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13.ラウ&ルーク

「俺は、時間外はゆっくり1人で飲みたいんだけど~」

「ああ」


──こりゃあ駄目だ。


俺は、隣に座る今は只の使えない男を横目で確認してげんなりした。


お気に入りの酒場でなんで副団長と飲まなきゃならないんだよ。


「楓は後悔してるのだろうか?」

「俺が知るわけないだろ。こんなトコいないで聞けばいいじゃん本人に~」

「聞く間もなかった」


頭が痛いよお兄さんは。


「あのなーそもそも悩むとこがズレズレなんだよ。お前、結婚の説明してないだろ? どーすんだよ?あと2週間ないし」

「結婚は先でと思っていた」


馬鹿かこいつは。


「周りが許さないし、規則を破り異例を作るとカエデちゃんが後で陰で何言われるか分からないわけないだろ~? 俺が言う事じゃないけど、カエデちゃんは、宙ぶらりんな自分に苛ついてるんだよ。」

「意味が分からない」


…なんで、こう面倒な奴ばかりなんだ?


「全て捨てお前を選んだがいいわ、住む場所すらなく自活する力もないが、かといっておんぶにだっこも嫌。極めつけは選んだ男からは、婚約から1年で結婚の規則の説明も何もない」


俺が説明する事なのかね。

そもそも酒場でする話か?


「カエデちゃんは、他の養ってもらって当たり前と思っている令嬢達と違う。ある意味面倒な性格だけど、そこに惹かれたんじゃないの?」


隣で椅子の音がした。

やっとかよ。


「ラウ」

「早く行けよー」

「ああ」


横目で見れば、奴が去り際にテーブルの上に置いた金はあと何杯か飲める金額だ。


まあ、これくらいは当たり前だよな。


「オヤジ~おかわり~」

「あいよ」


今度こそ俺は誰にも邪魔されず飲みに専念する。思わず独り言が出た。


「やっぱ1人飲みサイコ~。あと何かツマミちょうだい~」

「あいよっ!」

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