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至音たちは照真の口からサッカー部の簡単な過去について、話を聞いた。
「これで、以上だよ。この話から想像できる未練は県大会出場ってことじゃないかな?」
「私としてもそれに賛成!」
結奈がすぐさま答えた。
「支音ちゃんも綾華も賛成だよね?」
特に異論はなかった為、黙って頷く。照真はみんなの同意を得れたことに安心して、ほっとした様子を見せた。
「良かった。それなら、この未練解決に向けて一つ提案があるんだ!」
力斗が一歩前に出て、宣言する。
「先生に聞いてみたら、俺たちも地区大会に出られるみたいなんだ!そこで叶えられなかった夢を叶えよう!」
「「「おーーー!!!」」」
示し合わせたかのように、一斉に叫ぶ。
それから、サッカー部のメンバーは練習をしに行った。教室に残ったのは支援者のみだ。
「それで、私達は何をするの?」
綾華が不満げな声を漏らす。
「綾華。そんなこと言ったらだめだよ!綾華のクラスの生徒も居るんでしょ?」
「だから、私に出来ることを聞いてるんでしょ。私はサッカーに対する知識もないし、何が助けになるのかも何が必要なのかもわからない」
「それ私も思ってた。こんなにいっぱいいるし、私に出来ることあるかな?」
照真はそんな至音たちの態度に当然と言ったように頷いた。
「普段の練習のサポートは、僕と育瀬に任せてほしい。3人は情報収集をお願いしたいんだ。この学校、基本外とは遮断されてるから全く情報がない。情報戦から負けたくない。これは3人にしか頼めない。お願いしてもいいかな?」
迷いなく3人とも頷きを返した。その後に寮の部屋に帰り女子3人で作戦会議をすることになった。結奈を中心として話し合いを始める。
「私達支援者は、事前の申請なしで外に出られるからそこは問題ないね。問題は、どうやって、情報を集めようか?」
「校門から出てきた人にサッカー部の噂を聞くとか?」
「そもそも、地区大会でしょ。強豪校でもないんだし、そこまで情報に気合を入れる必要なくない?」
綾華は自分の机に座って本を読んでいる。結奈がそんな綾華に近づいて本を取り上げる。
「今は話し合いの時間。そんな適当な態度は許さない」
「ご、ごめん」
綾華は顔を伏せて謝罪の言葉を言った。すると、結奈の顔はぱあっと明るく変わった。
「ごめんね。強い言葉を使っちゃって。私は対戦相手の高校について先生に聞いてくるね」
そう言って、足早に部屋を去っていった。




