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ゴスロリ優々子お披露目

 そして、1階まで逃げてきた優々子はというと、壁と胸に手を当て深呼吸し落ち着きを取り戻す。先程の妹の寧々子から聞いた怖い話など忘れようと自分に必死に暗示をかけ気持ちを入れ替え気合をいれる。


 そう、愛する義弟の緋影からゴスロリ服とはいえ、服をプレゼントされたのは初めてのことだった。そのことを思い出し優々子のボルテージは最高潮で絶対にいけると確信した優々子なのである。(何がとは言わない)


 その時、ハッと脳裏に呪いの人形ドールの姿が――――――ツインテールのゴスロリ服のりんねちゃんが思い出される。


 ほむ、と天才頭脳でスパコンよろしくと思考を巡らせる優々子が導き出す答えは――――――たった1つであった。


 一方、リビングにてアニメの視聴をしていた呪いの人形ドールりんねちゃんもハッとなった。リビングの扉の向こうから発情泥棒子猫の気配を感じたのである。『仕方ない。相手をしてやるかぁ』となるりんねちゃん。テレビを消しアニメの視聴を止めリビングの扉の方をいつの間にか向いて、扉の方をジーッと見つめて優々子の登場を待ち構える呪いの人形ドール


 待つこと数分リビングの扉が勢いよく開かれ、ババンバーンと登場したのはゴスロリ姿で髪をツインテールに結んだ利賀 優々トガ ユユコであった。背の低いチビッ子、ロリっ子の優々子が髪型をツインテールにすると本当にロリ度がマシマシであった。


 例えるなら、ロリ度どうしますか?マシマシでという感じのツインテールであった。本人はドヤ顔なので優々子自身はロリ度マシマシの自覚がないようである。


 まさに、ゴシックな服のロリータ(高2)の登場に呪いの人形ドールりんねちゃんはまさに人形ドールのように固まっていた。


「どうですか? 緋影? 似合いますか?」


 女子制服の観察を終えて、型紙を取る作業を始めていた緋影にロリ度マシマシのゴスロリ姿をデデンとお披露目する優々子。ノリノリでポーズを取って、セクシー(笑)にゴスロリ服をお披露目する優々子の方をチラリと見て、数秒後、視線を逸らし無言で作業に戻る緋影なのであった。


 りんねちゃんはというと、ゴスロリでロリータ(見た目)な優々子の登場で完全に状態異常フリーズ状態である。(人形ドールなので動かないのは当たり前なのだが……)りんねちゃんの背後に呪いの人形ドール現在フリーズ中という文字が浮かんで見える――――――ような気がする。


 セクシーポーズのまま首を傾げて、あれ?となる優々子。緋影が思っていた反応を返してくれなかったため、困惑している様子。彼女の脳内シミュレートでは、緋影から「すごく似合っているよ……優々子……さぁ、一緒に愛し合おう」と言われ、お姫様抱っこで抱きかかえられ一緒に自分の部屋にレッツゴーの予定だったのである。(呪いの人形ドールが無表情で、ぐぬぬとなる姿を添えて……)


 困惑しセクシーポーズのままにフリーズ状態となって静止している優々子と変わるように、ハッとなり意識を取り戻したりんねちゃん。あまりの衝撃的な光景に完全にフリーズ状態、思考停止してしまっていたのである。


 再起動したりんねちゃんのオッドアイの瞳に映ったのは、セクシーポーズで固まっているツインテールのゴスロリ幼女(高校二年生で生徒会長)優々子であった。


 優々子もまた再起動し、すぐに再起奮闘と、ソファに座って無言で作業を続ける緋影の背後に移動。必死に「あなたの優々子ですよ」「どうですか?」「緋影?」と囁きながらアピールを続ける健気なロリ子、否、優々子なのである。


 そんな彼女に対してりんねちゃんの痛々しそうなモノを見るような無慈悲無表情の視線がいつの間にか向けられていた。


 緋影は作業に夢中で背後の優々子に気づかない――――――ように見せかけて内心ではドキドキが止まらない。ちなみにこのドキドキはロマンティクスが止まらないドキドキではなく、ドメスティックでバイオレンスなドキドキであった。


(なんでゆゆ姉……あのゴスロリ服着てるんだ!? あれ……値段が安くて買った子供用のヤツなんだけど……ゆゆ姉なら、なにかに役立ててくれるかと思ってあげたのに……まさか、自分で着るとは……これ、もしかして……着ているゴスロリ服が子供用ってバレたら…………消される……のか!?)


 冷や汗が止まらない緋影は、サイズピッタリ子供用のゴスロリ服を着こなし背後でぴょんぴょん跳ねて「優々子ですよー♪」とアピールしてくるツインテールの義妹じゃなくて義姉に対して命の危険を感じていた。


 その時、気まずそうな無表情の緋影と唖然とした無表情ドールフェイスのりんねちゃんの視線がバッチリ合う。目と目が逢う瞬間、好きだと気づいた――――――訳ではない。


(もしかして、ゆゆ姉……りんねちゃんとお揃いコーデをしたかったのか? そんなにりんねちゃんのこと気に入ったのか?)


