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【完結】My² Gene〜万能遺伝子と宵闇の光〜  作者: droegg
8章 URAZMARY[牢星]
86/91

遺伝子情報

 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡


【登場人物】


 [サンダー・パーマー=ウラズマリー]

 金髪の活発な青年。電撃系の能力を持つ。

 サンダー・P・ウラズマリーから「プラズマ」というあだ名で呼ばれる。


 [電撃の人影]

 プラズマの中にいるという電撃が形作った人影のような存在。

 声変わりする前の少年のような声をしている。背はプラズマより少し低い。

 

 [白い半透明の人影]

 プラズマの中にいるという白い半透明の人影。

 穏やかで強かな女性の声をしている。背はプラズマと同じくらい。

 

 [暗赤色の獣のような(もや)

 プラズマの中で暴れている暗赤色の靄が集まり形作った獣のような存在。

 四足歩行で邪悪な気を放っている。凶暴で身体能力が高い。


 [“黒い太陽”のような人影]

 プラズマの中にいるという黒く光り輝く人影。

 “黒い太陽”のようだと形容される。成人男性の声で背はプラズマよりも高い。

 

 

≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡

【お知らせ】

 前書きの登場人物が6章から、構想時点の

やつになってたので、全て修正していきます…

 目も節穴や…


≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡


▼▼▼


「いいか。今お前が使えているのは、俺達の力の上澄みだけ」

 電撃の人影はプラズマにそう告げた。

 

「特にお前の力の大部分を占めているのが俺だ」


 プラズマは電撃の人影を適当なあだ名で呼んだ。

「ビリビリ!」


「ビリビリ? まさか俺のことじゃないだろうな?」


「お前に決まってんだろ!」


 呆れたように首を振る電撃の人影。一度間を置いて説明を続けた。

「いいか。お前が使えている上澄み以上の力を、俺達は使うことができる。でも俺達がそれを使っても今のお前には見えない」


「お前が見ることができるのは、()()()()()使()()()()()()()()()まで」


「意味が分かんねぇ……」

 プラズマの頭の上にはクエスチョンマークが浮かんでいる。


「つまりはだ。あの獣を捕らえようと俺達が高度な力を使えば、お前はその俺達の力を見ることができない。よって攻撃のタイミングも取りづらい」


「じゃぁどうすんだよ!」


「俺とあの半透明の人影で●●●●(暗赤色の獣)の動きを止める。その間にお前が獣に触れて“止まる”よう指示する」


「今の俺達だけじゃ時間稼ぎをすることはできても、止めることはできない」


「頼んだぞ」

 電撃の人影はそう言うと、獣と交戦中の半透明の人影に呼びかける。


●●●●●●(半透明の人影)! 俺達で●●●●(暗赤色の獣)を足止めする! その間にコイツが止める!」


「分かった!」

 半透明の人影の声は女性のものだった。優しく穏やかでありながら凛とした声。

 芯の強い女性。そんな印象を抱かせた。

 頭部からは半透明の(もや)が長い髪のように揺らめいている。


 半透明の人影はプラズマの方を向くと声を掛けた。

●●●●●(プラズマ)。頼んだよ」


 獣はプラズマの存在に気付くと、より一層濃い(もや)を放ち始める。

 プラズマを標的に定めると、獣は高速でプラズマへと襲い掛かっていく。


●●●●●(プラズマ)! 呆けてるヒマはないぞ!」

 電撃の人影が横から獣に組み付くように体当たりを喰らわせると獣を蹴り飛ばして間合いを取り、プラズマの前に立った。


 獣は体勢を立て直すと、血煙のような(もや)を発し始めた。

「あいつ…姿を(くら)ませるつもりか!?」


 プラズマがそう言った途端、左側から風を切る音と肌が痺れる感覚を感じ取った。


 プラズマが左を向くと眼前には、すでに距離1メートルもないくらいまで近づいてきている暗赤色の獣がいた。


●●●●●●(半透明の人影)! 防御だ!!」

 電撃の人影の呼びかけによって、半透明の人影はプラズマの顔面と首元を守るように鉄の筒を出現させる。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()……その透明の筒が徐々に鉄に染まっていくように形作られた。


