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聖杖物語黒の剣編エピソード4あたしの彼はお兄ちゃんで騎士<ナイト>様!第2章もう一人の美琴<アタシ>

クリスマスの朝。何時もと同じ朝が来た。今日はダンスパーティが有る。

だけど・・・

魔獣城・・・そこは漆黒の城壁で囲まれた魔獣の主、「北の黒王」の居城。その地下室で3人の魔獣鬼達が、今後の対策を話していた。

「ゴブリン、マギカ。お前達はあくまでギガント同様、ピンク水晶の巫女をダークサイドに引き込む索でいくと言うのだな。」黒い肌を厳めしい鎧で身を包んだ男が言った。

「オーガ、あんたはどうする気だい?」マギカ・・こいつは魔獣鬼では珍しく女の姿をしている。

「俺達と巫女を貶めて、黒の水晶の巫女にしてしまえば、聖姫の様に無駄な時を労費しなくてもすむ筈だ。解らぬか、オーガよ。」

「くだらぬ。水晶の巫女を城まで引き入れ、一気に決着を付ける。これが四天王オーガの索だ。」そう言って地下室をオーガは出て行った。

「ふん、つまらぬ意地を張りおって。」マギカが憤慨する。

「あの男はほっておけ。それより、我が造りし入れ物はどうじゃ。」ゴブリンが指差すガラス張りのケースには、一人の少女が体を丸めた状態で入っていた。

「うむ。なかなかの物だ。では、予定通り我が式鬼として魂を入れてやろうぞ。」マギカが懐から丸い玉を取り出し、ガラスケースの少女に投げ付けた。

「ふふふ、さあ。眠りから醒めよ。我が式鬼、ミコトよ。」ガラスケースが砕け散り水蒸気と共に現れたのは、美琴と全く同じ姿をした瞳の色が紅いミコトだった。


「虎牙兄!朝だよ。起きてよ。」毎朝恒例の行事、

「虎牙兄ってば。」

「んんー、今日はいいだろー。」

「良くないっ、もうあたし学校行くよ。ねぇってば。」

「オレ今日昼は非番だから、寝てる。」

「んー、そう。じゃ、あたし行くからね。」

「んー、解った。」そう言って、また眠り込む虎牙兄。

ーそっか、今日虎牙兄午後番なんだ。・・・残念。今日はクリスマス・・・か、まっしょうがないな。・・・諦めよう今日のダンスパーティ・・・。ちょっと悲しいな。-

暗い感じで学園に向う。

ーあれ?マコもヒナもいないな、どうしたんだろ?-

「あーはははっ!冴騎美琴っ!本当にあなたには呆れるわ。!!」突然大声で怒鳴られる。

「誰?」辺りを見渡しても誰もいない。

「何処探してるのよ、ここよ!ここ!!」声のする方に向くと、レンガ壁の上で魔導服を着た少女が、すっくと立っていた。

「へ?」あたしは目を疑った。

ーどう見ても、魔導服を着たあたしだ・・・・。-

「あーはっはっは、本当にドジな娘ね!今日は何の日か知ってるの?」

「・・・クリスマスでしょ。」訳も判らず答えるあたしに、

「あなた、クリスマスって学園休みでしょうが!」

「あ。」-あはは、その通りだ。-

「くう、やるわね。ところで、あなたは何者?」少女は壁の上から、

「とう!」飛び降りた。<ベチャッ>

ーあ、こけた。-

「いたたたぁー。」尻餅を付いて泣き声を上げる少女、

「あの・・・大丈夫・・かな?」

ーなに、この娘。-

「くー、お尻打ったー。」

ーなんなの、この展開は。-

「冴騎美琴。お前は愛する者に裏切られてダークサイドになるのよ!」ビシッとあたしを指差してその子が言う。

「はあ。」

ーまるで説得力の無い娘だね。-

「ふふふっ、恐いか?恐いだろー。」

ーあーはいはい、もういいや。帰ろ。- てくてくてく。

「どーだ、冴騎美琴。お前を・・・って、おい!勝手に帰るなァ。」訳が判らないあたしそっくりな娘が、慌てて追いかけてくる。

「で、どうしろと?」あたしが呆れ加減で訊くと、

「ふふふ、お前を連れて行くのだ、魔獣界へ。」

ーんっ!やっとシリアス路線に入るのね。(それは、言わんでくれ。)・・・なにか聞こえたような気が・・・-

「それで、あなたの名は?」あたしが訊くと、

「あたしはミコト。あなたのホルムルンクス。ミコト。」

ーあたしのホルムルンクス?-

「あなたの分身、四天王マギカの式鬼。」

ーなんですって!式鬼?それにしてはこんな朝早くから。それに、緊迫感が全然しないな。-

「式鬼と言うからには、対決しないわけにはいかない!いくわよ!!」あたしは右手を高く掲げ<ハープ>を出現させる。ミコトも右手を高く掲げ<ハープ>を・・・。

ーあれ?何も出ないし・・・。-

「あ、あの。何がしたい訳?」あたしが次の行動に困っていると、

「うーん。本当はここで対決する筈だったんだけど。」

「だけど?」

「めんどくさいから、やだ!」

ーずるっ!-思いっきりコケたあたし。

「なんなのよ!あなたは!!」あたしが声を荒げると、

「いやーあははっ、この性格あなたのせいだからね。アタシはあなたのコピーだもん。がはっ!」

「はあはあはあはあっ、それ以上言ったらもっと叩くよ!」あたしはミコトに拳骨を喰らわせながら言う。

「痛たたっ、くそっ!こんな攻撃で参ると思って・・・ぐはっ!!」

「言ったよね!あたし。それ以上言ったら叩くって。」

「うぬうっ。さすが、水晶の巫女!いい攻撃だ!!」・・・・・。



なんなの、この娘。え?うそ!これが罠だったなんて!ごめん虎牙兄!

あたしまた捕まっちゃった・・・

次回Part2も読んでくれなきゃだめよーん。

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