表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幽霊学園  作者: 久遠 零


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/37

21

 至音(しおん)たちは朝倉(あさくら)と表札の書かれた家の前に立っている。


「ここに(はるか)がいるの?」


 カレンが彼方(かなた)に聞く。


「ああ、ここぐらいしかないだろう」


 彼方はチャイムも押さずに慣れた手つきで玄関の扉を開ける。鍵もかかっていなかったようですんなりと開いた。心奈が突然声をあげる。


「私は外で待ってるねまたややこしいことになったら大変だしね。絶対に仲直りするんだよ」


 彼方はその言葉に対して強く頷き返し中に入る。

 家の中に入ると他の部屋には脇目もふらずどこかに向かう。


「俺と遥はよくお互いの家にも遊びに行ってたんだ。おそらく遥は自分の部屋にいる」


 とある部屋の扉の前に立ち止まる。


「ええっと、誰かまず入ってみてくらないか」


 彼方は急に弱々しくなる。そんな態度にカレンがムスッとする。


「あんたが行った方がいいに決まってるでしょ」


 苺花(いちか)もそれに頷いて言う。


「私達があいだになるより、直接向かい合ったほうが気持ちが伝わると思うよ」


 最期に至音が一歩前に出て言う。


「行って来てよ。私達は逃げられないようにここで退路を塞いでるから。遥ちゃんのこと任せたからね」


 彼方は3人の顔を一望する。そして決意を固めたような顔に変わる。


「行ってくる」


 扉に手をかけてゆっくりと開き中に入る。中はカーテンが閉めてあり、電気も付いておらずとても暗かった。恐る恐る声を出す。


「遥?居るか?」


 部屋の隅に目線を移すとうずくまって顔を伏せている遥がいた。


「遥。さっきはちゃんと話せなかったからまた会いに来た」


 遥は何も反応を返さない。顔も見えないためどう思っているのかも分からず、彼方は続きを話すのをためらう。しばらく、沈黙が続くがそれを破ったのは遥だった。


「うん。私も話したいことがある。話さなきゃいけない……。聞いてくれる?」


 顔をあげて彼方のことをまっすぐと見つめる。彼方は返事をせず、目の前に座り見つめ返す。


「喧嘩した日のこと覚えてる?……いや、私が一方的に怒っちゃった時」

「俺が無神経なことを言った日だろ。覚えてるよ」

「あの日はごめんね。自分でも感情がぐちゃぐちゃになってた。

「いや、謝るのは俺の方だよ」

「彼方はちゃんと謝ってたのに私が無視してただけ」


 押し問答が続く。


「こんなことを話したいわけじゃなかったね」


 一息深呼吸をする。


「私、彼方のこと好き」


 遥は目をそむけてはっきりと口にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