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【完結】My² Gene〜万能遺伝子と宵闇の光〜  作者: droegg
第3章 サムライの星 [戦星]
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水王家からの同行者

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【登場人物】


 ▼何でも屋(IMIC)


 [サンダー・パーマー=ウラズマリー]

 金髪の活発な青年。電撃系の能力を持つ。

 サンダー・P・ウラズマリーから「プラズマ」というあだ名で呼ばれる。

 遺伝子能力養成学校高等部を卒業し、輸送船に忍び込んで宇宙へと旅立った。



 [バリス・スピア]

 元軍医で、毒の能力を持つ医者。

 薄紫で、天を衝くようなツンツン頭。目つきが死ぬほど悪い。

 どんな病でも直す幻の植物を探すため、医星を出てプラズマと旅をすることになる。



 ▼水王(すおう)

 [水王 千里華(チリカ)

 深い青色のショートカットの少女。元名家の水王家の忍び。

 戦星(せんせい)の荒野で襲われているところをプラズマ達に助けられた。

 水王家軍団長のルルカは実の姉。


 [水王 涙流華(ルルカ)

 深い青色のポニーテールをした水王家軍団長を務める女サムライ。

 非常に戦闘力が高く、冷静沈着。チリカの姉。


 [水王 木勝(キショウ)

 水王家十代目当主で、ルルカ、チリカの父親。



 ▼その他


 [セリナ]

 プラズマの幼馴染の女の子。

 勤勉で真面目な性格。氷の能力を操る。


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挿絵(By みてみん)



