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6体目:エヴァンガルドってどういう所?

かなりマイペースで遅い更新ですが、最後までしっかり続けていきますので、

よろしくお願い致しますm(_ _)m。

「マリアと!」

「マキナの!」

「「エヴァンガルドってどういう所ーっ?」」


 何? このテンション?


「……なぁ。

 これって、やる必要あったのか?」

「何事も、勢いというのは大事なのでございますわ、マキナ様。」

「はぁ、さいですか……。」


 何か良く分からないんだけど、皇女様の勢いに乗せられて、こんな感じで世界観の説明を始める事になったんだが――

 やっぱ要らなかったよな?


 ……って突っ込んでも、話が長くなりそうだから止めとくか。

 さっさと説明を始めてもらおう。


「まぁいいや。そんじゃお願いしまーす。」

「はい、承知いたしました、マキナ様。それでは、まずは……この世界の構図からですわね。

 この世界は、大陸一つだけが存在しておりまして、一つの大きな十字型の大陸となっておりますわ。そして、地球のように丸い惑星となっているわけではございませんの。」

「ほぉ。

 それじゃあ、見知らぬ土地を目指して船で旅立ったとすると……?」


 奈落の底、ってか?


「はい。ご想像通り、地球のように世界が繋がっているわけではないので、[世界の果て]と呼ばれている奈落の底へ落ちてしまう事になりますわ。そして、二度と戻る事は出来ません。」

「おぉ……この世界は、繋がっているわけじゃないのか。」

「はい。そうなのでございますわ。

 昔から世界の謎を調べる為、旅立つ方々が多かったようですが……陸から離れた者達は、皆、帰って来なかったそうですわ。」


 成程。過去の偉人達が、まだ見ぬ知識を求めてくれたお陰で、未来の我々が色々と知識が付いていったわけですね。そこは、どこの世界でも変わんないもんだねぇ。

 ありがたや、ありがたや。


「ふぅーん。

 陸から離れた、って事は、大陸の周りは海があるわけ?」

「その通りですわ。この世界も、地球と同じように、塩分の高い海水で覆われておりますわ。」

「ほぉ、海もあるんだ。

 でもさぁ、この世界って平らなんだよな? そうすると、海水は奈落に落ちるだけ、って事になると思うんだけど。それで、海水は無くならないものなのか?」

「えぇ、無くなりませんわ。この世界には、東西南北のそれぞれの海に世界樹(ユグドラシル)という、天まで届くようにそびえ立つ、とても大きな樹があるのです。この世界樹(ユグドラシル)は、この世界が出来るのと同時に誕生したものといわれておりますし、更には、この世界を支えるもの、ともいわれておりますわ。

 そして、その世界樹(ユグドラシル)から海水が生み出され、止め処なく流れ出ておりますので、世界の果てから海水が流れ落ちても、無くなる事は無いといわれております。」

「ほぉー、流石は異世界、といった所かねぇ。

 それじゃあさぁ、海に生きる生物とかは、どうなってるんだ?」

「海に住むのは、魔物になりますわね。

 地球のような魚介類となりますと、数種類の魔物が食用として流通しておりますわ。」

「ま、魔物っすか……。」

「はい、そうですわ。」


 逞しいね、異世界。

 でも食用っていうくらいだし、地球と似たような魚型の魔物とかなのかな?


「食用として捕獲されておりますのは、蟹型、魚型、他に貝のようなの魔物が数種類ですわね。」


 良かった。地球と似たようなものか。

 それが凶暴化して、魔物として扱われているっていう事なのかね?


「しかし、全ての海の魔物には、手と足が生えておりますわ。」

「ふぉっ!?」


 コワッ!? 異世界の魔物怖っ!!

