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死神の操り人形  作者: カサミ
一章.操り人形と助手
5/11

5.謎の扉は開かない

廊下を歩いていた僕はふと前を見る。


神崎さんがいない。

前を歩いていたはず。じゃあどこに?ふと横を見ると階段があった。

屋上に行ったのか?

そう思い上に上がる。屋上の扉を開ける。

キイーという音にビックリしたのか、神崎さんがこちらを向いていた。

僕を見て、なんだと言った感じでほっとしていた。


「どうしてここに?」

「いやね、なんで自ら命を絶とうとする人がいるんだろって思ってね。」

「多分それだけ辛いことがあった時生きる希望が見つからないんじゃないかな。」

難しい問題だがそう答えた。


「明日がある、それが生きる希望だってそう私は思うんだけどな。」

「それすら考えられないほど追い詰められていたのかも。」

「そうかもね。」

「そんな人に生きる希望を与えられるのは、

周りの人なんじゃないかな。」

「確かにね。」


少しの間、僕たちは屋上からそとを眺めていた。

「じゃあ、事件についてまとめようか。」

と神崎さんが言い出した。

確かに情報がごちゃごちゃになってるし。


まず被害者、

笹森 茜 (16)1月2日生まれ、

高校生 普段は大人しい感じらしい、

日記によると12月くらいから笹森さんへのストーカー行為が始まった。

当時の笹森さんは机に突っ伏していたりなど、かなりの疲労があったらしい。

親に心配をかけたくなかったのかどうしたの?と聞いても

なんでもないと話していたらしい。


次にストーカーについて、

「じゃあ、ストーカー行為が始まった12月から。」


笹森さんは12月くらいからストーカーに気がつき始めた。

実際はもっと前から始まっていたかもしれない。

笹森さんは怖かったらしいが周りの人に言えなかった。

周りの人に言ってないのを良いことに、ストーカー行為が

エスカレートしたようだった。


そして1月に入る。まだ周りからは気付かれていない。

笹森さんはこれほどにないほどの恐怖を感じていただろう。

そしてここで森先輩が声をかけた。

少し救われたと笹森さんは言っていた。


そして2月、彼女は自ら命を絶った。

その様子は日記に書かれた、もうどうでも良くなったという文や遺書から分かる。


「なんで彼女はストーカーのことを言えなかったんだろう。」と僕が疑問風に聞く。


「だって証拠がなくたって言ってもいい訳じゃん。」

「恐らく言った後の事を考えたんじゃないかな?」

「言った後?」

「例えば言った後実際はいなかったなんてなると周りからどう思われるかわからないって思ったとか。」

…なるほど。

「まぁ言わないといけなかったんだろうね。」

神崎さんは悲しそうに言う。


「じゃあ次に容疑者の確認だね。」と神崎さんが言うので、

「ああ、ちなみに容疑者は最低でも4人。」と僕が言う。


まず最初に、笹森さんの部屋の近所の人、隣の部屋の住人。

ストーカー行為を行う動機とすれば、隣の部屋で興味が湧いたとかならありえそうだ。


次にまだ調べていないが、男子生徒の中にいる可能性。

可能性としてはなくはない。

なぜなら、気になっていた子にストーカー行為をしたっていう事例はなくはないからである。


それに、高校だ知情のもつれ的なやつもあってもおかしくない。フラれてストーカーになるっていうこともあるだろう。


次に男子生徒の中でも、

森 和樹 (16) 6月15日生まれ、

依頼した本人が、ということはあまりないように感じるだろうが、可能性があるという面ではあり得なく無い。

一様笹森さんに好意を持っていたようだし、

その好意がストーカー行為に変わったってこともある。

僕的には無いと思いたいんだが。


さらに担任の先生or他の先生、

男子生徒と同様可能性がある。笹森さんに近いのは家族以外で学校にいる人だろう。

その場合、生徒か先生なのだ。

この中にストーカーがいる可能性が高い。


まず担任の先生。