 ~如月との戦いから3日後~



 広間には木勝(キショウ)が1人立っていた。

「すまんな、プラズマ殿、バリス殿」


「いやいや、用って?」

 プラズマがいつもの軽いノリで答える。


「この前聞いたお主達の“何でも屋”とやらに入る条件は“人の良さ”であったな」


「ああ、千里華(チリカ)なら全然問題ないぜ! あんな姉ちゃん想いなやついねえよ! ま、その姉ちゃんの方も見直したけどな」

 プラズマの言葉にバリスも頷く。

「たしかに。けどあの時の鬼の形相っつったらすごかったな」


「そうか……では水王(スオウ)家の者が世話になる。よろしく頼む」


 木勝が深々と頭を下げる。


「おう! 任してくれ!」

 プラズマがガッツポーズを見せる。


「では後ほど、お主らにも功労を受けてもらうからの」

 木勝の言葉を聞き、プラズマ達は広間を後にする。


 その1時間後、広間で如月家との戦いでの功労を言い渡される。




 ~大広間~


 当主の木勝の両脇にサムライ達が整然と並んでいる。

 木勝から見て左の最上手に涙流華(ルルカ)、そして数人のサムライを挟んで、千里華(チリカ)、そして右の最上手にプラズマ、バリスが立っていた。



「ではまず、パーマー殿、スピア殿」

 2人は木勝の前へと歩み出る。


「サンダー・パーマー=ウラズマリー殿、バリス・スピア殿。貴殿らは如月家との戦いで大いに貢献された、誠に見事であった」

 大勢の家臣の前で、木勝から金印を受け取る。


「これを売れば一年の生活費には困らんであろう」

 木勝が小声でボソッとプラズマ達に伝える。


「次に涙流華」

 2人は元の場所に戻り、それと入れ替えで涙流華が前に出た。


如月(キサラギ)(テツ)に負傷させ、如月草鉄(ソウテツ)を退けた。この功労は大である。今後も鍛錬に努めよ」

 涙流華は話の間であるためか、軽く頭を下げた。


「本当によくやった。お前には水王(スオウ)家伝統の刀を授ける」


 黒い鞘に入った(つか)(つば)も黒い刀。

 涙流華(ルルカ)は怪訝そうにその刀を受け取る。


「……! なぜ、このような宝刀を……?」

 涙流華はまじまじとその刀を見つめている。


 木勝は涙流華に刀の説明を始めた。

「その刀は初代水王家から代々伝わる刀、名を憑依刀(ひょういとう)と言う」


「憑依刀……?」


「使い方は………いずれその刀自身が教えてくれるだろう」

 両手で刀を受け取った涙流華はその刀を左腰に当てがい、元の位置に戻っていく。


「次に千里華(チリカ)。」

 自分の名前が呼ばれるとは思っていなかった千里華は驚いて飛び上がり、慌てて木勝のところへ駆けた。

 ドタバタと木勝の元へ向かう彼女を水王家の者達は微笑ましく見守っている。


「お前は如月家に捕らえられ水王(スオウ)家の者に迷惑をかけた」

 その言葉に千里華は肩をすくめると、小さく“申し訳ありません”と呟いた。


「しかし多くの者がお前を助けるため如月家に乗り込んだ。水王家ではない者までな。人に慕われることも、また才能」

 突然の誉め言葉に千里華はバッと頭を上げ、驚いた様子で木勝を見ている。

「そしてお前は他人の気持ちを人一倍理解しようとする。それは上に立つものとしては大事なことだ」

 予想に反して褒められた千里華は気恥ずかしくなりさらに肩をすくめた。


「如月(テツ)は死に際にこう言った。水王家は遅れていると」

 かつて栄華を誇った水王家。先代の国際化の流れは水王家にとって一番欠けている柔軟性を育んでくれるものだった。

 いつまでも古き仕来りや考えに囚われていては、これからも堕ちていくのみ。今回の件で木勝はそれを痛感したのだった。


「遅れている……私もそう思う。だから今日から変わっていこうと思う」


「水王家には世界を知る者が必要だ」





「だから千里華、今日からお前を……」


 千里華は右を向いて、最上手に立つプラズマと目を合わせる。












「水王家の軍団長にする」







 突然のことに唖然とする千里華、そして涙流華(ルルカ)が立ち上がり木勝に問う。


「父上! どういうことです!?」


「涙流華、今日からお前はプラズマ殿、バリス殿と世界を回れ」


 プラズマは目が飛び出るほど驚いているが、逆にバリスは分かっていたかのように笑いをこぼしている。


 涙流華は焦りながら理由を尋ねた。

「な、なぜなのです、父上! 軍団長として私に至らぬところが!?」


 木勝は静かな声で話し始めた。

「お前はたしかに頭が良く、腕も立ち、精神的にも強い」


「だが厳しさと仲間を見捨てることは違う。一番重要なことをはき違えている」


「プラズマ殿達と旅をして(あるじ)としての生き方を学んでこい。良いかなプラズマ殿、バリス殿?」


 プラズマは完全に予想外といったところだが、バカだからか脊髄反射で頷いている。


「では涙流華(ルルカ)のことはプラズマ殿に任せる。何卒よろしくお頼み申し上げる」

 木勝は手をつき頭を下げる。



「そしてもう1つ! 入って参れ!」

 木勝がそう言うと広間の戸が開き、人影が現れる。


 その人影は、如月草鉄(ソウテツ)だった。


 家臣はざわつき、中には刀に手をかける者もいたが、木勝が手で制する。


「草鉄には副軍団長として千里華を支えてもらう。草鉄挨拶を」


 険悪な雰囲気が流れる中、草鉄が静寂を破った。

「拙者は元々水王家が憎かったわけではない」


「だが水王家に利するつもりもない」

 “水王家に利するつもりもない”。その言葉にサムライ達は草鉄に詰め寄ろうとする。


 しかし、再度木勝が手で制止させた。


「ただ父上の守りたかったもの、それを拙者も守る。そのために木勝殿との取引で水王(スオウ)家の家臣となることにした」


「水王家は変わるらしいが、またつまらぬ水王家に成り下がるのなら、拙者が木勝殿を切る」


 草鉄は木勝の前まで移動し正対すると、敬礼し、千里華の後ろへと移動してその場に座した。


「と言うことだ。これから水王家は異星の脅威に立ち向かうため、積極的に現代技術を取り入れ、かつての栄華を取り戻す。よいなっ!」

 木勝が大きく目を見開き家臣達に問う。


「はっ!」

 家臣達の声が水王家に何度もこだました。





 ~戦星(せんせい)・宇宙港~



「おーい、ルルカ!もうそろそろ行くぞ~」

 プラズマが涙流華(ルルカ)を呼ぶ。


「貴様、私を呼び捨ててで呼ぶとは……!」

 怒りをあらわにしながら荷物を背負う涙流華を見て、木勝はやれやれと笑みをこぼす。


「千里華は見送り来てないんだな……」


 寂しそうなプラズマに木勝が申し訳なさそうに説明した。

「軍団長になった際の手続きが一日かけてあるからな。千里華も来たがっていたが、重鎮達がそれを許さなかったんだ……これもまた変えていかねばならん古い仕来りの一つかもしれんな」