 自分が作ったゴスロリ衣装を身にまとい、こちらを向いてリビングテーブル上に愛らしく鎮座しているりんねちゃんの姿を見て、そんな突飛な発想に至るあたり、さすがは緋影である。

 

 りんねちゃんはというと、緋影の動揺しまくる無表情の視線に、ま、まさか旦那(旦那ではない)にロリコン疑惑発生となり無表情なのに動揺してるように見えるりんねちゃん。緋影の背後でぴょこぴょこと緋影にアピールしているロリ(JK)に危機感をつのらせる。


 とにかく、旦那である(旦那ではない)緋影を呪いの人形ドール好きの真人間(?)に戻さねばとなったりんねちゃんは覚悟を決めた。


 緋影が瞬きした刹那の間に、ゴスロリ優々子参上とばかりに取っていたセクシーポーズを緋影に向けて披露するりんねちゃん。瞬きした間に、いつの間にか立ち上がり、珍妙なセクシーポーズで自分の方がセクシーでゴスロリ服が似合っているとアピールしている人形ドールのりんねちゃんに流石の緋影も違和感が――――――まったくないようである。


 逆に緋影は刹那でセクシーポーズに変わったりんねちゃんに対して、全然違うことで動揺する。


(ゆゆ姉……いつの間にりんねちゃんにさっきのゆゆ姉と同じ珍妙なポージングをとらせたんだ!? やっぱり、りんねちゃんのことをかなり気に入ってるようだ……このままだと、ゆゆ姉にりんねちゃんを取られるかもしれない……それはなんとしても阻止しなければ……)


 緋影はセクシーポーズのりんねちゃんをガン見して考え込む。りんねちゃんはそれに気分を良くした。めちゃくちゃ気分が大きくなった。それはもう特盛だ。


 一方で、緋影は過去のゆゆ姉の暴君伝説を思い出したいた。欲しいものは何が何でも絶対に手に入れる優々子という人間に危機感を感じ、恐る恐る背後を振り返った。


 そこには、笑顔で怒りを示すツインテールのゴシックでロリータの優々子の姿があった。


「……緋影? どういうことですか?」


 天使の笑顔を浮かべ、冷静そうに見える優々子だが、緋影には彼女の背には炎が燃え上がり、額には怒りマークが無数に浮かび上がっているように見える。つまり、緋影的には完全に怒っているように見えていた。


「私に着てほしくて、この服をプレゼントしてくれたのではないのですか?」


 義妹じゃない義姉の優々子の圧が凄い。緋影は視線を逸らして誤魔化そうとするも、逃さないとばかりに緋影の顔を追ってジーッと覗き込んでくる優々子。その圧はヤンデレの如く物凄く強い。


「……あ、えーっと……まぁ、その……なんだ……あれだ……うん」


 チラリ、こちらをジーッと覗き込んでくる優々子の方を緋影は見る。ハイライトオフのツインテールのロリ子、否、優々子が見に映る。心のなかで、あまりに子供用のゴスロリ衣装が似合っている義妹じゃない義姉に対して、これはあかんとなる緋影はしどろもどろになり視線を逸らす。


「……緋影? どうなんですか? 似合っていますか?」


 優々子からヤンデレボイスで問われる。緋影の中では、似合っているか似合っていないかと問われるなら、もちろん、物凄く似合っていた。だが、似合っているのが緋影の中では問題なのである。


 だって、それ、子供用のゴスロリ服なのだから……。似合っていると安易に言えば、子供用とバレた時に多分自分はこの世から消されると恐怖を抱く緋影。だが、今、似合っていないなど答えたら、この瞬間にでも消されるそうであった。


 心のなかで、あ……これ詰んでるんじゃないか?となる緋影なのだが、相も変らず彼は無表情であった。


 そして、逃げるように優々子から視線を逸らした先には、いつの間にか別のセクシーポーズのりんねちゃんの姿が目に映る。


(これは……よくも子供用なんて買ってきたな……というゆゆ姉の怒りの現れなのか!? もしかしてすでにバレてるのか!? どうすれば誤魔化せるのか……なにかいい案はないものか……)


 りんねちゃんに優々子がセクシーポーズを取らせていると勘違いしている緋影は、またしても、優々子がいつの間にかりんねちゃんに珍妙なポージングを取らせたと勘違いしていた。


 りんねちゃんは、自分の方を凝視しながら、言い訳を必死に考えている緋影のことを自分のセクシーポーズに悩殺されていると勘違いしているようで、更に気分を良くしていた。ふふんと無表情なドールフェイスが自慢げのドヤ顔に見える。(見えるだけ)


 必死に緋影の顔を覗き込み圧を放ち続ける優々子の方を、いつの間にかジーッと見つめ、ニヤリと笑う(笑ってない)呪いの人形ドールは、優々子に対してどうやら似合っていないと言いたいらしい。


 いつの間にか愛らしく可愛いポーズを取っているりんねちゃんは自分の方がゴスロリ衣装が似合っているとロリ子、否、優々子に言いたいようである。そんな呪いの人形ドールの視線を感じて、優々子は呪いの人形ドールの方を見る。


