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銀雷の魔術師  作者: 天城 誠
第七章:文化祭編
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第十話:匿名は名前が隠れるから意味があるッ!

はい、遅れてすみません! 30分遅刻です!

コスプレの描写に悩んだんですが……妥協しました!


遅れた理由はもっと別なところなんですが…。

読んでいただけたら分かる…かもしれないです!

『自由解答問題、第3問! 猫神 寝転さんから頂きました! ありがとうございます!

 男子が好きなコスプレベスト3に入っていると思うものを答えよ!ただし実際に着て!

 というわけで、一旦別室にて着替えてきていただきましょう!』



 というわけで5人とも移動し、選んでる最中の音声だけ聞いてみる。



エリシア『……わ、わからないです…っ!?』

フィリア『…こ、こういうのが好きなんでしょうか?』

レイナ 『ふっ、こんなもの造作も無いわ…!』

ローラ 『…面倒』

アイナ 『わぁ、これかわいいですね!』





………15分経過~~



『そろそろ時間ですが…。アルネア君はエリシアさんが何を着てくると思いますか?』

『…とりあえず、エリシアが着ればなんでも似合うと思いますよ』



『おっと、惚気ですか羨ましい…リックさんはどうですか?』

『……さっきもちょっと音声入ってたけどな、アイナは自分が可愛いと思った服を着てくるだろうと思う。そしてそのセンスがぶっ飛んでるんだけどな…』



『……えーと、大変ですね。それではそろそろ入場していただきましょう!

 最初の入場と同じ順番―――まずはフィリアさんからです!』





 というわけで登場したフィリアは純白の衣装に身を包み、ミスカートから健康的かつ真っ白な太ももを惜しげもなく晒し、聴診器を首から提げて頭の上にはちょこんとナース帽。




『―――えっと、それじゃあ胸の音を聞きますから……上着、脱いでくださいね…?』


 フィリアが首を傾げつつウィンクすると、会場は歓声に包まれた―――。

 でもそれ、どっちかって言うとナースというより女医さんっぽいセリフな気が…。



『―――というわけで、フィリアさんのコスプレはナースです! …いいですね。

 続きまして、アイナさんの登場です!』





 というわけで登場したアイナさんの衣装は――――。

 純白の豪華なドレスに、頭の上には小さなティアラ。


『リ、リック…! 好きです! 結婚してください…!』



 ――――ぶっ!?

 まさかのウェディングドレス+兄さんへのプロポーズだった。

 隣の兄さんを見ると、俯いてマイクを握り締め――――。



『俺もだ! 好きだアイナーーーー!』

『リック…!』



 そのまま兄さんは舞台上に駆け込んで、アイナさんと固く抱きしめあうのだった…。

 ついでに、観客席からも多種多様な歓声が飛び交う。


「おめでとーーー!」

「羨ましいぞーーー!」

「お幸せになーーー!」

「ご馳走様だよ、ちくしょーー!」




…………




『さーて、続きましてレイラさん、どうぞ!』



 というわけでレイラさんがチャイナドレスで登場。

 先ほどまで黒ローブを着ていたため、大幅露出度アップ+脚のスリットから太ももが見え、かなり妖艶だった。


『――――ふっ、私の魅力にメロメロになるといいアルよ…!』



 やべっ、なんかすごい名前を呼ばれてる気がしてしまう…。

 なんかすごくノリノリなレイラさんは腕を頭の後ろで組んで悩殺セクシーポーズ…。



『おおー、いいですね。アルネア君、リック君、ご感想は?』

『え? あー、いいんじゃないですか?』

『申し訳ないが、俺はもうアイナしか見えない…ッ!』




 に、兄さんが壊れた…。

 俺が解説の本分を真っ当しようとしているのに兄さんはアイナさんしか見ていなかった。






『さて、次行きましょうか。エリシアさんの登場です!』




 というわけでエリシアは―――。

 白衣に緋袴、髪と瞳の色も漆黒に変えて、巫女装束で登場した。

 エリシアが小さいせいでサイズが合ってないのか、袖のところを握り締め、緊張した面持ちでステージに立ち、恥ずかしいのか目を瞑ってマイクを握り締めた。



『―――あ、悪霊退散…! です…?』



 ……巫女さんって悪霊退散する人だっけ?