 夜中とかに、いきなりそんなもんに遭遇した日にゃ、トラウマにでもなりかねんぞ……っていうか、この世界の食事事情が怖すぎるだろうが。


「オーケー、オーケー。

 とりあえず、このまま食物関連の話を聞いていくと、夢が崩れていく事は良く分かった。この話はここまでにして、次に行ってくれないか?」

「わかりましたわ。それでは次に、この世界に存在する種族と国についてご説明させていただきますわ。

 まず、この世界には、5つの国が存在しますの。」

「ふむ、国は5つ、と……もしかして、さっき十字型の大陸って言ってたけど、上手い具合に東西南北に国が別れているのかな?」

「その通りでございますわ。マキナ様の言った通り、中央に1つ国があり、その東西南北に分かれるように国が4つございます。

 まず中央にある国というのは、魔族の方々が住まれる王国。魔王様が納めるブラクコーム王国ですわ。」

「魔族、ね……。」


 中央に魔族、か。

 何ともまぁ、お膳立てされたような、分かりやすいような配置だなぁ。


 ――が、皇女様は、魔族の方々(・・)と言っていた、って事は、完全に敵対しているわけでは無いようだな。

 まぁ、そこら辺についても、説明してくれんだろう。


「次は、北ですわね。北には、竜神族の方々が住まれる王国。竜王様が納めるアーストロイド王国がございます。

 南には、獣人族の方々が住まれる王国。獣王様が納めるロングホーン王国がございますわ。」

「へぇー、竜神族に獣人族か。

 って事は、猫耳の子とか、鱗だらけの人達が居るって事かな?」

「はい。マキナ様のおっしゃる通り、我々、人間族に近い姿で、猫や兎、犬や狼などの耳と尻尾を生やした人獣(ワービースト)と呼ばれる方々と、ほぼ犬や猫が、そのまま大きな姿となって人と同じ生活をされる獣人(ビーストマスター)と呼ばれる方々がいらっしゃいますわ。」


 ほう。という事は、猫耳娘もいれば、リアル長靴をはいた猫もいるわけですな。

 それはそれは、夢が広がりますな。


「それじゃ、魔族や竜神っていうのは?」

「はい。魔族の方々や竜神の方々は、見た目に関しては、ほぼ人間族と変わりません。ただ、魔族の方々には羊のような角が生えていますわ。そして、竜神の方々は、瞳が紅く、手の甲の辺りが、とても固い鱗で覆われておりますわ。」

「ふーん。それならパッと見でも、何となくは分かりそうだな。」

「えぇ、そうですわね。今の知識を持っている方であれば、見逃す事は無いと思われますわ。但し、魔導技術で隠蔽されていなければ、という制限がございますが……。」

「そっか。まぁそれでも、今の俺の身体なら、ほぼ見逃す事は無さそうだな。」

「はい! 私共の技術をもってすれば、その位はお茶の子さいさいですわ!」

「お、おぉ……。」


 ってか、よく、そんな言葉知ってんな。

 お茶の子さいさい、って……。


「それでは、続けていきますね。」

「あ、あぁ、よろしく。」

「はい。

 それでは、次になります。東にあるのが人間族が住む国……すなわち、今居る国ですわね。ここは私の義父、グスタフ・ガルダ・メンフィス皇帝が治めるメンフィス帝国になりますわ。」

「お、やっと、この国か。」

「はい。

 このメンフィス帝国は、人間族による国となっております。ただ、残念な事に、我が義父の所為で、人間族最上主義が蔓延している状態となっていますわ。」

「ふーん、他種族に対しての差別が凄い、って事か?」

「はい、そうです。全く、下らない事ですわ。」


 ほほぅ。という事は、この皇女様は種族間の友好を深めたいという派閥って事なのかね。

 確かに、皆が仲良くやれてれば、苦労する事も無いしなぁ……。


「随分と素晴らしい考えを持っているようだな。でも、それだと皇帝と対立……って、あぁ、そういう事か。」

「そういう事ですわ、マキナ様。

 前皇帝の直系の娘。そして、自分の方針とは対立する考えの持ち主。そうなれば、早目に消すべき、という考えに至るのは、間違い無いのですわ。」

「だよなぁ。」

「それに、ブラクコーム王国の魔王様は、私の幼馴染ですのよ? 国家間で、気軽に会えるような関係を築きたいのですわ。」

「お、おぉ!?

