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幽霊学園  作者: 久遠 零


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「うん、思い出したよ。なんで、私が勉強嫌いになったか」


 麻耶(まや)はそう言い、支音(しおん)に簡単に思い出した内容の説明をする。


「なるほど。と言うことは、麻耶さんの未練はもうわかったね!」

「え? いや、まだわかったのはテスト勉強が嫌いと言うことだけなんだけど」


 支音は首を振る。何故か支音には麻耶の未練がはっきりとわかっていた。


「麻耶さんの未練はテストでいい点数を取ることだよ!」

「どうしてそうなるの!?」


 麻耶は顔を歪ませる。相当テスト勉強に嫌悪感を抱いているようだ。


「麻耶さんのやり方でも点数が取れることを証明すればいいんだよ」

「どうせ、勉強したってもう使わないんだから無駄だよ。今は気になったことを質問しに行くこともないもん」


 視線を逸らす麻耶の正面に移動し、無理やり目を合わせる。


「麻耶さんの今まで生きてきた人生が無駄じゃなかったことを証明するんだよ! それが未練だと私は思った」


 だいぶ時間が経ち、夕暮れ時で空は紅く染まっている。

 麻耶は返事を返さず立ち上がり、荷物を持って歩き出す。支音が止めようとする前に言う。


「考えておく」


 そのまま、振り向かずに帰って行った。取り残された支音も帰り支度をする。準備はすぐに終えたが、追いかけはせず、1人で部屋に戻った。


 次の日になり、いつものように授業を受ける。それまでも麻耶はいつものように真面目に授業を受けてるだけで、昨日の話をすることはなかった。

 今日の授業が終わり、勉強会の時間になる。麻耶も来ていた。

 麻耶以外の全員は恒例のように、席につき勉強の準備をしている。麻耶1人が立ちつくしている。


「で? 支音が来たってことは、麻耶の未練は見つかったってことでいいの?」


 (ひな)が支音に聞いてくる。


「一応未練は見つかったんだけど……」


 そう言って麻耶の方を見る。


「昨日帰ってきてからずっとあの調子だから、うちにもわからない」


「あの! みんないいかな!?」


 麻耶が突如全員に声をかけ始める。


「みんな私に勉強を教えてくれない!?」

「そのためにこの会を開いたんだけど」


 雛がぶっきらぼうに言う。反対する人はおらず、晴れやかな表情に変え、机に着き勉強道具を取り出す。


「そしたら、早速質問していい?」


 麻耶の言葉にみんなが耳を傾ける。


「なんで、水素ってHなの?」


 質問を聞いた途端、1人を除きみんなの顔が険しくなる。


「えーっと、まあ、そう言うもんなんじゃないの?」


 麻耶の隣に座る芹亜(せりあ)がそう答える。


「そう言うもんか……」


 みんな必死に答えを考えているが思い出せないようで、誰も口を開かない。

 そんな中、1人が手を挙げた。


「水素がHなのは、英語の「Hydrogen」、ラテン語の「Hydrogenium」の頭文字がHだからだよ。どちらも意味は水を生むものだよ」


 カレンがさくっと答えを言う。


「そーなんだ!ありがとう!」

「いえいえー、私も気になって調べたことがあるんだ」

「そしたら次はね――」


 こうして、勉強会はみんなで頭を悩ませながら夜遅くまで続いた。ほとんどはカレンが答えていたが、みんなで調べるなど協力した勉強会になった。

 そして、あっという間にテスト当日になった。

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