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幽霊学園  作者: 久遠 零


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 朝目が覚めて教室に着くや否や、普段そこまで関わりのないクラスメイトに囲まれる。みんな口々に何か訴えかけているようだが、人数が多すぎて支音(しおん)は処理しきれず、アワアワする。すると、カレンが間をぬって目の前に来た。


「おはようカレンちゃん。これはどうしたの?」

「おはよー、支音。ごめんね。私たちの所為なんだ」


 申し訳なさそうに手を合わせる。すると、カレンの後ろから苺花(いちか)が顔を出す。


「苺花たちが昨日のことを話しちゃったんだ。そしたらみんな自分の未練が気になっちゃったみたいで」


 全員の未練を解決しないといけない支音にとってこれは都合がよかった。自主的に聞いてくるのであれば、仕事が1つ減ることになる。


「気にしなくて大丈夫だよ。未練解決は私の仕事だから」

「ごめんね。支音さんも自分のペースがあったと思うのに」


 改めて支音は周りに集まった人を見渡す。良く見ると2つのグループに分かれているようだ。1つは、女子3人組。明るく普段からこのクラスで存在感を放っている人たちだ。もう1つは、2人組の男子だ。勉強は苦手だが、体育は得意と言ったタイプの人たちだ。


「うちらの方が大切だから!!」

「いいや、どうせ、女子は碌なことを考えてない!俺らの方が大切だ!!」


 支音が考え事をしている間にいつの間にか、グループ間で争いが発生している。


「ちょっと、落ち着いて」


 元は支音に用事があったためか、簡単に争いが収まった。


「現状が理解できないから簡単に説明して」


 少し語気を強めて言う。一度冷静に話を聞かなければ何も分からない。


「じゃあ、まずは……」


 女子グループの方を見て話を促そうとする。ここで、至音は気がついた全く名前を覚えていないことに。その様子に気がついた苺花がコソッと耳打ちをしてくれた。


「真ん中の一番前に出て話しているのは飯野(いいの)(ひな)さんだよ」

「飯野さんから話して」


 苺花のお陰でなんとか危機を逃れた。苺花だけが聞こえるくらいの声量でお礼を言って、雛の方に向き直る。雛は自分が先に促されたのに機嫌が良くなったのか。得意げな顔をしている。ボブの髪を耳にかけ直し、堂々とした佇まいで話し出す。


「話すことはだた一つ!次に未練を見つけるのはうちがいい!いいや、うちらこそが未練を解消するにふさわしい!」


 後ろに立っている2人もうんうんと頷いている。


「うん!これこそが一番正しいに決まってる。うちの未練が解消したら、次に芹亜(せりあ)麻耶(まや)の未練を解消したらいい。そこの男子どもはどうせくだらない未練だし後回しで問題ない」


 煽るように雛は男子グループの方を見る。男子のほうは今にも飛びかかってきそうだ。


「分かった、分かった。飯野さんのことはよく分かったから、次はそっちの話を聞かせて」

「話なんて聞く必要ないのに」


 ブツブツと文句を言っている。雛を無視して話を促す。

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