第10話 慣れ
慣れというのは人をダメにする。のだろうか。
私は慣れというのが嫌いかもしれない。それによって退屈が生じる。
いくらゴブリンを倒し続けても、それで報酬が得られようとも、つまらないのだ。
それがどのくらい人の役に立っているのか見えないからかもしれない。
もっと、街を襲ったドラゴンを討伐したとかなら、だいぶ違った印象を受けるだろう。しかしその能力が私にはない。
しかし、たまにはそういう大きい刺激が欲しいというのものだ。ドラゴンは言いすぎているから、では、オークなら?ハーピーなら?
それらも最初は苦労するかもしれないが、そのうち慣れてしまう日が来るかもしれない。
スライムは逆に簡単すぎて、ゴブリンよりもひどく飽きてしまうだろう。しかし、スライムにはいろんなことを試せるのはたしかだ。危険が最小限だからこそのチャレンジ。
それぞれ良いところを見出すことはできなくはない。
では、倒す敵ではなく、自身の行動を変えてみてはどうだろうか?
それこそ先ほどのスライムのように、いろんな属性を試せる機会はあっても嬉しい。また、攻撃魔法、防御魔法に限らず、補助魔法にもチャレンジできる。
魔法を使う側だけでなく、連携の司令塔として指示を出す人間になるのもひとつの挑戦であろう。
その上もまだまだある。ギルドの中心人物になって、ギルド自体を動かす。ここまで来ると、冒険者ではなく、ギルド管理者に近くなってくる。実戦はどんどん少なくなっていき、冒険者の管理に回るというものだ。
これも別に悪くはない。それなりにやりがいもあるだろう。
私は訓練生時代に、共にスキルを教えるのは嫌いではなかった。むしろわかりやすく教えることで、その魔法をより知れる機会にもなった。細かな分析の一部として利用する。そして活用する。完全に管理側になれば、活用する機会は減るが、半々くらいであれば、どうだろうか。しかし、管理もやりながら実戦にも行くのは、負荷が高い。私では手が足りないかもしれない。そこまで器用ではないからだ。そうなると、やはりやるとなれば、ひとつに絞ることになるだろう。
また、ギルド管理への道は、その先が絞れていく。実戦に戻れなくなるということだ。自分の身を自分で守れなくなる。その怖さはある。
大きいギルドでしか活躍できなくなるのではないか。そういう怖さもある。
それはそれでいいではないかと思われるだろう。世間的にみたらそうだろう。
飽きやすい自分からみたら、それはレールが敷かれたようで、苦行かもしれないのだ。
やはり私は貴族には向かないようだ。
だからといって、冒険者以外もなかなか考えられない。
昔は薬草取りも手伝ったのにも関わらず、なぜこうもなってしまったのか。




