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「喧嘩した日、俺は放課後に友人と教室で話をしていた。好きな人の話になったんだ。俺は隣のクラスの人気者を好きって言ったんだ。俺と遥が恋人関係で無いことを知った友人が遥のことが好きって言ったから、つい俺は遥と付き合っても良いことないぞって言っちゃったんだ」
「なにそれ!ひどくない!」
カレンは我慢しきれず口を挟む。
「うん。遥は廊下でたまたま聞いていたみたいで、その後一緒に帰ってるときに怒られたんだ」
「それは怒るよ。誰だって自分のこと悪く言われたらショックでしょ。あんた本当に遥が何で怒ってるのか分からなかったの?」
「いや、だから俺は遥のことを悪く言ったことは謝ったんだ。でも、遥は全く許してくれなかった。というより他の何かに怒っているようだった。その他の何かが俺にはわからないんだ……」
「うーん、しっかりと謝ったんだよね?話を聞いても別の原因があるとは思わなかったけれど」
ひたすら話を聞いて、考えをまとめようとしていた至音は、混乱してしまい頭を抱えている。カレンも苺花も具体的な意見が出ない。そんな中、心奈があり得ないといった顔をしている。それに気付いた至音は心奈に問いかける。
「心奈さんは何かをわかった?」
「逆に何でそんなに鈍感な人たちしかいないの!?」
先程まで謝ってしょんぼりしていた姿とは打って変わり、急にテンションが上っている。
「私がいないとだめみたいだね!話を聞いてて思ったけれど、ずばり!遥さんが怒ったのは、彼方君が遥さんのことを好きと言わなっかたからだよ!」
キラキラと乙女のような表情をして語っている。
「彼方君も遥さんのこと取られたく無くて、そんなこと言っちゃたんでしょ!だめだよ。ちゃんと自分の気持に正直にならないと」
「いや、そういうわけでは」
彼方は目を伏せて気まずそうにしている。
「自分の気持も打ち明けずにいたことを遥さんは怒ったんだよ!ほら、ほら、今すぐ伝えに行く!」
「俺、まだ好きだとか言ってないだろ!」
「言ってるようなもんでしょ!遥さんのこと好きだって悟られたくないから、適当な人を好きな人にしたんでしょ。ずるいよ」
反論出来ずに唸っているとカレンが追い打ちをかけてくる。
「遥のこと傷つけて、そのまま、逃げるの?」
「わかった、わかった。確かに言ってるように俺は遥のことが好きだ。でも、今更言った所でもう意味ないよ」
『意味がない』その言葉に反応し至音が声を荒げる。
「そんなことない!!遥ちゃんはあなたに会いに行くって言った。完全に嫌いだったら行くとは言わないと思う。それに今回を逃したらもう2度とチャンスは訪れないよ!最期の別れが喧嘩でいいの!?」
「会ってもまた、逃げられるかも知れないし、拒絶されるかも知れない」
弱気になっている彼方を見て、カレンが態度を一変させ優しい声で言う。
「大丈夫。その時は私達がサポートする。するべきことはわかってるでしょ?全力で伝えな」
「ーーありがとう。恐らくだけど、遥は自分の家に戻ったと思う。まずはそこに行ってみよう」




