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【完結】My² Gene〜万能遺伝子と宵闇の光〜  作者: droegg
8章 URAZMARY[牢星]
87/91

別れ

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【登場人物】

 [サンダー・パーマー=ウラズマリー]

 金髪の活発な青年。電撃系の能力を持つ。

 サンダー・P・ウラズマリーから「プラズマ」というあだ名で呼ばれる。

 遺伝子能力養成学校高等部を卒業し、輸送船に忍び込んで宇宙へと旅立った。


 [バリス・スピア]

 元軍医で、毒の能力を持つ医者。

 薄紫で、天を衝くようなツンツン頭。目つきが死ぬほど悪い。

 どんな病でも直す幻の植物を探すため、医星を出てプラズマと旅をすることになる。


 [水王(スオウ) 涙流華(ルルカ)

 元名家・水王(スオウ)家の侍で、水の遺伝子能力者。

 プラズマ達に妹を救われた一件で、自分に足りないものを探すため、水王家当主から世界を回ることを命じられる。


 [ラルト・ローズ]

 白色の長髪で、いつもタバコをふかしている政府軍中佐。

 口が悪く、目つきももれなく悪い炎の遺伝子能力者。

 政府軍内の裏切りにより、軍を退官してプラズマ達と旅に出ることを決心する。


 [レモン・ポンポン]

 褐色高身長、彫の深い濃い顔にアフロがトレンドマークの伝説のエンターテイナー。

 娯星テロ事件の後、プラズマと涙流華に強制的に同行させられる。ガタイの割にビビり。


 ▼政府軍

 [ラバブル・ラバーズ]

  政府軍元帥。褐色の肌に白髪、眼帯をつけている。今回の牢星調査の指揮を執る。


 [アイリス・ローン]【鬼神】

  政府軍中将。ピンク色のロングヘアで、見た目は少女のような風体。ギリギリまだ34歳。


 ▼Masters

 [ガウディオ・ジア]【瞬炎】

 Mastersの一人。電撃の遺伝子能力者。森星でプラズマ達と共闘する。


 [ルーノ・スクラブ]

 プラズマの級友。ガウディオの助手という形で行動している。セリナとは犬猿の仲。


 ▼殷生師団

 [アクスグフス・グシェ]

 師団のリーダー的存在。


 ▼その他

 [セリナ]

 プラズマの幼馴染の女の子。

 勤勉で真面目な性格。氷の能力、封印系煉術を操る。


 [レオン・アイシー]

 セリナの師匠。氷の能力と封印の能力を操る。


 [アリス・ジア]

 プラズマの師匠。電撃系の能力を持つ女性。ガウディオ・ジアの妹。


≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡

【お知らせ】

 書くのは楽しいだすなぁ


≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡

 

 殷界(いんかい)殷獣(いんじゅう)の力が呼び起こした次元の狭間への入口。

 そこに引き込まれるプラズマを止めるため、セリナとレオン手を繋いで横並びに立つ。


 2人が極限まで集中力を高めると、セリナはある高等煉術(れんじゅつ)を発動させた。



 反唱(はんしょう)

 

 任意の事象を反転させる煉術。あらゆるエネルギーの移動を逆転させることができる。

 反唱は最高難度の煉術として知られており、使用できる者は極僅かだった。


 反唱を高難度たらしめたのはこれが基本の煉術、基唱(きしょう)であったからだ。


 遺伝子能力養成学校の中等部、高等部で習う煉術が基唱。

 学生たちは基唱の中でも修得し易い煉術を学ぶ。


 火唱(かしょう)

 水唱(すいしょう)

 風唱(ふうしょう)

 土唱(どしょう)

 雷唱(らいしょう)


 これらが学生の学ぶ基唱。


 その他にも基唱の分類には木唱(もくしょう)氷唱(ひょうしょう)鉄唱(てっしょう)などがある。

 

