辿り着いたのは戦の星でした
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【登場人物】
▼何でも屋(IMIC)
[サンダー・パーマー=ウラズマリー]
金髪の活発な青年。電撃系の能力を持つ。
サンダー・P・ウラズマリーから「プラズマ」というあだ名で呼ばれる。
遺伝子能力養成学校高等部を卒業し、輸送船に忍び込んで宇宙へと旅立った。
[バリス・スピア]
元軍医で、毒の能力を持つ医者。
薄紫で、天を衝くようなツンツン頭で目つきが死ぬほど悪い。
▼その他
[セリナ]
プラズマの幼馴染の女の子。
勤勉で真面目な性格。氷の能力を操る。
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〜輸送船内〜
―ポーン―
―まもなく戦星に着陸します―
「戦星か、またえげつないところに来たもんだ」
バリスが苦笑いしながらつぶやく。
輸送船は徐々に高度を下げ、着陸態勢に入る。
輸送船の窓から景色を眺めると、辺り一面、荒野か森が広がっており、ポツポツと城の様な建物が立っていた。
輸送船が着陸するや2人は職員を装って、木箱を担ぎながら宇宙港に下りる。
「全然人いねぇな……」
あまりの人の少なさに、プラズマはつい心の内をこぼした。
「そりゃそうだ。この戦星は“サムライ”って剣士が紛争してる真っ最中だからな」
「普通誰も入星しようだなんて思わねぇさ。とりあえず怪しまれる前にここ出るぞ」
2人は宇宙港の小道に入ると、荷物を置いて宇宙港から出る。
「うへぇ!宇宙港の外なのに何にもねぇ!!」
プラズマが驚くのも無理はなかった。
普通、宇宙港の外には店が立ち並び、それによって活気にあふれる光景が一般的だったからだ。
しかしこの戦星はというと、見渡す限りの荒野。
そして一本の道が遥か遠くまで伸び、その先には森が見えた。
「プラズマ、この星は危険だから宇宙港の辺りで野宿して、明日の輸送船で別の星に行くぞ」
「そんな固いこと言うなよ、バリス!せっかく来たんだしちょっと探索しようぜ!」
「面倒事に巻き込まれたらどうすんだ!」
「じゃぁあの森に行って帰るだけ!頼む!!」
そう言ってプラズマは遥か遠くに見える森を指差した。
「ったく……面倒事に巻き込まれても知らねぇからな」
~戦星、森の中~
「疲れた~……なんでこんなに歩かなきゃいけねぇんだよ……」
「お前が森まで行きたいって言ったからだろうがっ!!」
言い出しっぺのプラズマはすでにめんどくさくなっていた。
「にしてもこの森どこまで続いてるんだろうな」
「待てっ!」「はぁ!!」
「きゃっ…!」
突然こだまする尋常ならざる声。
その声に反応した二人は顔を見合わせる。しかし二人の反応は異なっていた。
「バリス!行くぞ!」
「お、おい!待て!この星のごたごたに巻きま…っくそ……」
バリスは、超特急でトラブルに巻き込まれに行くプラズマを止めようとするが、あまりもの速さに諦め、彼の後を追った。
声のする方へと急ぐと1人の少女が黒装束の男2人と戦っていたのだ。
プラズマが電撃を纏って少女と男達の間に乱入する。
「オラァ!寄ってたかったいじめてんじゃねぇよ!」
男達は間合いを取ると、明らかな敵意を向けてくる電撃の青年に短刀を構え直した。
「お前達……水王家の者か……!」
「は?スオウ?」
呆けるプラズマに喝を入れるようにバリスが叫んだ。
「プラズマ!!!」
「おうよ!」
バリスの掛け声と共にプラズマが電撃を放つ。
しかし忍びたちはワイヤーのようなものを射出し、近くの木に引っ掛けて電撃を躱した。
「遺伝子能力者で3対2はまずいな……引くぞっ!」
そう言い残して忍び達は森の奥へと素早く消えていく。
プラズマ達は倒れる少女のもとへと駆けた。
青いショートカットの髪にタイトな黒装束。
その少女も見たところ忍びの者だった。
その女忍の顔はサムライの星の者とは思えない程穏やかなものだった。
バリスの差し出した手にその女忍が手を掛け、ゆっくりと起き上がった。
「あ、ありがとう……」
「お前は?」
「私は水王家の女忍……水王千里華……本当にあり……」
笑顔の眩しい女忍が感謝の意を表した途端、気が抜けたのか言葉の途中で倒れてしまった。
「お、おい!」
2人は駆け寄り、バリスが容態を診る。
「ただ気が抜けただけだ。大したことはない」
バリスがプラズマに対し、女忍を抱えるようジェスチャーした。
「だが、また襲われるかもしれねぇ。移動するぞ」
▽▽▽
▽▽
▽
プラズマ達は来た道を引き返し、森の入り口に千里華を横たわらせる。
寝ている千里華を看ながら、バリスがプラズマに忠告した。
「プラズマ、戦星はやばい。早く出たほうがいい」
「そんなこと言っても、この女の子置いては無理だろ!!」
プラズマが語気を強めて反論したせいか千里華が起き上がる。