「しょうもねっ!」

 プラズマはわざと悪態をつくように吐き捨てた。

 すると、搭乗手続きを終えた涙流華が彼の横を通り過ぎた。

「軍団長たるもの、たかが見送りのために重要な手続きを(ないがし)ろにしてどうする。お前は子供過ぎるのだ」


「お姉ちゃんは素直じゃないな~! お殿様も“古い”って言ってんだろ?」

 茶化すプラズマに涙流華の肘鉄が入る。


 すると痛がるプラズマに木勝が耳打ちした。

「金印を売った金で宇宙亀(うちゅうがめ)を買いなさい。船の代わりになる。森星(しんせい)で売っているからまずは央星(おうせい)に行って船を乗り換えなさい」


「あと、お主らの旅券で正式にこの星に入り、出星できるように手配しておいた」


「ありがとな!」

 そう言ってプラズマ達は木勝に背を向け、宇宙船へと歩いていく。

 すでに出星手続きを終え、間もなく出星となるプラズマ達。

 涙流華は特に名残惜しそうな顔もせず、無表情かつ無言で宇宙港へと向かっている。




「お姉ちゃん!!」




 涙流華が振り返ると、涙で顔をグシャグシャにした千里華が大きく手を振っていた。

 軍団長の手続きを途中ですっぽかして見送りに来たのだった。

「千里華…?」


「あたし軍団長の席! 守ってるから!!」


 いつからか遠くなった姉妹の距離。それが少しずつではあるが、プラズマ達が来てから今回の件が起こり、元に戻りつつあるような気がしていた。

「千里華……久々にお姉ちゃんと呼んでくれたな……」


「必ず大きくなって帰る! 軍団長の席を頼んだぞ!!」

 涙流華もキュッと口を結び顔を引き締め、手を挙げた。


「じゃ、そろそろ行くか。今回はちゃんとした旅客船に乗れるから遅れられねぇぞ」

 バリスはつられて泣いているプラズマを引っ張り宇宙船に入る。




 そして船は央星(おうせい)へと飛び立った。





 ~央星行き旅客船・C-24部屋~



 涙流華(ルルカ)は船の窓から戦星が見えなくなるまで見つめ続けていた。


 プラズマが皮肉を交えて涙流華(ルルカ)に尋ねる。

「で、お前の言う“何もしてないろくでなし”の仲間になった気分は?」


 涙流華はプラズマ達に背を向けたまま、窓の外を見つめながら答えた。


「最低だな。本当に最低だ……」





「だが悪くない。少し軽くなったよ」



「そうか」

 プラズマは優しく微笑む。



 一向にこちらを向かない涙流華(ルルカ)をバリスが冷やかした。

「ルルカ、お前水を操れるんじゃないのか?」


 そしてプラズマも悪い顔でバリスを(いさ)める。

「やめてやれよバリス、目からビーム出てんのと一緒だろ! 千里華の前では我慢できたのにな!!」



「うるさい貴様ら……叩き斬るぞ……。」

 涙流華は背を向けたまま声を震わせていた。




 To be continued.....


【EXTRA STORY】


 ~央星行き旅客船・C-24部屋~


「(ん……いつの間にか寝ちまったのか……)」


 グーーーーガーーーーー


「(プラズマのやついつにも増してイビキがすごいな……)」


「(ルルカの奴キレるんじゃ……)」



 スンッ スンスンッ うぐっ……



「(ったく、プラズマのイビキに集中しといてやるか)



 To be continued to next EXTRA STORY.....?

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