローラ 『…早く審査員の傾向に気づいたほうがいいよ? 5点』

アイナ 『とりあえず流し目を止めてみたらどうですか? 7点』




 …なんか、可哀想になってきたんだが。

 ルイスのキラキラしていた美貌がどんよりしている。




『さ、さーて。次リック君どうぞっ!』



リック『夕焼けの海で……太陽に向かって走ろうぜっ!』



エリシア『……ロマンチックじゃないです…。5点です…』

フィリア『え、えっと…前半はよかったですよ? 7点です』

レイラ 『走る貴方を横で嘲笑ってあげるわ。10点』

ローラ 『……ロマンチックじゃない。6点』

アイナ 『………リック、それは違いますよ…7点…』




『おーっと、アイナさんから7点が出ました!? リック君落ち込んでいます!』


リック『…そ、そんな馬鹿な……!?』



『さーて、次の問題は遊莉さんにいただきました! ありがとうございます!

 お題のものを持ってくること! 今回のお題は学園長に決めてもらい、彼女へのプレゼントということに決定しました! 制限時間は10分です。どうぞっ!』




 せ、制限時間10分!?

 俺は慌てて劇場を飛び出し、とりあえず飛行魔法で一気に色々な店が立ち並ぶ、皇都の商店街のような場所に行った。



……10分経過。





『さーて、それではアルネア君からどうぞっ!』



アル『えーと、お揃いの四葉のクローバー型キーホルダーを』



エリシア『……かわいいです…! 10点です!』

フィリア『お揃いっていいですよね。10点です』

レイラ 『…まぁ普通ね。6点』

ローラ 『…うん、可愛いね。10点』

アイナ 『私もリックに買ってもらいたいなぁ…9点!』



『さーて、次はルイス君どうぞっ!』



ルイス『…最高級のダイヤのネックレスを…!』



エリシア『要らないです。4点』

フィリア『……重たくないですか? 気持ちが。6点』

レイラ 『というかダイヤってただの炭素よね。5点』

ローラ 『もらっても困るものだと思う。6点』

アイナ 『…で、でも綺麗ですね。7点』




『さ、さて次はリック君どうぞっ!』


リック『疲れが取れるハーブだ。美容効果もあるらしいぞ』



エリシア『ちょっと欲しいです…。9点です!』

フィリア『あっ、それいいですよね。10点です』

レイラ 『…なかなかいいブツじゃない。10点』

ローラ 『…いい匂い。9点』

アイナ 『私、感動しましたっ! 10点ですっ!』




リック 『ふっ、店主のおっちゃんのお陰で助かったぜ…』








『さーて、次の問題。自分のフェチについて語ってください。

 この問題は駿河 司さんからいただきました! ありがとうございます!』




 フェ、フェチ!?

 フェチってあのフェチか!?


 フェチ:身体の一部や衣服とかその他に「個性的」な執着を見せたりすること。



『それでは、アルネア君どうぞっ! なお、きちんとそれの良さを『語って』くれないと0点になるので注意してください』




アル『……え、え~っと…? 声とか? やっぱり一番意思疎通に使うのって声だろ? 安心できる声とか、和む声とか……そういうのっていいなと思うんだ』



エリシア『…私もアルの声が好きです……。10点です!』

フィリア『そうですね、私も声は大事だと思います。10点です』

レイラ 『……まぁ、分からないこともないわ。8点』

ローラ 『私ももっと話したほうがいいかな…? 10点』

アイナ 『うん、いいと思います。9点』





『またも高得点です! それでは次、ルイス君どうぞっ!』



ルイス『…ドレスだな。最も女性を美しく見せる衣装だと思う。やはり美しい女性が美しい衣装を着るのは素晴らしい』



エリシア『……見た目重視に聞こえます。6点です』

フィリア『でも、ドレスは綺麗だと思いますよ? 8点です』

レイラ 『ドレスとか重くて着たくないわ。7点』

ローラ 『言ってることは普通な気がするけど、何故かヘン。8点』

アイナ 『でも、ドレスは私も着たいですね。9点ですっ』




『おっと、持ち直しましたね! 次、リック君どうぞっ!』




リック『俺は…ッ! アイナの全てに対してフェチだっ!』



エリシア『…リックお兄さんが言うと何故か違和感がないです……9点です』

フィリア『ふ、不思議ですね。10点です』

レイラ 『はははっ、期待を裏切らないな。10点だ!』

ローラ 『ギャグ要員扱いね? 頑張って。9点』

アイナ 『私もリックフェチですっ! ……10点ですっ!』






次回予告!


『審査員が羨ましくなるようなリア充な話を語れ』

『主の命令には必ず答えるべし』

『他未定』


アル 『の3本? でお送りします!』

ローラ『次回でミスターコンは終わりかも?』


エリシア『たくさんのアイデアありがとうございました…!』


フィリア『とても沢山いただいたので、全部紹介することができないみたいです…申し訳ございません』


リリー 『本当にありがとうございました!』

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