第6章 手先
暁の刃が入山してから何日が経ったか——計算した。
ギルドへの帰還報告が3日後を想定しているとすれば、期限を過ぎた時点で捜索扱いになる。
捜索依頼が受理されるまでに2日、実際に動くまでに1日か2日。合計でおよそ6日から9日。
楽観的な計算だ。すでに4日が経過しているとすれば、残りは少ない。
捜索チームは、通常の侵入者とは目的が違う。
4人が見つからない——その情報を持って入ってくる。
戦闘を避けながら生存者を探す動きになる可能性がある。あるいは最初の罠で即撤退するかもしれない。
「ダンジョンが危険だと確認できた」という報告を持ち帰ることで目的を達成するタイプなら、無理に奥まで進まない。
問題は——撤退されることだ。殺せないよりも、殺さないほうが悪い場合がある。
「危険なダンジョンが存在する」という確定情報がギルドに届けば、次の対応は格段に大きくなる。
今の規模ではない。
「先手が要る」
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現在の防衛構成を確認した。
入口の間には罠の連鎖がある。暗闇罠→落とし穴×2→毒霧散布罠、コアバットが天井で待機している。
機能する。だが核からの直接感知しか持っていなかった——
通路で何が起きているか、侵入者が入口の間に踏み込んだ瞬間に、リアルタイムで把握する手段がない。
前室の影狼とアラクニアは強い。だが命令の精度に限界があった。
細かい戦術——後退させる、引きつける、特定の1人だけを狙う——
これらが確実に通るとは言えない。
昨日考えたことに答えが出ていた。ボーンスカウトを使う。
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カタログから配置を実行した。
```
[ ボーンスカウト × 1:配置 ]
[ 消費:5 PT ]
[ 残PT:22 ]
```
通路の中間点に出現した。身長は170センチほど。
関節が露出した骨格に、干からびた腱が絡みついている。
眼窩は空洞だが、核の知覚が通じていた——索敵の延長として機能する。
剣を持ち上げた。
「これを使え」
骨格の手に柄を握らせた。
指が閉じた。意外なほど自然だった。人間と同じ骨の比率、同じ関節の構造。
剣の重心は手元寄り——これが軽量なボーンスカウトの体格にちょうど合っていた。
盾はどうするか一瞬考えたが、AGI11の機動力を殺すのは惜しかった。盾はなしにした。
核の通知が来た。
```
[ ステータス更新:ボーンスカウト ]
[ 装備:粗鉄の直剣〔粗製〕]
[ ATK:7 → 15(+8)]
[ HP:20 / DEF:5 / AGI:11(変化なし)]
```
ATKが2倍以上になっていた。
素のATKが7——他の☆クラスとしては標準的だが、単体での戦闘力は高くない。
そこに剣を持たせると15。DEFは5のままだから打たれ弱さは変わらない。だが速い。
AGI11は前室の影狼よりも上だった。剣を持って、走れる。それだけで運用の幅が変わる。
「使える」
「動け」
通路を走らせた。
足音がない。骨の足裏が石の床を叩くが、思っていたより静かだった。
核越しに視野を共有すると、通路の壁が流れていく感覚があった。
入口の間まで走らせ、落とし穴の位置を確認させ、戻らせた。
10秒かからなかった。
「偵察に使える」
前室の影狼では不可能な速さで内部を把握できる。
ボーンスカウトを通路に待機させれば、侵入者が入口の間に踏み込んだ瞬間に感知が来る。
罠との組み合わせではなく、情報として機能させる。
位置を固定した——通路の中間点、暗所で壁に背をつけた姿勢で待機。
明かりを持たない侵入者には見えない位置だ。
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夜になった。
影狼を外に出した。今回は遠くまで行かせた——山の下方、街道が見える尾根まで。
人の匂いがあった。
まだ遠い。少なくとも半日の距離。1人か2人か——複数の気配だと影狼の感知が告げていた。
焚き火の匂いがした。野営している。
「来ている」
影狼を呼び戻した。帰路で鹿を2頭仕留めてきた——偵察の副産物だ。
```
[ 外部討伐:鹿 × 2 ]
[ PT +4 / 功績 +4 ]
[ 残PT:22 ]
```
夜明けまでに到着するかどうか——微妙な距離だった。早ければ今日の午前中。遅くても翌日の午前。
DM室に戻り、剣を手元に置いた。ボーンスカウトを通路に待機させ、感知の範囲を最大に広げた。
準備は整った。
あとは来るのを待つだけだ。
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【ダンジョン構造(変更点)】
変更なし(部屋・通路の追加・削除なし)
【経路】
入口(山の斜面・岩壁の亀裂)
↓ 通路(5m)
入口の間(10m×10m)
↓ 通路(5m) ※コアバット天井待機 / ボーンスカウト中間点待機
前室(10m×10m)
↓
ダンジョンマスターの間(10m×10m)
↓ (隠し扉)
DM生活区画(3m×4m)
【配置詳細】
◇入口の間:暗闇罠×1(入口寄り)/ 落とし穴×2 / 毒霧散布罠×1(壁際) / ダークスライム×1(床)
◇通路(入口の間⇔前室):コアバット(天井待機)/ ボーンスカウト×1(中間点・壁際・粗鉄の直剣〔粗製〕装備)
◇前室:影狼(壁際)、アラクニア(天井中央付近)
◇ダンジョンマスターの間:ダンジョン核
◇DM生活区画:排泄処理スロット / 洗面台(温水) / 石製寝台(寝具セット) / 回収装備残り(木芯鉄板の円盾 / 癒しの粗布ローブ / 草露薬×2 / 感知符×10)
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【戦力配置(変更点)】
ボーンスカウト 新規配置(通路中間点・壁際待機)
粗鉄の直剣〔粗製〕装備済み(ATK +8)
役割:内部偵察・侵入者接近の早期感知・近接迎撃補助
凪(DM本人) 装備変更:粗鉄の直剣をボーンスカウトに渡し、木芯鉄板の円盾 + 粗鉄の短剣(補助)に変更
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【PT収支】
【空白期間(day2〜day3)維持費】※第5章末〜第6章開始の未計上分
影狼×2日・アラクニア×2日 -4 PT
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第6章開始時PT(day4・実質): 23 PT
ボーンスカウト×1(配置) -5 PT
外部討伐(鹿×2・影狼の偵察帰りに討伐) +4 PT
モンスター維持費 翌朝(第7章開始時)に計上
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第6章終了時PT:22 PT
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【功績収支】
第5章終了時功績 6
外部討伐(鹿×2) +4
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第6章終了時功績:10(次のレベルアップまで:90)
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