決戦 三時間前……
「フレデリカさん。この無線は絶対に切断しない様にお願いしますね。障害などで切れてしまった場合も自動で再接続されますので冷静に対処して下さい」
凛ちゃんが小さな機械を耳につけてくれた。ちょっとだけくすぐったい。
「ありがとう凛ちゃん。この機械を使って指示をくれるのよね?」
「はい。真琴さんが作戦全体の指揮をとります。本番は真琴さんからの指示が飛ぶはずです。おそらくは隕石落下地点の座標が知らされると思います。聞き逃さない様にお願いします」
「わかったわ。その後のことは任せて。私と蒼の剣で絶対に何とかするから」
背後に浮かぶ美しい剣を、親友となった凛ちゃんの見える様に上半身を捻る。
「よろしくね蒼の剣さん。私もあなたとお話し出来ればいいのにね。よしよし」
子供をあやす様に、蒼と剣を撫でる。
多分だけど、その気があれば私以外の人とも思念的にコミュニケーションが取れると思うんだよね。
私との会話は饒舌だけど、意外と人見知りでシャイなのかもしれない。
「多分だけど、今回の件が片付いたらこの子のこと、ちゃんと紹介できると思うわよ」
「本当ですか⁉︎じゃあ楽しみにして、フレデリカさんと蒼の剣さんの帰りを待っていますね。秋葉原文化に染められた影響かもしれないですが、喋る剣と会話するなんて憧れなんですよ。いわゆるエモいってやつですかね」
『エモい』の意味は分からなかったけど、きっとプラスな感情表現なんだろう。だって凛ちゃん。こんなに嬉しそうにしている。
「こんなにギリギリな状況なのに凛ちゃんはすごいわね。私なんて、ちょっとだけ緊張してきちゃったし」
「フレデリカさんの事を信じていますから。巫女さんも何か対策をしているみたいですし」
「巫女さんが?そうなんだ。なんか姿を見ないと思ってはいたけど」
「彼女の実家って神社なんですけど凄いんですよ。ここだけの話、縁結びの御守りなんか百パーらしいんですよ。好きな人に渡せば絶対に結ばれるみたいな。もはや『呪い』ですよね。まぁ、私も一つ持っているんですけど、いまだに相手が見つからないんですよね。ははは。同居している男性がいるんですけど、その人が持っていたりして」
えっ?そんな凄いわけ?私も一回行っておこうかしら。
作戦開始まで……あと三時間。




