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2.再会場所は!

光の中で目を瞑ったままの私の頭の中に言葉が一方的に流れ込んできた。


「ごっめ~ん。ちょっと早いけど許して~」


この、やたら軽い口調は。


「詳しい話はまた夢で話しましょ~」


間違いなくヴィラの声。


「ちょっと!」


眩しくて目が開かないので閉じたまま抗議の声をあげる。なんか急速に落ちていく感覚で懐かしいとか、感傷に浸ってる余裕もないよ!


突然、光が鈍くなった。

目を少し開けてみれば。


「嘘~?!」


私は空にいた。

金色の透明の球体の中にいる。アトラクションなんてこれより数倍マシかも!!


そう。急速に私は落ちているのだ。

どうするか?

悲鳴しかでない!


「ぎゃー!!」


地上に近づいてきた。

助けて!!


「無理っ!」


衝撃に備え自然に身体が丸くなり、怖くて目を閉じた。


もう死んだ。

あっけない私の人生。

悲しすぎる。


パンッ!


「ツッ」


かなりの衝撃のはずが、風船が割れたような音の後、何かに包まれた。

…この柑橘系の香り。


「楓」


低くて大好きな声。

目をそっと開けた。

あの深い青の瞳。

やっぱり夢じゃなかった。


「ルークさん、老けました?」


嬉しいけど、何か恥ずかしくて思っているのと違う言葉が出た。

あっ…。


「…久しぶりに会えた言葉がそれか?」


怖いっ怒ってるよ~!

冗談だって!


「カエデちゃん、派手な登場だね~」


またもや軽いこの話し方。


「そして相変わらず面白いね~!」


ルークさんがストンと降ろしてくれた。

声のした方に顔を向けると。

やっぱり!


「ラウさん!」

「フベッ」


駆け寄ろうとしつまずき、ラウさんのお腹あたりに顔がぶつかって抱きつくかたちになった。


「抱きつく相手違ってるよ~。俺があとで八つ当たりされるからやめてよ」


上を見上げると、肩に鞘に入った剣をひっかけ、片手でぐらぐらな私を支えてくれる。


「事故ですよ!」


慌てて離れる。

あれ?

周りを改めて見渡せば。

同じ制服の人が何人もいてガン見されていた。

それも気になるけど。

なんか暑くてジメジメしている?

ヴィラスってこんな気候だっけ?

でもこの暑さ身に覚えがある。

嫌な予感…。


まさか。


ルークさんを見ると疲れた顔。


「気づいた~?」


見上げるとラウさんの悪い笑み。


「ここはガインだよ~。カエデちゃん、タイミング悪すぎ」


私は何をしたか?

叫んだよ。


「ヴィラのバカー!!」


山々に私の声が響き渡った。



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