聖杖物語黒の剣編エピソード4あたしの彼はお兄ちゃんで騎士<ナイト>様!第1章アタシやばいかもPart3
マコとヒナに連れられてブティックに来たあたしに、ダンスパーティに出ろって試着させる2人。
しかも、虎牙兄を連れ出せって・・・お願いだけはしてみようかな・・・
「ほーらみ!凄くいい感じ!!」
「こっちも試すのです。」
「あ、あのね、マコ、ヒナ。話が良く判らないんだけど。」
「うん、こっちもいい。このヒラヒラが、くーそそる!」
「です!」
「もしもーし、聞いてる?」あたし達はブティックに来ていたのだが、何故あたしがドレスを試着しているのかだけど、
「クリスマス・ナイト・ダンス会へ、出場するのだ!」そうだ・・・。
「ちょっとマコヒナ!なんであたしがダンス会に行かなくっちゃいけないのよ。」
ーダンスなんか踊れないに決まってるのに!-
「なーに言ってんだよ。お前は連れがあっけど、あたし達にはいねーからだよ。ばか。」
「そーです。私たちの分まで着飾って恋人のハート、ドキュンです!」
ーい、いや。ヒナそれちょっと・・・。-
「兎に角。美琴は虎牙兄さんを連れ出す事!いい!?解った!?」
「えーっ無理だよ。ダンス会なんて、虎牙兄だって踊れる保障ないんだし・・・」
ーそーだよ、それに対魔の事だってあるんだし。来れっこないよ。-
「・・・マコ、ヒナ。何か企んでるでしょ?」
「ギクッ!」「ギクギクッです!」
ーヤッパリ!-
「・・・で?狙いは?」
「・・・ベスト・カップル賞・・・です。」
「賞って、本人達が貰うんじゃないの?」
「・・・分け前・・50パーセントって事で・・・」
「マコヒナ。賞なんて取れる訳無いでしょうが。素人なんだから・・・」
「いや、その。虎牙兄さん男前だし、付属品は着飾っておけばなんとかなるかと・・・」
ー付属品って・・・あたしはグリコのおまけか・・・-
「はあ。まあそんな所だと思った。」
「では!美琴様ぁ。」
「虎牙兄さん連れて来てくれるのです?」
「虎牙兄が来られれば・・・ね。」マコとヒナの顔がぱああっと輝いて、
「よーし!やった。来てくれれば、賞はアタシらのもんだ!」マコが拳を力いっぱい握った。あたしはジト目で、
「いや、だから来てくれればの話だよ。」
「何としても来て頂いて下さい。ですー。」
「はあ、ヒナ迄・・・お願いするだけしておくけど、あまり期待はしないでよ。」
ーはあー、学校面談といい、ダンスパーティといい、お願いしまくりだよ。もう・・・-
家のリビングで・・・
「と、言う訳でダンスパーティについて来て。お願いします。」あたしは虎牙兄を拝む。
「・・・・・・・。」チラッ。上目づかいに虎牙兄を見ると、呆れたような顔であたしを見ている。
ーやっぱり、駄目だよね。お兄ちゃん忙しいもん。特に夜は。-
「美琴。」やっと口を開いてくれた。
「はい。」返事に困る。
「お前、ダンス・・・踊れるのか?」
ーあ、やっぱりそうくるか。-
「えー。踊れないよ。」あっさり答えたら、
「そっか。そうだよな。どうしようかな。」
ーんー?もしかして、脈有りかな?-
「で、でも。踊れなくっても来てくれるだけでもいいかなって。・・・だめ、かな?」虎牙兄を見つめる。
ーここはウルウル目線攻撃の出番ね。-うるうる。
「・・・・。」 ウルウル。
「・・・・・・・。」 ウルウルウルウル。
「ぷ。なにウルウル攻撃してんだよ。善処するから。でも、確約は出来ないからな・」
ーえ!ほんとに?やった!!-
「やったぁ。」思わず虎牙兄に抱きついて言った。
「おいおい。まだ確約って訳じゃないんだし。」
「えー、でも。即答で断られると思ってたから。嬉しくって。」
「行けても、綺麗に踊れる保障はないから。言っておくけど。」
「そんな事いーよ。来てくれさえすれば!」あたしは嬉しかった。もしかしたら、本当に虎牙兄が着てくれる様な気がして・・・。
次回予告。
次回から、第2章もう一人の美琴<アタシ> が始まります。
シリアス路線が始まるのか・・・それとも・・・