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聖杖物語黒の剣編エピソード4あたしの彼はお兄ちゃんで騎士<ナイト>様!第2章もう一人の美琴<アタシ>Part2

拉致られてしまったあたしの前に四天王の2人が現れる。

ミコトは虎牙を誘惑しようと画策するが・・・

「ど、どうするのよ!ゴブリン・・・この展開を。」

「わしにも読めなかったわい。」

「と、取敢えず美琴を、拘束するわよ。」

「それしかあるまい。」困り顔の四天王2人組であった。

あたしとミコトが喧嘩漫才をしている頭上で魔獣界の入り口が開く。

ー!これは、ホンモノだ!!-あたしが考えるのと同時に魔獣界から、闇のロープがあたしの体に巻きつく。

「あっ!ううっ!!」後手に縛られてあっと言う間に魔獣界へ、引き込まれてしまった。

ーしまった!ミコトの相手をしている間に油断していた。-あたしは臍を噛んだが後の祭りだった。

「くっくっくっ、冴騎美琴。水晶の巫女よ、我が魔獣界へ良く来た。」あたしは、ロープに拘束されたまま、声の主に、

「良く来たじゃない!引き込んだのはそっちでしょ!」

「何とでも言え、これからお前には愛する者が裏切る所を見せてやる。」マギカが勝ち誇った様に言う。

「ミコトによって、お前が愛する虎牙が落ちていく様を指を咥えてみているがいい。」ゴブリンが続けて言う。

「な!なんですって!」

ーようやく、シリアスになってきたのね(ちげーよ)・・・また変な声が聞こえた気がする・・・。-


「ただいまー。」ミコトが玄関で声を上げたが返事が無い。そっとダイニングを覗くと、長椅子で虎牙が横になっていた。

ーチャンスだ!-ミコトがそっと忍び寄る。

ーくっくっくっ、ここで一気に!-ブレスレットからナイフを出そうとした時、

「ああ、美琴か。」

「ひゃいっ!」ミコトはびっくりして立ち止る。

「もう帰ってきたのかい。」

「う、うん。良く考えたら今日休みだよね。」

「良く考えなくても、そーだよ。」虎牙の目が、ミコトを見つめる。

「あはは。あたしドジっ娘だから・・」虎牙が何かを感じたのかミコトを見つめている。

「美琴。すまないが何時ものヤツ、やってくれないか?」

「え?何時ものヤツって?何?」

「いつもやってくれてるじゃないか。・・・耳かき。」

「へ?そうだっけ?」虎牙はいけしゃあしゃあと言った。

「いつも、美琴の膝枕でしてくれてるじゃないか。頼むよ。」ミコトは一瞬戸惑った顔をして、

ーくっ!そんなデータがない。これはもしかして、罠か?それとも単なるバグってやつなのか?-

「う、うん。解った、ちょっとまっててね。」ミコトは美琴の部屋へ入り、

「くそっ!こんなデータないぞ。どうなっている、マギカ。」と、ブレスレットに喋った。

「ここは様子を見なければなるまい。」マギカの声が流れた。

「虎穴に入らずんば虎牙を得ず・・か。」

ーいや、それ虎子だから。-マギカの突っ込みが入る。

「おまたせー。お兄ちゃん。」長めのセーターを着たミコトが現れる。

「はい、耳かきするよ。ここどうぞ。」と、ソファの端に座って太ももをポンポン叩いて虎牙を即す。

「んっと、じゃあ頼むよ。」虎牙がミコトの太ももに頭を乗せた。ミコトは、

「あ。あの、頭どう?変じゃない?」と虎牙に聞いた。

「ああ、別に変じゃないよ。美琴。」

「そう?良かった。じゃあ、始めるね。」ミコトはそう言って耳かきを始めた。

「じゃあ、最初は耳の外側から・・・・。」

(うー。虎牙兄!あたしには耳かきなんてやらせてくれた事なかったのに!何でミコトにさせてんのよ。)あたしは目の前にあるビジョンに、噛み付くように見入っていた。

(ああっあんなに気持ち良さそうな顔して・・・あたしがして上げたかったな。しくしく。)

「あのね、お兄ちゃん。お兄ちゃん好きな人いるの?」

「んー、何でそんな事訊くんだ?」

「ん。気になって。」

「・・いる・・よ。」

「え!そ、そーなんだ。どんな子なの・・・その人?」

「その子はさ。甘えん坊で・・・」

「うん、甘えん坊で?」

「でも、オレの事信じてくれて・・・」

「ふーん、信じてくれてるんだ。」

「本当はすごく強い心を持っていてて・・」

「・・・・・。」

「オレよりずっと小さいのにさ、オレよりずっとずっと強いんだ。」

「・・・その子お兄ちゃんの事どう思っていると思う?」

「・・・そうだな、好きでいてくれていると思う。」

「・・・自信有るんだ。」

「ああ、オレも信じている。だから、いつまでも一緒に居たいとと思う。」

「・・・愛しているんだね。その子の事を。」

「愛している。そうさ、美琴の事を。」

「あたし?」

「・・・。君じゃないよ。美琴を愛しているんだ。」

「!!何時気付いたんだ!虎牙!!」ミコトは耳かきを持ったまま虎牙に訊いた。

「君がブレスレットから何かを出そうとした時からさ。それに美琴は耳かきなんて一度もした事が無いし、お兄ちゃんなんて呼ばないさ。」

「くっ!しまった。」虎牙がゆっくりと起きて訊く。

「君は誰なんだ?魔獣鬼にしては、殺気が無い。かと言って人でもなさそうだ。」

「くっ、ははは。さすが、お兄ちゃん。おみごと!あたしは美琴のホムルンクス。魔導式鬼ってやつだよ。」

「そうか、美琴の。で、そのホムルンクスがオレに何の用があって来たんだ。」

「あたしがお兄ちゃんと結ばれれば、本物の美琴が愛の脆さを知ってダークホラー化する計画だったみたいだね。」

「だったみたい?それじゃあ計画変更するのか?」

「・・・変更はしないよ。破棄するのよ。」

「破棄してどうする?」

「あはは。あたしが負けたよ。お兄ちゃんはあたしではどうすることも出来ない。やっぱりあたしは美琴のコピーなんだ。お兄ちゃんの事、好きになってしまったよ。あははっ、美琴が羨ましいなって思う。」

「それで?」

「・・・お兄ちゃんお願いが有るんだ。」

「お願い?何を願うんだ?」

「簡単な事だよ。美琴を助けてくれないかな。」

「解った。何処に居るんだ、美琴は?」

「ふふっ、案内するよ。今から!」

「・・・了解した。」

「じゃあ、行くよ。手を握ってくれる?」

寝返ったミコトの案内で四天王ゴブリンとマギカと決着を付けるあたし達。

次回、やっと戦闘シーン突入です。

次回も読んでくれなきゃ駄目よーん。

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