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照真は女子たちに向かって手を振って見送る。
「ごめんね。照真さん。私のクラスのことなのに巻き込んじゃって」
支音は慌てて謝る。
「全然、むしろ僕が割り込んでよかった?」
「本当に助かったよ!照真さんがいなければ、説得できなかったかも」
「それならよかった!今日の放課後、待ってるから!」
あっという間に放課後になった。カレンと苺花からはエールを貰い、サッカーチームに入っているという2人とミーティング場所に向かう。休み時間のうちに2人の名前は確認しておいた。積極的に話してきていたのが体全力斗、もう一人が結城悠斗だと分かった。向かっている最中に、力斗が申し訳なさそうに話してくる。
「なあ。俺達を優先してよかったのか?まあ、助かったんだけど」
「もちろんだよ。むしろこっちのほうが謝らないといけないかもね。もっと早く話を聞ければ良かったね」
「いやいや、俺が話すのが遅かったから」
「上天さんは悪くないよ。こいつ、力斗が女の子と話せない〜とか、馬鹿なことをしてたせいだから」
「おい!悠斗!余計なことを言うな。だいたいお前だって」
お互い軽口をたたき合っていている。傍から見てとても仲が良さそうだと至音は感じた。そうこうしているうちに目的の場所にたどり着いた。中にはすでに、至音たち以外の全員が揃っていた。
「さっきぶりだね、待ってたよ」
笑顔で照真が近づいてくる。その後ろからもう1人ついてきた。彼も体が透けておらず支援者だとわかる。
「初めまして、上天支音です」
「延尺育瀬です」
照真とは対照的でニコリともせず、話しかけてくる。
「よろしくお願いします」
少し近寄りがたく、距離をとりたくなる。挨拶にも育瀬は軽く目を見てくるだけで、返事をしてこない。
「ごめんね。育瀬はこれが通常営業だから、怒ってないから、安心してね」
照真の説明もあり、ほっと息をつく。
結奈と綾華の姿を見つける。目が合い結奈は手を振ってくる。支音は手を振りかえしつつ、空いている場所に移動をする。すると、照真が真ん中に来て話始める。
「今回は集まってきてくれてありがとう。僕の予想ではここにいるみんなの未練が一緒だと考えている。だからこそ、今回はクラスの垣根を超えてみんなで協力したい!」
結奈が手を挙げる。
「質問いいかな?照真くんはこのみんなの未練がもうわかってるの?」
「ああ、もう検討がついている。まずはそこから説明しようか」
その場に集まった全員が照真の話に耳を傾ける。誰にとっても大切な話の為、ふざけるような人物はいなかった。