青飼 勝(あおがい まさる)(30)独身

笹森さんそして森先輩の担任の先生。

三日月のネックレスが目につく。


目の前に立つその先生は、優しく良い先生という第一印象だ。僕たちは翌日、笹森さんの担任を訪ねていた。

「それで?僕になにを聞きたいのかな?」

そう青飼先生は優しく聞いてくる。

「実は亡くなった笹森さんについてなんです。」

神崎さんが話す。

青飼先生は少し驚いた顔をし、すぐに、

「ダメだよ、子供が首を突っ込んじゃいけない。」

…まぁ、先生の立場上そう言うわな。

「でも、なにも教えないのはかわいそうだしなぁ。」

「えっ?」

「分かった。少しだけ話してあげよう。」

僕と神崎さんは先生に、

「ありがとうございます。」

とお礼を言うのだった。


「んで?何を知りたいんだ?」

「笹森さんの亡くなる前後で何か変わったことがあればと。」

「ああ、笹森さんは何かあったのか、すごく暗くなっていたよ。大丈夫?って聞いてもはいとかしか言わないし。

掲示物とか、提出物はちゃんと出すからなんとも言えなかったけど。」

「提出物って、廊下にあったやつとかですか?」

と僕が聞く。

「ああいやあれだけ笹森さんは提出していなかったよ。」

悩んでいたからなのか。そう彼は言った。


…まぁ予想範囲内の回答である。

本命の質問は、

「この前いた不審者について何か知りませんか?」

と聞く、もし不審者が先生なら顔に出る可能性だってある。

「うーむ、20代くらいって言ってたことくらいかな。

それ以外はあまり無いな。」

あまり変な反応してないな。

「そのネックレス、綺麗ですね。」

「ああ、店の人に作ってもらったんだ。特注ってやつだね。思ったより高くならなかったんだよね。」

「そうですか、忙しいところ申し訳ありませんでした。」

神崎さんは丁寧に挨拶をする。もう終わり?


「すごい親切な人だったね。」

神崎さんは言う。

「確かに、でも容疑者から外せないよ。」

「分かってる、まぁ若干白めにみえるけど。」

「つぎは男子生徒のことだな、こういうのは女子に聞いてみるもんかね。」

「確かに。なんかそういう情報多そうだしね。」


ということで来ました教室前。

笹森さんに最後まで仲良くしていたっていう生徒から聞こうと教室前でガン待ちしているのだが。

本当に気付かないもんなんだよな。

こちらに気付くそぶりもない。


そして暫く待っていると、目的の人物が現れた。

そこに神崎さんがいきなり、

「ちょっと失礼、笹森さんについて聞きたいんだけど。」

って聞くもんだから、聞かれた生徒、はっ?って顔になる。

…そりゃそうなるわ。


「すみません突然、実は笹森さんに好意っていうかそういった感情を持っていた生徒っていませんか?」

僕が丁寧に修正する。

彼女はうーんと考え、

「あっ、いた。茜に告白したっていう男子。」

「ちなみに誰ですか?」神崎さんが聞く。


「あそこに座っているあの子。」

彼女は1人の少年を指差す。

「名前は春凪 真矢(はるなぎ しんや)確か部活は

笹森さんと同じ吹奏楽部だったはずよ。」

「なるほど。」

少し話を聞いた方が…って春凪さんがいない。

目を離した間にいなくなっていた。

てか神崎さんもいない。

周りを見渡すがいない。

あれ?って思っていたら。

「笹森さんとはどういった関係だったんですか?」

振り向くと、神崎さんと春凪さんが話していた。

…早いよ。


「別に関係っていう関係でもなかったよ。フラれちゃったし。」

「なんか…すいません。」

ほんとだよ。いきなり聞いたら失礼だろ。

「じゃあ他には笹森さんに好意を持ってた人なんか知りませんか?」

「さあ?知らないよ。ていうか笹森さんは大人しそうな雰囲気だったから、あまり男子と関わりがなかったんじゃないかな。」

「…そうですか。」

「では。これで。」

春凪さんは帰っていった。

うーんうまくいかないな。

そい思いながら教室の廊下を歩く春凪さんを眺める。


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