E. 腰を落ち着かせる
でも、そろそろ腰を落ち着かせたい気持ちもある。
何度もギルドを転々としてきて、これ以上ギルドを移動するのも億劫になってきている。
そうなると、次のギルドで長く冒険者をやるのも悪くはない。
それが故に、次のギルドを慎重に考えているといっても過言ではない。
今までの傾向からして、嫌ならすぐに移動すればいいものの、すぐに移動すると、それはそれで、次のギルドの応募で印象が悪くなるのだ。
またすぐに抜けてしまうのではないか?そう思われても仕方ない。そうした人物を易々とギルドに参加させるにはコストがかかる。
しかし、世の情勢は、何が起きるかわからない。
腰を落ち着かせるというのもまたリスクとなる。
そうやって印象が悪くなっても構わないかもしれない。
むしろ、そういうギルドはこちらから願い下げすればいいのか。
そういう考えはできるも、本当に、実際に、そう行動できるかとは別だ。
流浪の冒険者となるか、腰を落ち着かせて、まるで大木のようになるか。
私はできれば前者を取りたい、とは思っている。
魔王にいくつもの大木が薙ぎ倒されるのを見たからかもしれない。
では、長く滞在しないことを前提としよう。
そこではあくまで、スキルを磨くような。
そう考えると、いや、そう考えても、どちらも成長の機会があるとも言えるし、ないとも言える。
それぞれ良いところと悪いところがあるのだ。
どの判断材料もぶれている。判断できない。
軸を置いていない。
私が求めている軸は、そもそも、あるのだろうか。
正直なところ、ない。
どういう場所に行っても、けっきょくは自分次第で成長度合いも変わってくるし、自分次第でどうにでもなる。
もっと先に、そう、この招待の、その後の、次のギルド、もっと先の、最終的に腰を落ち着かせるような、目指す先。
そういうのを決めない限りは、いくら検討しても無駄なのかもしれない。
先の未来、私はどういう冒険者になっていたいのか。