 基唱は単純であるがゆえに替えが効かない。


 複合煉術であれば、色々なアプローチの仕方がある。

 複合煉術である轟唱(ごうしょう)の殆どは、今までに煉術を研究してきた者たちによって、その轟唱を発動させる()()()を紡いできた。


 そのため、複合煉術の轟唱を学ぶ者達はそのレシピ通りに基唱を組み合わせて発動させる。


 水唱と風唱を組み合わせて雨唱(うしょう)としたり、さらにそれに雷唱を合わせて嵐唱(らんしょう)としたりといったようにだ。


 基唱は言わば素数のようなもの。分けることはできない。


 そんな替えの効かない基唱の中で、高難度の一つとして数えられるのが封唱(ふうしょう)反唱(はんしょう)だった。


 その高等基唱をセリナとレオンは互いの力を連携させることで発動させたのだ。



反唱(はんしょう)!」


 セリナとレオンは手を繋いだまま、プラズマの方へと駆ける。

 プラズマから約10メートルの地点で、次元の狭間に引っ張られるような引力を感じ取る。 

 5メートルのところですでに引き返せないと分かるほどだ。


 プラズマの元に辿り着いたセリナとレオンはアリスとガウディオを見る。

 アリスもガウディオも呆れたように彼らを見つめ返した。

 レオンとセリナが空いた手でプラズマの体に触れると、反唱が発動し始める。

 

 逆転させる対象はプラズマの移動方向。


 殷界の狭間から吸い込まれていくプラズマに対してだけ、ゆっくりではあるが逆方向に動き始めた。


 しかし反唱が適応されるのはプラズマのみ。

 セリナ、アリス、ガウディオ、レオンが引き込まれていくのは止まらない。


 引き込まれていくセリナ達とは対照的にプラズマは殷界の狭間から離れていく。


 プラズマが殷界の狭間による引力の範囲外に出たところで、吸い寄せられる力から解き放たれ、倒れ込んだ。


 プラズマは暴れるようにもがくが、セリナの封印系煉術によって縛り上げられていたままだった。


「プラズマ!」

 ルーノがプラズマに駆け寄るが、暴れているため介抱もできない。


 その様子を見ていたレモンは不安そうにヒューマッドに尋ねた。

「あれってまだプラズマ暴走してるんです……してるんだよな?」」

  

