【文書 0156】特殊掃討部隊カドミウム 第六班 標準作戦報告書(写し)
報告書番号:CD-6-RX-0212-03
報告日 :再編2年10月13日
報告者 :池端誠(第六班 班長、一等陸尉相当)
作戦区域 :第三封鎖区画 / 旧工業地帯
作戦時間 :再編2年10月12日 23:00〜翌04:15
【1. 作戦目的】
封鎖ライン外で活動が報告された個体群の排除。
【2. 経過】
01:14 旧川崎製鉄所敷地内にて、対象個体2体を視認。
01:22〜01:37 制圧(射撃数9発、頭部命中確認)。
04:15 帰投。
【3. 損害】
我方:なし。
対象:2体 制圧。
【4. 特記事項】
対象個体のうち一体は、接近時に**明確な発声**を行った。
発声内容(記憶に基づく):
「あなたたちは何故、私たちを見たがらないんだ」
本職、当該発声の聴取直後、規定通り射撃を実施。
当該対象、頭部命中、活動停止。
本職、本事について現場で約30秒の判断遅延があったことを、正直に報告する。発声の意味については判断しなかった。規定遵守を優先した。
ただし、本事案の発声内容は、これまで報告されてきた「擬態行動」とは性質が異なる印象を持った。
擬態は、人間の声を真似ることである。当該対象は、問いを発した。
これが擬態の高度化であるのか、それとも別の現象であるのかは、本職には判断する権限がない。判断を求める権限のある部署への、本報告書の回付を要請する。
承認印:[巌本]
受理印:[黒田事務局]
【決裁附記】
本職、池端誠の所見について、軍事委員会・医事委員会への回付の要請を却下する。当該所見は現場担当者の心理的負荷を反映した個人的印象であり、組織的検討の対象ではない。
附記決裁:軍事委員会 副委員長 ─────(署名不鮮明)
再編2年10月20日