 という感じの疑問はあったかもしれないが、恥ずかしそうなエリシアが可愛かったので会場は歓声に包まれた。




『いやー、可愛らしいですね。アルネアくん、ご感想は?』

『…可愛いぞ、エリシア』

『あ、ありがとうです…!』




『さーて、ラストです! ローラさんどうぞっ!』



 ローラの服は、黒のワンピースに白のエプロンドレスで―――って、さっきと同じ!?

 ローラは登場したときと全く同じ、いわゆるメイド服だった。


『…お帰りなさいませっ、ご主人様☆』



 ……え、何? まさか魔法ジュース飲んできた?

 ローラは普段の無表情からは想像できないような恥ずかしそうな笑みを浮かべつつ、まさかのウィンク…。




 司会のジョージも思わず噴出した。


『ぶっ…す、すごいですね…!?』

『えーと、ローラは酔ってるんですかね?』

『いや、俺も今のは驚いた…』




『・・・はっ!? そ、それでは結果発表! こちらで集計した好きなコスプレランキング!

 まずは第3位、ナース!

 次に第2位、メイド!

 第1位、巫女です!

 というわけで、フィリアさん、ローラさん、エリシアさんに得点が入ります!』




 再び会場が大きな歓声に包まれ、ついでにこの服のままミスコンを続く…。





―――――――――――――――――――――――――――――――




『さて、ここで大問題が発生しました…! なんと尺が足りません!』

『…いや、ジョージさん? 尺ですか?』



『はい、そうです! 今は午後4時…ダンスパーティが6時半からなので、このままだとミスターコンとカップルコンの時間が……あ、ここで学園長から連絡が入りました』



『えー、生徒諸君に連絡。ミスコンが一番大事なのでミスターコンとカップルコンは簡略化する! なお、賞品などはしっかり出すのでご理解とご協力を宜しく! だそうです!』




『というわけで駆け足でいきましょう、次の問題です!

ハイボルトさんから頂きました! ありがとうございます!

 <初恋のエピソードを語ってください!>

 それでは、まずフィリアさんどうぞっ!』




 というわけで、ナース姿のフィリアが舞台の前に出てきて口を開く。

 ―――って、ちょっと俺のほうを見た気がするんだが、気のせいだよな…?



『…それではお話しますね。

 皆さんご存知の通り、私はこの国の皇女として生まれました。

 私はそのことに誇りを持っていますし、そのことを否定したりする気はありません。

 ……それでも、私の立場に遠慮してしまう方が多く、私を皇女として丁重に扱ってくださるので、私も皇女として立派に皆さんと接しなくては。と思っていました。


 正直に言うと、寂しかったです。

 それでも、それが皇女としての責任なんだ、仕方が無いんだって思っていました。



 そしてこの学園に入学して、サイバイバル合宿に行って驚きました。

 あんなに毎日皇女として必死に特訓してたのに、ある人に得点でボロ負けしたんです。

 というより3人に負けたんですけれど、その人だけやけに得点が高くて、すごく悔しかったのですけれど、きっと凄く努力してる人なんだろうなって思っていました。


 その人は実習授業で先生を倒しちゃったとか、他にも色々な噂が隣の私のクラスにも伝わってきて……。どんなもの凄い人なんだろうって想像だけ膨らんでて…。



 そして交流戦のチーム決めが始まって、皇女として勝てるチームを作るために、その人を誘いに行くんだって自分に言い訳して、会いに行ってみたんです。

 本当は凄く会ってみたかっただけなんですけれど…。


 そして隣の教室に行ってみて、その人はすぐに見つかりました。

 見た目は私が思ってたみたいな『もの凄い人!』って感じではなかったですけれど、魔力が凄く澄んでいて綺麗で、すぐに『この人だ』って分かったんです。



 そして、私も内心ドキドキしながら話しかけてみたのですけれど…。

 すごく気さくに話しかけてくれて、本当にビックリして……。


 思わず私も自分が話したかったみたいに……友達に話しかけるみたいに話しかけてしまって、驚かれたり変な顔をされたりするんじゃないかって思ったんですけど、そんなんことはなくて…。