 獣も負けじと牙を鉄化させて鉄の筒へと嚙みつき、食い千切ろうと頭を振っている。


 半透明の人影が再度手を掲げる。


 次は、元々そこに透明の(あぎと)があったかのように……徐々に虹色に染まっていくように形作られた。

 その(あぎと)は獣の左の腹部に猛スピードで喰らい付くと、プラズマから引き(はが)した。


 獣は咄嗟に全身を鉄化させていたが、虹色の牙によって左腹部を食い千切られていた。


 何とか立ち上がろうとする獣。

 獣に向けて電撃の人影が鉄でできた2本の棒……レールを伸ばした。


 そのレールの間隔は約30センチメートル。電撃の人影の前から始まるレール間には、直径10センチメートルほどの鉄球が浮かんでいた。


「吹き飛べ!!」


 電撃の人影が能力を発して電気を流すと、程なくして鉄球はレールに沿って超速で撃ち出された。


 獣は何とか避けようと体を少し逸らすが、右の前足が消し飛ばされた。


「すげぇ……!」

 見たことのない技に、プラズマは声を無意識に漏らしている。


「やれっ! ●●●●●(プラズマ)!」

 電撃の人影はプラズマに呼び掛けた。


 プラズマは電撃化すると、重傷状態の獣へと手を伸ばして突撃する。

「止まれーーーー!!!」



―― ツ…オゲ…アー ――


 

 しかしその瞬間、()()に男の声が薄く響くと、()()()を除いた全てが白黒となり、()()()を除いた全ての時間の流れが遅くなっていく。


「こ…れ……は…………」

 電撃の人影は鈍化していきながらも、背後に振り向き“黒い太陽”のような人影目配せをした。


 “黒い太陽”のような人影には依然として色があり、動きも鈍化していない。

 彼は呆れたように立ち上がると、タメ息をついた。

「こんな(まが)い物の力…」


 黒いフレアを放つように能力を発すると鈍化していた世界が元に戻り、色も戻っていく。


 鈍化が解けた半透明の人影がプラズマに対して叫んだ。

「今よ! ●●●●●(プラズマ)! 早く獣を止めて!!」


 それでもまだ3本足で逃げようとする獣の右の後足を、半透明の人影が虹色の(あぎと)で食い千切る。


 動きの止まった獣の顔面に触れると、プラズマは力強く叫ぶ。

「止まれえ!!!」



 その瞬間、世界は何かに抑えられるように青白い光の鎖によって封じ込められた。


 しかし、その()()に反抗するように獣から邪悪かつ巨大な気が発せられる。


「マズい……! ●●●●(暗赤色の獣)の力が増幅していってる……このままじゃ空間が開くぞ……!」

 電撃の人影はプラズマの後ろ襟を掴むと獣から間合いをとった。


「何が起こってんだよ! ビリビリ!!」


「あの獣の力が想像以上に暴走している……あいつ…自己回復できる空間に入って体を修復するつもりだ……!」


「自己回復できる空間…?」


「そうだ…! あの獣達が利用する空間……次元と言った方がいいか……」


「そこに入ったらどうなるんだよ」


「結論的に言えば、1週間もすればあの獣にお前を含め俺達も乗っ取られる」


 プラズマは焦ったように電撃の人影に詰め寄った。

「じゃぁどうすんだよ!」


「今の俺達にはどうにもできない……」

 電撃の人影は力なく首を横に振った。


 半透明の人影も為す術なしといったように、プラズマ達と並んで獣の暴走をただ見つめている。

「まずあの空間に引き込まれないようにしなきゃいけない上に、仮にそれを逃れても暴走する獣をどうにかしないと……」


 すると世界は血に染まるように段々と赤黒くなっていく。

「次元が開いたか……! 吸い込まれるぞ……!」


 咆哮する獣の方から暗赤色が強くなってきている。獣の発生させた空間が迫ってきているのは明らかだった。




―― …唱 ――



「セリナ!?」

 世界に聞きなじみのある声…セリナの声が響く。


 彼女の声が反響するとともに、世界を侵食していた暗赤色は獣の背後へと褪色し始めた。


「ラッキーだ……外的要因で奴の発生させた空間からは逃れられたようだ…!」

 しかし獣に世界を乗っ取られなくなったとはいえ、未だ暴走状態の獣を止めなければならない。


「暴走を止めるまで消耗戦をするしかないわ」

 半透明の人影はそう言って、獣に対して構えた。


 その時だった。

 


―― …ラズマ! ――



 次にラルトの声が世界に響き渡る。

 そして程なくして暴走状態の獣は沈静化していった。


 獣はその場に倒れ、赤黒い血の煙とともに蒸発する。

「やったのか!?」


「いや、お前が生きている限り、あいつは時間が立てばまたここに復活する」


「あの獣は何なんだよ!」


「悪いが別の存在のことを伝えることはできない。お前が直接話して理解するしかねぇんだ」


「ならお前のことを教えてくれよ!」


「俺のことについて話し合いたいのは山々だが、お前がまだその状態にない。伝えられないんだ」


「とにかく……危難は去った。お前は()()


 そしてプラズマは白い光に包まれた。


To be continued.....

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