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テーマなし詩集

知ってるもん

作者: 歌川 詩季

 かまってちゃんでは、ないです(多分)。

 知ってるもん

 ないがしろにされてるわけじゃないって

 すっごく いそがしいのに

 時間をみつけて 声をかけてくれてるんだって


 知ってるもん

 あとまわしにされてるわけじゃないって

 ちゃんと かんがえてからにしたくて

 まとまった時間ができるまで ちょっとかかるんだって


 知ってるもん

 めんどくさがられてるわけじゃないって

 ていねいに こたえてくれたくて

 言葉をえらぶのに きょうはやめといたんだって



 知ってるもん


 ちゃんと知ってる


 ねだってるわけでも せめてるわけでもない


 ただ (ゆる)しを おねがいしてるだけだ



 疑ってない 信じてる


 疑いたくない 信じたい


 でも こわいよ


 小学生のとき 近所のおねえさんにつれてってもらった

 プレハブみたいな なつまつりのおばけやしきより

 ずっと こわい


 パッケージに とうがらしのマークのたくさんついた

 まっかないろをした たべものより

 ずっと こわい



 ないがしろにされてるわけじゃない

 あとまわしにされてるわけじゃない

 めんどくさがられてるかもしれないけど


 あなたは あたしを たいせつにしてくれてる


 あたしのことを たいせつにおもってくれてるか

 そんなことまでは わかんないし じしんもないけど

 あたしとのつながりは たいせつにしてくれてる

 それは あたしを たいせつにしてくれてるって

 そう かんがえても かまわないかな?


 だったら ありがとう



 ねだってるわけでも せめてるわけでもないってば


 あいちゃった時間は あなたがつぎに

 声をかけてくれるときの よろこびを

 むねいっぱいに させてくれるための時間


 豚骨と 鶏ガラと カツオブシと 昆布を

 ぐつぐつ 煮てるみたいな時間


 へい おまち!


 もう おなかは ぺこぺこぺっこん


 カウンターに やってきた

 いろいろマシマシにした一杯を

 

 あたしは レンゲで

 お上品に スープをひとくちすすります


 けっこうな お味で


 でも ここからが たいへんだ


 ぱきんっと わりばしをわる音が 開戦のあいず


 まずは 麺

 つぎも 麺

 三番サードも 麺


 そしたら モヤシ

 そんで スープ

 のびちゃうまえに 麺 麺 麺


 さいごまで とっとこうかと おもったけど

 ここでチャーシュー


 餃子(ギョウザ)も焼けたみたい


 やけどしそうだけど かまんできずに 餃子(ギョウザ)

 替え玉で 麺

 ラー油をまぜて また 餃子(ギョウザ)

 ニンニクいれて ひたすら 麺 麺 麺


 あたしは飲みほしちゃうタイプだから

 レンゲなんて もういらないよ

 ていうより お上品てなに?

 グロスとスープで べたべたのくちびるをつけて

 スープを ぜんぶすすります


 底にのこった

 麺やチャーシュー モヤシなんかのきれはしが

 さいごの一滴までを

 さいこうのごちそうにしてくれるって


 知ってるもん


 ちゃんと知ってる


 ああ ごちそうさまでした



 あなたから かけてもらえる声を

 あたしは こんなふうにきいてるんだよ


 ばかみたい きっとばかだ


 知ってるもん


 ちゃんと知ってる


 ないがしろにされてるわけじゃない

 あとまわしにされてるわけじゃない

 めんどくさがられてるかもしれないけど


 あたしとのつながりは たいせつにしてくれてる

 ってことは きっと

 それは あたしを たいせつにしてくれてるって

 そういうことなんだって


 だからこそ ありがとう



 知ってるもん


 ちゃんと知ってる


 しつこいなあ 知ってるもん


 ちゃんと 知ってるってば

 でも、すごく嬉しい!

 そんなふうに、思っていいのか、自信はないですけど。

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― 新着の感想 ―
[一言] 好きの気持ちが大きくなると、一挙手一投足が不安になるものかも。突っ走りながらも、ふと我に返って反省しちゃったりして。 文章の端々から少し顔を覗かせる主人公の不安定さでさえも、なんだか愛らしく…
[良い点] いつも不安一杯で、それを一生懸命強がりで誤魔化してる 「あたし」がかわいらしいです きっと大切にしてくれてる、って そう思いますよ。 [一言] 豚骨、鶏ガラ、かつおだし、昆布のスープは …
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