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16.再会は驚きの連続!

「カエデ様!」

「アリヴェルちゃん!」

「なんか、美人オーラがアップしましたね~!」

「なっ!何を仰ってるんですか?!」


焦る姿も美人さんは、また違うわ~。

マリーさんから昨日アリヴェルちゃんと会えると言われて今日は、朝から楽しみにしていたんだよね。


「カエデ様、もう1人いらっしゃいました。」

「えっ?」


マリーさんの言葉に扉の方へ顔を向けると、そこには、サラッサラのレモンイエローの髪にグリーンの瞳の・・。


「シャル君!」

「お久しぶりです。」


扉から入室してきたのは、爽やか青年のシャル君だった。

あれ、シャル君も雰囲気が。


「なんか、大人っぽくなったね。」

「そうですか?」

「ああ、背は伸びたかもしれません。」


いや、それだけじゃない。

首を傾げる仕草なんかは、幼い感じは残ってるけど、なんか落ち着いた雰囲気を出しているシャル君は、私の覚えてる彼と違っていて少し寂しい。

うん、巣だとうとしている子を見てるようだ。

シャル君は、アリヴェルちゃんの隣に座った。


また違和感。

・・アリヴェルちゃんとシャル君の距離がいやに近い。

ふとアリヴェルちゃんの胸元に目がいく。

金の可愛い小花の細工に縁取られたヘッドの石の色は、とても綺麗なグリーン。

・・・まるでシャル君の瞳のような。


「ウソー?!」


ガシャン!

私は彼らを指差し思わず立ち上がった。

乱暴に置いてしまったティーカップが音をたてるが、そんなの気にしてられなかった。


「まさかの結婚って!」

「「・・はい・・。」」


二人は、モジモジしている。

・・もうこれを見れば鈍いと言われている私だってわかる!

しかし~シャル君。

君、私の事好きって言ってたじゃない!

早くない?

そんな疑問を見透かしたように、マリーさんが話す。

「カエデ様と女子会をした頃からお話はあり、交流は進んでいないようでしたが・・。」

ふふっとマリーさんが何故かそこで笑った。


「かなり落ち込んだご様子のシャルド様を見かねたアリヴェル様が話しかけられその内に。」


なにっ!私が縁結びしたって事?

あれ?

今、マリーさんアリヴェルちゃんを様と呼んだ。

私が首を傾げたのを見てマリーさんが説明してくれる。


「もうアリヴェル様はメイドではございません。」

「次期公爵夫人になられますので。」


ーそっか。

おめでたい事だけど、なんか遠く感じて寂しいなぁ。


「じゃあ、ちゃんなんて呼んだら失礼でしたね。」

「止めてください!」

「変わらずそのままでいいです!」

「でも、礼儀はちゃんとしないとだよね。」


うっ、そんな悲しそうな顔しないでよー。


「じゃ、じゃあ、他の人、煩い人いない時は、今まで通りアリヴェルちゃんって呼ぶね。」

「はい!」


根負けして妥協案を出した。

にっこり微笑むアリヴェルちゃん。

やっぱり美人は癒しだ!素晴らしい。


「いや~しかし、まだ詳しく自分も理解してないけど、結婚式の準備大変そうだよね。」


一昨日の夜、ルークさんに結婚しようと正式に言われたばかりで、正直実感もまだない。

でもラウさんの話だと、やっぱりもう2週間ないよね?


「・・そういえば、服装とか、何にも知らない!私、かなりヤバイんじゃ?!」


段々なんだかパニックになってきた私の耳にアリヴェルちゃんの聞き捨てならない台詞が。


「大丈夫です!一緒ですから!」

「えっ?」

「まさか・・アリヴェル!カエデ様に言ってないの?!」


シャル君が驚きの声をあげた。


「今、お伝えしますわ。」


くるりとシャル君から私に首を戻すとニッコリ笑ったアリヴェルちゃんは。


「御一緒に婚礼の儀をあげましょう!」

「無理っ!」


聞いてないよ!


「カエデ様!」

「今度は何ですか?!」


小走りでベルさんが部屋に入ってきた。


「今、城に到着した辺境伯がお会いしたいと。」

「へんきょうはく・・?」


なんだっけ?

ああ、確かミリーさんが教えてくれた爵位の名前?


かろうじて動いていた私の脳は、次のベルさんの言葉で完全にフリーズした。


「現当主ルーク様のお兄様、ヴェルニー様とルーク様のお母様、ルイーズ様もいらしているようです。」



・・・誰か助けて下さい。


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