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幽霊学園  作者: 久遠 零


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 至音(しおん)に促され片方が一呼吸おき、怒りを沈めている。そして、ゆっくりと話し始める。


「内容的にはそこの女子と一緒だ。俺達の未練を解消して欲しい」

「未練に検討もついてないような人よりうちらのほうがよっぽどいいよ」


 (ひな)がここぞとばかりに、口を挟んでくる。


「飯野さん。どちらから先に未練を解決するかは私が決めます。今は話を聞いているので口を挟まないでください」


 段々と嫌気が指してきた至音が注意をする。一応は納得したのか、口を膨らませながらも静かになった。


「それで、何か他の人より優先しないといけない理由とかあるの」

「ああ、俺達は多分未練が分かってるんだ!」


 衝撃的な発言に周りにいた人たちは驚いて声をあげる人もいた。


「待って。未練は支援者がいないと大体検討もつかないよね?」


 カレンは(はるか)の一部始終を見ていたため、あり得ないといった様子で質問をする。


「いや、まあ、そんな100%って訳ではなくて」


 カレンに押されたのか先程の自信はなくなり、しどろもどろになる。


「その点は僕が説明するよ」


 教室の扉にもたらかかって、見知らぬ男子生徒が突然割り込んできた。よく見るとその生徒は体が透けておらず、他のクラスの支援者だとわかる。


「僕の名前は狭間(はざま)照真(しょうま)。君と同じ支援者だよ」


 そう言って、支音に手を出す。支音は迷いなくその手を取り、握手をする。


「初めまして、上天(かみあま)支音です」

「支援者同士よろしくね」


 ニコニコとした笑顔を浮かべていて、顔もよい。彼が支援者のクラスはまとまりが良さそうだと支音は感じた。


「さて、彼の話なんだけど。この学校にサッカーチームがあることは知ってる?」

「部活はないんじゃなかったっけ?」

「部活というより、有志で集まってるって感じ。彼らはそのチームのメンバーなんだ」

「他クラスの人も含めてみんなでサッカーをやってるんだ!」


 男子生徒はいつになくウキウキとした様子をしている。その態度からもサッカーに情熱を注いできたことがわかる。


「僕のクラスにもメンバーがいて、詳しく話を聞いてみたところ、サッカーが未練に関係してると予測を立てたんだ」

「そう!それで照真にクラスの支援者に相談しろって言われて」

「支音さんにお願いがあるんだ。もしよかったら、今日の放課後にやるサッカーチームのミーティングに参加してほしい」


 2組の未練の話について聞いたが、優先すべき方はいたって簡単だった。


「もちろん。参加させて!このクラスの支援者として、2人の未練解決を手伝うよ!」


 支音ははっきりと言い切った。その瞬間、女子たちが騒ぎ始めた。


「なんで!うちらのほうが大切でしょ!」

「ごめんね。飯野(いいの)さん。予約ってことでいいかな?こっちの未練が終わり次第すぐに話を聞くよ」

「いいや、うちらが先になるべき」


 駄々をこねる子供のように全く話が通じない。またもや、少し怒りを込めて言ってやろうと、一歩踏み出したところを照真に制止される。


「飯野さんだっけ?お願い!ここは僕に免じて譲ってくれないか?もし、譲ってくれるなら、飯野さんの未練解決に僕も手伝う。今回だけ、特別に」


 特別という言葉に惹かれたのかすっかりと機嫌が良くなった。


「まあ、特別ならね。いいよ。その代わり、照真くん。約束を忘れないでね」

「もちろん」


 気を良くしながら、女子たちは元の席に帰って行った。

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