「その様だ……お嬢様達でも無理なら、私達にはどうしようもない…あの青年も…」

 空間に吸い込まれていくアリス達4人は抜け出せないような様子だった。

 そのため、もし今の状態でプラズマが暴れ出した場合、アリス達抜きで止めなければならない。

 それもヒューマッドと、ほぼ非戦闘員と言っていいほどのレモン2人のみでだ。



「プラズマ!!」

 エレベーター方向からレモンの聞き慣れた声が響いた。レモンが声の出処に目をやるとラルトの他に見知らぬ顔が二つあった。

 現れたのはラルト、アルティマ、そしてバイス・ギガだった。


 褐色肌に黒い長髪の囚人、バイス・ギガはプラズマを認めるや声を上げる。

GIGA(ギガ)の暴走はあの青年だ!」


「やっぱそうじゃねぇかと思ってたんだよ……あいつはいっつも騒動の中心にいるからな…」

 ラルトはタメ息をついてそう言った。


「私が彼のGIGAの量を調節する!」


 バイスは全身を暗赤色に染め上げると、研究施設の中心で拘束されたプラズマの元へと飛んだ。


 ラルトと囚人のアルティマも彼に続き、ヒューマッドもプラズマの元へと駆けていくと、レモンも遅れまいと走り出した。


「かなり濃度が高くなっているな…!」

 バイスがもがくプラズマの額を左手で掴むと、バイスの左手から暗赤色の光が漏れる。


 しかしプラズマは嫌がるようにバイスの腕に噛みつこうとしたり、頭を振った。

 するとバイスは、仰向けに倒れていたプラズマを片手でいとも簡単にひっくり返すと、彼の上に膝を置いて押さえつけた。


「かなり暴れるな…! この青年は一体なんだ…!?」


 そうしてプラズマを抑えながら額に手を当てて30秒ほどが経った時だった。


 暗赤色に染まっていたプラズマの肌は徐々に元に戻っていく。

 プラズマは暴れたりもがいたりすることもなく、静かに呼吸をし始めた。

 駆け寄るラルトがプラズマに声をかけた。

「おい! プラズマ!! 大丈夫か!!?」


 聞き馴染みのある声に安心したのか、大きく息を吐いてから答えた。

「ラルト…俺どうなってんだ…? 気づいたらグルグル巻きだし…」


「俺もよく分かんねえけど、お前暴走してたんだよ…! てめぇ心配かけやがって…!」


「ラルト! プラズマ!」

 響く女性の声。

 研究施設のエレベーター口に涙流華とバリスが現れる。

 2人はプラズマ達の元へと急いで駆け寄った。

 

「プラズマ! お前の叫び声聞こえたときはどうしたかと思ったけど、今は大丈夫みてぇだな」

 バリスのみが聞き取ったプラズマの咆哮。

 それを聞いてからバリスは涙流華に説明をして、ここに急いだのだ。

 

 プラズマ達が再会を喜び合っている間に、ルーノはセリナに呼びかける。


「セリナ! もう解いてもオッケーだ!」


 すでにガウディオのAGISが解除され、鈍化も解かれているため、セリナは“分かった”と言い右手を挙げて封印を解いた。


 セリナの声に気づいたプラズマは、すぐさま彼女の方に振り向く。

「セリナ! …アリスにガウディオ! レオンさんまで!」

 

 血に染まったような空間の狭間に吸い込まれていく4人。

 抜け出そうとする様子もなく、諦めているようだった。


「何やってんだよ! 早く助けに…」

 プラズマが立ち上がってセリナ達のところへと走り出そうとした時だった。

 ルーノが彼の肩を抑えた。


「やめろ! それ以上近づくな! 4人は命懸けてお前をあそこから脱出させたんだ!」


「命懸けて…? どいうことだよ! セリナ!」


 興奮するプラズマに答えたのはバイスだった。

「あれは殷界という殷獣達が生み出した次元だ。入口は一方通行。一定の範囲から吸い寄せられ、近距離では抜け出すこともできない」


「あそこまで行ってしまってはどうしようもない。諦めるほかない」


「殷獣の力の(もと)はアンタらギガ家の力なんでしょう!? なんとかできないんですか!?」

 ラルトはバイスに詰め寄った。


「殷獣達の力は我々ギガ家から派生して作られた力。私たちにはあの次元を操作する力はない」


「IMICの皆さん!!」

 セリナが突然声を上げた。


「どうか……どうかプラズマをよろしくお願いします…! プラズマの旅の手助けを…!」


 そして次にルーノに呼びかけた。

「ルーノ! アンタなら少しは信頼できる…! 絶対にプラズマを助けてよ…!!」

 いつもライバル視してきていたセリナからの予想外の言葉。思うところがあるのかルーノは唇を噛み締めて(うつむ)いた。



「プラズマ! 私たちのことは大丈夫だから! 必ず自力で戻るから…!」

 セリナは涙声で叫ぶ。


「プラズマはプラズマの旅をちゃんと続けて!! 絶対に負けないで!!」


 持てる力で大声を張り上げたセリナ。

 その顔はやり切ったという満足気な表情だった。


 そんなセリナを抱きしめたアリス。

「プラズマ、すぐに戻る。ちょっくら散歩してくるわ」

 アリスは強がっているのか、敢えて余裕な様子を見せた。


「セリナ! アリス! ガウディオ! レオンさん!」

 プラズマはルーノに抑えられながらも、必死に声を上げた。


「俺が絶対に見つけるから…絶対死ぬなよ……!!」


「うん…」

 セリナが小さな声で答えるとともに、殷界…殷獣達の次元に呑まれていく。


 そして完全に4人を呑み込んだところで、空間の亀裂は蒸発するように宙に溶けていった。



To be continued.....

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