 彼も友達と話すみたいに返してくれて、本当に嬉しかったんです。



 それから、彼と同じチームになることができて、チームワークは大事だからって自分に言い訳して毎日彼のところに行って話をして……どんどんそれが楽しみになって…。


 彼は毎日会いに行っても全然嫌そうな顔はせずに笑いかけてくれて…眠そうでしたけど。

 あと、彼といつも一緒にいる女の子は少しだけ嫌そうでしたけど、彼の良いところについて話し合ったら打ち解けてくれて……。


 彼の妹さんも、初めはすごく遠慮してたんですけれど…。

 彼が『気っていうのはな、遣うほうも遣われるほうも疲れるんだよ。お前も今疲れてるだろ? フィリアも今同じだけ疲れてるんだ。だからもっと砕けてやれよ』って。

 そのお陰で、彼の妹さんとも仲良くなれて…。




 あと、私がチームワークのためですって行って遊びに行って何日かしたある日、彼がこう言ったんです。

『チームワークならもう一人必要だな。よし、呼んでこよう』って。


 そう、交流戦は4人チームなので、もう一人いたんです。



 実は、正直に言うとその人は無表情で表情が読めないって思って勝手に苦手意識を持っていたんですけれど…。


『ヘイ、チームワークのためにトゥギャザーしようぜ!』

 って彼が話しかけたら、その人がほんの少しだけ笑ったんです。

 それで、無表情なんじゃなくて反応が薄いだけなんだって気づくことができて…。


 

 それで私も思い切って気さくに話しかけたら、その人はとっても優しい、いい人で…。

 彼のお陰で、私にはかけがえの無い友達と、友達といられる幸せができたんです。



 残念ながら告白して振られちゃったんですけれど、彼には本当にたくさんのものをもらいました。

 本当に…すばらしい初恋だったと思います……。

 皆さんも、私に気さくに話しかけていただけると嬉しいです…。


 ……アル、ありがとうございました…!

 エリー、アルを幸せにしてあげないと許さないですよ…?


 ぐすっ……。二人で、幸せになってくださいね…』

 





 そのままフィリアがぼろぼろと涙を流して泣き崩れてしまい、会場にフィリアを応援する声が響いた。なお、フィリアに配慮したのか俺への罵声はほぼ無かった。

 …後で色々酷いかもだが。






 とりあえず、フィリアは一旦下がって落ちついてから戻ってくるとのこと。

 



『……さて、この空気はキツイかもしれませんが、次はアイナさん。お願いします…』



 流石にジョージもここでテンションをあげるのは無理なのか、かなりしんみりした感じでアイナさんの初恋話が始まるのだった――――。






アル  「……なんだかものすごく申し訳ない気分ですが、次回予告です…」

エリシア「…えっと、結局できなかったほかの人のエピソードや、

     問題は次回にもちこします。ごめんなさい…」


アル  「次回、『先生、それ初恋とはちょっと違うッス!』」

エリシア「…アル、私は何を話せばいいんです…?」


アル  「あー…、俺とエリシアの出会いってあんまり話せないよな」

エリシア「あと、フィリアみたいに話せないです…」



他のキャラのエピソードは簡潔にいくつもりです。

なお、ストック切れですので更新ペースは通常…ではなく以前の平日ペースくらいに戻ると思います。

大体1日1話ですね。

調子がよければ3話くらいいけるかもですが。悪いと……。

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