 今、あっさりと大事な事を言ったよな? え、何? 魔王様と幼馴染なの?」

「えぇ、そうですわ。魔王様は、私の2つ上で、お姉様のようにお慕いしておりましたわ。

 マキナ様においで頂いた目的の一つとして、魔王様への謁見の為の護衛がありますのよ。」


 まぁ、そうだよね。

 態々、異世界から呼び出した位なんだから、旅する事もあるだろうと思ってたよ。


「了解。

 まぁ、こんな身体を用意してもらったんだから、しっかりと護ってやるよ。」

「はい! 期待しておりますわ、マキナ様!」


 こういう素直な所と、笑顔を見せられると、自然と好意を寄せてしまうんだよなぁ……。

 でも、刺された事は忘れないぞ。


「それでは最後になりますが、西にはエロフの方々が住まれる王国……。」

「え?」


 ん? 俺の聞き間違いじゃないよな?

 今、間違いなく、エロフ(・・・)って言ったよね?


「何か?」

「いや、エロフって言った? エルフじゃなくて?」

「えぇ、エロフでございますわ。

 ……あぁ、そうでしたわね。マキナ様がお知りになられているエルフとは、全然違うものになりますわ。エロフというのは……マキナ様の世界で知られているもので例えますと、ファンタジー小説などの話に出てくる、森の住人といわれるようなエルフのようなものではありませんわ。

 そうですわね。一番近い例えになりますと……夢の中に現れる、夢魔の類に近い、かと。」

「うわぉ。清純派をイメージするようなエルフじゃなくて、イケイケのサキュバス、って事か。」

「そう考えていただいて問題ありませんわ。

 見た目の違いになりますと、よくマキナ様の世界のアニメに出てくるような姿をイメージしていただければ、一番近いですわ。」


 成程。

 見た目も中身も小悪魔、ってわけですね。

 ――あれ? それだと、魔族よりもエロフの方が、魔族って感じしないか?


「エロフの方々が住まれるのは、西のウィースラ王国となりますわ。そして、ウィースラ王国は険しい山に囲まれており、日が当たる時間が短い国なのです。

 その為か、ウィースラ王国の王様は、別名では夜王と呼ばれておりますわ。」


 夜王って…………。

 どこぞのホストの王様ですかい? それとも、別の意味で言う所のアッチの王様って事ですかい?


 ――いや。ここについても、あまりツッコむのは止めておこう。


 んでもって、その国には、自主規制な出来事が沢山ある、ってわけですね? 分かりました。その国には、出来る限り近寄らない事にしましょう。そうしましょう。


「勿論、エロフ王国にも用事がありますので、ご挨拶に伺いますわよ。マキナ様、色々な意味で危険な誘惑が沢山あると思いますので、襲われないようにお気をつけ下さいませ。」


 ですよねー。

 でも、行くんだったら、生身で行きたかったかなー、って。


「へーい。

 ……と言っても、まぁ、この身体だしな。襲われた所で問題ないだろう?」

「何をおっしゃるのですかっ!? この勇者様のお身体には、しっかりと元の身体と同じように性的興奮した時に反応する、下の機能も付いておりますわっ!

 勿論、生身の勇者様の最大値の物が標準装備されておりますの。」


 おいコラ。


「何だ、その機能はっ!? っていうか、いつの間に計りやがった、この小娘っ!!」

「そこは、マキナ様の魂を魔導人形の方へ映した時に、魔導の力でチョチョチョイっと……。」

「随分とまぁ便利だなぁ、魔導の力ってのはよぉ。」

「いいえ。魔導の力だけは、ここまではいきませんでしたわ。マキナ様の世界にあります、化学という知識があってこその魔導の力ですわ。」

「あのさぁ、その凄い力の使い所が間違っているというかね。

 ……何というか、もういいや。何か疲れた。」

「まぁ? それは、いけませんわね。

 エヴァンガルドの国や世界観についての説明は以上なりますし、ひとまず休憩致しましょう。」


 いや、疲れる原因は皇女様なんだけど……。


「分かった。そうしよう。」

「それでは休憩を入れた後に、中庭にある練習場の方で、マキナ様の身体の性能についての説明を行いますわ。」

「お? やっとか。

 じゃ、さっさと休憩して、次に行こうぜ。」

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