本日の遊び キャッチボール 1
「あー、ポテチくいてー」
午後2時ごろ、俺は、そんなことを考えながらベッドの中でまどろんでいた。
「しかしなぁ、食いたいけど、買いに行くのが面倒だなぁ。外は暑そうだし……」
そんなことを考えていたら、いきなり窓から何かが飛び込んできた。
「うおっ⁉︎」
突然のことでびっくりしたが、俺は飛び込んできた物体を見極めることに成功した。野球ボールである。
「うわぁ」
しかも壁に跡が残ってるし。どうすんだよこれ。
「おーい、野球しようぜー‼︎」
あいつの声が聞こえてくる。
「前にも言ったと思うけど、人を呼び出すときに物投げ入れんな。割れ物に当たったらどうすんだよ」
言っても無駄だと思いつつ、それでも俺は言い返した。
「そんなことより野球ー!」
「そんなことゆーな‼︎それに外は暑いし疲れるからいやだ!」
「じゃあベースボール!」
「話し聞いてた⁉︎それに野球と同じだよ、それ!」
「じゃあキャッチボール!」
「同じだよ!」
「同じじゃないよ!」
「どっちでもいーわ‼︎」
疲れた。叫び返すだけでこんなに疲れるとは、思いもよらなかった。しかもさっきから直射日光を浴びているせいで、体中から汗が噴き出て止まらない。
「なー、部屋上がっていい?」
あいつ…… 阿毎は、そう言いながら俺の部屋に入ろうとしてきた。
「ちょ、おま、どこから入ってくるんだよ!
「窓から」
「玄関から来いよ!」
「こっからのが近いんだよ!」
「逆ギレすんな!部屋が汚れるんだよ!いいから玄関から入って来い、玄関から!」
「ぶー」
阿毎は文句を垂れながらも素直に玄関から入って来た。
「お邪魔しまーす」
「おう、入れー」
「あれ、オバさんは?」
「いねーぞ。なんか用事があるらしくて、ちょっと前に出かけた。9時まで戻らないっていってた。」
「へー。……じゃあ、今日はいくら騒いでもいいってこと⁉︎
「いや、だめだろ」
そもそもご近所の目もあるんだし。何をする気なんだ?このバカは。
「なー龍騎ー、遊ぼうよ〜」
「疲れないやつで」
「体動かそ〜」
「絶対イヤだ」
「そんなこと言わずにさ、ほら、コレ」
「グローブ押し付けてくんな‼︎ だからキャッチボールはやんねーつってんだろ‼︎」
「いいからほらっ外に出よーぜ!」
「いーやーだー、運動したくない〜〜‼︎!」
………今日も疲れる1日になりそうだ。