 憎たらしい無表情のドヤ顔でニヤリと笑っている(笑っていない)りんねちゃんに対して、怒りの感情がぴょこぴょこと動くツインテールに現れ、怒り爆発な様子の優々子。


「なんですか? そのムカつくドヤ顔は……あっ!!」


 小馬鹿にしてくる呪いの人形ドールを見て怒りの言葉が出てくるも、途中で先程の寧々子の話を思い出した優々子なのである。


「お前……私に呪いをかけて緋影に取り憑くなんて……絶対に許しませんからね!!」


 突如として優々子に頭脳は大人見た目は子供とばかりにビシッと人差し指を突きつけられ突拍子もない事を言われたりんねちゃんは、いつの間にか首をコテンと傾げていた。こいつは一体なんの話をしているのだろうといった疑問顔の無表情を浮かべている呪いの人形ドール りんねちゃん。


 「何も知りませんって顔して誤魔化そうとしてもそうはいきませんよ!! 全て知っているんですからね!! お前が私に呪いを掛けて緋影を呪いの館に招いたことを!!」


 ドヤ顔で名探偵ロリコよろしくとそう言い放つ優々子。いつの間にか、逆サイドにコテンと首を傾げて、こいつほんと、何言ってるんだ?となるりんねちゃんなのである。


 そんなことより、お揃いのゴスロリ服を着て勝負を挑んできたゴスロリっ子の優々子との勝敗の方が大事なりんねちゃんなのである。負けを認めろとばかりに呪いの圧をロリ子、否、優々子に放つ。


「や、やめなさい!! そうやって、また私を呪いで操ろうとしても無駄ですよ!!!」


 突風に耐えるようなポーズでそう叫ぶ優々子を見つめる緋影。なにか知らないが、また、ゆゆ姉がりんねちゃんで人形遊びを始めたと勘違いした緋影は心の底から安堵した。これで、有耶無耶になったと考えたからである。さて、作業に戻るかとなった緋影なのであった。


「わ、私に取り憑こうとしても無駄ですよ!! 見なさい!! このお守りの数々を!! こんなこともあろうかと買い揃えていたお守り達です!! どうですか? 流石に取り憑くのは無理でしょう!!」


 おもむろにガサゴソと首からぶら下げゴスロリ服の下に装備、収納していたお守りたちを取り出して、呪いの人形ドールに見せつけ恐怖の涙目ドヤ顔でそう言い放つ優々子に、無表情で呆れるりんねちゃんは刹那の瞬間で消えた。

 

「……な、何? いつの間にか消えてる!? って……ま、また……頭に重みを感じるのですが!?」


 りんねちゃん、再び優々子の頭の上にライドオン!!


 全てを察したのかみるみる顔面が真っ青になり優々子は、いつの間にか作業に戻っていた緋影の方を見る。


「緋影? わ、私の頭の上……ど、どうなってますか!?」

「…………また、りんねちゃんを頭の上に乗せて何やってるんだゆゆ姉? まぁ……乗せるのはいいけど……絶対に落とさないでくれよな」


 緋影に呆れられながらそう言われた瞬間に優々子の悲鳴が家中に響き渡った。優々子の悲鳴に慣れたのかまたかとなった緋影は無視して作業に戻り、優々子の頭の上のりんねちゃんの方は、優々子の悲鳴を聞きながら愉悦とばかりに取り憑くとはこういうことを言うんだよというドヤ顔の無表情を浮かべていた。


 そして、恐怖でパニクるロリ子、否、優々子は、くるくるーと回転した。しかし、これではダメだと理解しヘビメタよろしくと激しいヘドバンをするも、これもダメ。ならばと、ぴょんぴょん飛び跳ねて兎の如く暴れまわる。


 そんな彼女を華麗に乗りこなすりんねちゃん。優々子の体力が限界を迎え息が切れる。暴れるのを止め、ぜぇぜぇと肩で息をする優々子に対して、りんねちゃんは余裕の無表情である。


 一部始終を見ていた緋影は全くりんねちゃんを頭の上から落とさない優々子に対して無表情で感心し拍手を送る。


「ゆ……ゆゆ姉……凄いな……さすがゆゆ姉だな」


 その緋影の言葉に対して、ギロリと優々子の殺意の視線が緋影に向けられる。


「………………なぁ、ゆゆ姉……今の動画にして投稿したら……バズる?んじゃないか? 動画撮ってい……」

「ダメに決まってるじゃないですか!! とりあえず、緋影!! こいつ取ってください!!!」


 そう怒鳴りながら緋影に頭を差し出してくる優々子。ちょっと残念そうな無表情な緋影は、優々子の頭の上で満足そうな無表情のりんねちゃんを抱きかかえる。そして、りんねちゃんと優々子の視線がバッチリ合う。


 どう?取り憑かれた気分は?とドヤ顔の無表情のりんねちゃんに、ぐぬぬと悔しそうな表情を浮かべる優々子。これがほんとの取り憑き……なんちゃってと無表情でおちゃらけるりんねちゃんなのであった。


 そんな、よくわからないやり取りをしていると再びリビングの扉がガチャリと開かれるのであった。

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