「ん……あなた……たち……ありがとう……」
頭部が痛むのか、彼女は自身の側頭部に手を当て、苦悶の表情を見せた。
「水王家の者ではないようね……」
「かといって……如月の者でもなさそうだけど……何者なの?」
千里華は掠れた声でプラズマ達に尋ねる。
「キサラギ?誰だそいつらは?俺たちは……」
バリスを遮りプラズマが声高に答えた。
「何でも屋!!!」
「プラズマ、てめぇ大声出すな!見つかるだろうが!!」
全くものとせずプラズマは続ける。
「俺たちは何でも屋をしながら、My Geneを探して旅してんだ!」
「へぇ~、何でも屋…それに万能遺伝子をね……なんか、面白そう……!」
千里華は一瞬目を輝かせるが、悲しそうに目を伏せた。
「あぁ!お前もどうだ!」
プラズマが千里華にすごい熱量で問いかけると、彼女は再度目を輝かせ表情が柔らかくなるが、すぐに俯いてしまう。
「私は無理だよ……だって水王家の者だから」
プラズマは水王家という言葉に引っかかる。
「またスオウ家…ん?どこかで聞いたような……」
その瞬間、一行の前に黒装束の人物が2人現れる。
「ここにいたのか」
「千里華、軍団長からお前に対して捕縛命令がかかっている。さっきからこの如月家の間者と密会をしていたようだな」
その言葉を聞いた千里華は慌てて誤解を解こうとする。
「この人達は関係ないの!私を助け……」
しかし黒装束の男達は聞き入れることなくプラズマ達に対して構えた。
「おい、そこの金髪と紫アタマ。お前達も捕縛の対象だ。付いてきてもらうぞ」
1人の忍びがそう言うと、いつのまにかプラズマ達3人の首には細い針が刺さっており、強烈な眠気に襲われてその場に倒れ込んでしまった。
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「おい!起きろ!」
突然の怒号にプラズマとバリスが目を覚ますと、そこは牢屋の中だった。
隣には、千里華も座っている。
「ここは……?」
目が覚めた途端、目の前に立つ大男によって牢屋の外へ連れ出される。
「貴様ら!抵抗するなよ!」
鉄製の手枷をはめられたプラズマ、バリス、そして水王家の千里華と呼ばれる少女は、一本の鎖に引かれて薄暗い廊下を歩いていく。
3人の周りには帯刀した大男7人が鋭い目つきで監視しながら同道していた。
そして、何階分もの階段を上がり最上階と思しき廊下に着くと、その先には豪勢な引き戸が目に入る。
「ありゃ、サムライの親分がいるな」
「貴様!しゃべるな!!」
バリスの左隣を歩いていた男が、刀の柄でバリスの顔面を小突く。
「くそっ……」
そして奥の戸に近づくにつれ、廊下の両端に控えるサムライの数が増えていき、戸の目の前まで行くと、両脇に立っていた屈強そうなサムライが戸を開けた。
ザッ
「罪人、入ります」
そこは大広間だった。
広間の奥には、髷を結った男が座っており、その両脇に左右対称に、そして互いに向き合う形で何人ものサムライが立っていた。
「殿!連れて参りました」
歳のいった大男ばかりだった。
大体40~60歳くらいだろうか。
しかしそんな中、上座に1人若い女性が立っていた。
「皆座ってくれ。罪人は前に」
その“殿”の号令と共に、サムライ達はその場に座した。
鎖で引かれるプラズマ達は、左右に並ぶサムライ達に挟まれるように、“殿”と呼ばれる男の前に、横一列で正対させられる。
すると“殿”と呼ばれる男は、その唯一の若い女性のサムライに目を向けた。
「涙流華、処遇を述べよ」
涙流華と呼ばれるサムライは、正座したまま“殿”と呼ばれる男に向きを変え、恭しく礼をした。
そして頭を上げると、その場で立ち上がった。
「この者、水王千里華は任務に失敗しだだけでなく、この2人の如月家の間者とも通じていた。これは水王家への重大な裏切り行為である」
「よって……」
「水王千里華を禁錮拷問刑、この者達を即時処刑とする」
その言葉にプラズマ達は凍り付いた。
「え……ショケイ……?」
To be continued.....
【EXTRA STORY】
~水王家・廊下~
「おい!起きろ!」
「ここは……?」
「出ろ!抵抗するなよ!」
「さっさと歩かんか!」
「(そう言えば、スオウ家ってどこで聞いたんだっけ?)」
“2番はスオウ家でしょ”
“あれだけ説明したのにさぁ……まず1人目はスオウ”
「あっ!!」
「セリナだ!」
「やかましい!!しゃべるな罪人が!!」
~銀河某所~
「えっくしゅんっ!!」
「どうしたんですか?そんな可愛いくしゃみをして。我々にはらしくありませんよ」
「うるさいわね」
「体調管理も我々の重要な……えくちゃっ!」
「そういうあなたもどうしたの?可愛いくしゃみして」
To be continued to next EXTRA STORY.....?




