# 15. 妥協
妥協。
私は何を妥協すべきなのか。
なにに対して、どうでもいいと、適当さを発揮させればいいのか。
報酬か、実戦経験か、仲間との交流か、派遣先の環境か、将来の安定さか、見栄か。
そもそも将来の安定さなんてものは保証できない。いくら考えても仕方ない。未来を考えるだけ無駄だ。
それは魔王襲来などが良い例だ。それは突然やってくる。それによって、いくつものギルドは解散した。
所属したギルドが同じようになっても、なることがあるかもしれないのだ。
その時の臨機応変で過ごす。それもまた楽しみでもあるわけだから、そこにはこだわらない。こだわる必要がない。
未来が不要であれば、大切なのは、過去なのか。
過去は思い出だ。後悔をなくすこと、これは大切であろう。あの時の選択、それに後悔することは多い。だからこそ、今こうやって迷ってしまうのか。悩んでしまうのか。でもこれが重要で、こうやって悩んで後悔しないようにしたいのだ。が、これもまた正解なのだろうか。どの選択をしても後悔するときは後悔するし、悩んだ分、考えた分だけ、後悔の度合いも増すのではないだろうか。
適当に決めたことのほうが割り切れる可能性はある。適当に決めたのだから仕方ないと。
だって、コイントスで決めたことに後悔するのか?
コイントスを使ったことには後悔するかもしれない。
そう考えると、後悔する時は後悔するし、後悔しない時は後悔しない。
過去のことを考慮するのは無駄なことなのかもしれない。
では今のことを考えればいいのか。
今、を考慮するならば、別にどのギルドでも問題ないのだ。それは今、希望しているところだからである。滑り止めを除いてだが。
今、何をしたいのか、どのギルドも、楽しそうではある。それは狩りが、というよりは、ギルドに所属することで受ける自身への恩恵、ギルドメンバーとの交流、などであろう。
どちらにも所属することはできないだろうか。
なぜ一つの場所に、一つのことに注力しなくてはならないのか。
時々は薬草取りを、時々は狩りを、時々は吟遊詩人を、してもいいではないか。
もちろん、それによって専門性はなくなる。
ほかの薬草取りよりも目利きはよくないだろうし、狩りも小物ばかり、演奏も下手くそ。
それはまるで訓練生のよう。それは成人ではないし、それではお金は得られないのだろう。
お金を得るということは、専門性を高め、そこに従事することで得られるといっても過言ではない。
専門性を高めることは重要であるが、そこはつまらないと感じてしまう。得られる知識が限定されたり、真新しいことがなくなるから。




